【雨と気温】チリの天気・気候の特徴と観光・旅行のベストシーズン
この記事の目次
チリの地理と天気・気候の特徴
チリは太平洋とアンデス山脈に挟まれた、南北4329㎞に細長く延びる国で、北部には砂漠地帯がある一方で、南部には1年中氷に覆われた氷河地帯があり、地域によって大きく気候が異なる。
チリの海岸から約3700㎞離れた南太平洋に浮かぶイースター島も、本土とは異なった気候をしている。
南半球に位置するチリは南に行くほど寒く、北に行くほど暑くなり、季節は日本と逆になる。
季節は日本のように四季がある地域、乾季と雨季に分かれる地域など様々である。
北部砂漠地帯(アタカマ高地)の天気・気候
海岸から内陸にかけて乾燥した砂漠地帯が広がり、フンボルト寒流の冷水の湧昇現象によって、雨は全くと言っていいほど降らない。
アタカマ砂漠やタラパカ砂漠からなる砂漠地帯は寒暖の差が激しく、日中は40℃近くまで気温が上がっても、朝晩は0℃近くまで冷え込むこともある。
海岸沿いの町はフンボルト寒流の影響で過ごしやすい気候で、砂漠地帯のような寒暖の差はない。
チリ北部最大の町であるアントファガスタの年間平均気温は16℃前後。
12〜4月の平均最高気温は21〜23℃、最低気温は17〜20℃。
気温の下がる5〜11月の平均最高気温は16〜19℃、最低気温は14〜16℃。
チリ最北端の町であるアリカの年間平均気温は19℃前後。
12〜4月の平均最高気温は24〜27℃、最低気温は18〜20℃。
気温の下がる5〜11月の平均最高気温は18〜21℃、最低気温は14〜16℃。
この2つの町は共に海岸沿いに位置し、砂漠地帯と同様に雨は全く降らない。
アントファガスタの天候グラフ
アリカの天候グラフ
中部地方の天気・気候
首都サンティアゴが位置する中部地方は温暖な気候で、日本のように四季がある。
1年のうち300日以上が晴天に恵まれ、特に9〜4月は雨が降ることはほとんどない。
雨は気温の下がる5〜8月に多いが、それでも1ヶ月の降水量が100㎜を超えることはほとんどないため、この時期が観光に適さないという訳ではない。
雨の心配はないが、この地域は1日の寒暖の差が激しいため、夏でも上着を用意しておいた方がいい。
サンティアゴでは、夏の12〜2月は最高気温が30℃を超えるが、朝晩は12℃前後まで冷え込む。
冬の6〜8月でも最高気温は15〜16℃まで上がるが、朝晩は5℃以下まで冷え込む。
冬は防寒対策が必須となるが、雪が降り積もるようなことはほとんどない。
観光のベストシーズンは、晴天に恵まれ雨の降らない3〜8月となる。
サンティアゴの天候グラフ
南部湖水地方の天気・気候
古都バルディビア周辺からプエルト・モントまでは南部湖水地方いわれ、雪に覆われたアンデス山脈を背景に、チリ松などの針葉樹林が広がり、湖や滝、急流を有する渓谷に囲まれた美しい景観をしている。
湿度が高くて冷涼な気候で、夏の12〜2月には避暑地として旅行者で賑わう。
地域によっては年間降水量が2500㎜を超えるほど雨が多く、基本的には雨季は5〜8月だが、その前後も雨が多い日が続くことがある。
バルディビアの夏はとても暑く、最高気温が35℃を超える日も珍しくなく、最低気温は17℃前後。
冬の6〜8月の最高気温は20℃前後と過ごしやすいが、朝晩は10℃以下まで冷え込む。
降水量は、5〜8月は1ヶ月に200〜350㎜、10〜3月は1ヶ月に50〜100㎜、4・9月は150㎜前後。
プエルト・モントは夏でも最高気温は20℃前後で、朝晩は10℃以下まで冷え込む。
冬は日中でも10℃前後までしか気温が上がらないため防寒着が必須で、朝晩は5℃以下まで冷え込む。
降水量は、5〜8月は1ヶ月に200〜250㎜、9〜4月は1ヶ月に90〜150㎜。
観光のベストシーズンは、比較的暖かくて雨も少ない10〜3月となる。
バルディビアの天候グラフ
気象庁にデータが無い月は、グラフの線が切れている。
プエルト・モントの天候グラフ
南部パタゴニア地方の天気・気候
パタゴニア地方とは、大西洋に流れ込むコロラド川あるいはネグロ川を境にして、ほぼ南緯40℃以南の地域のことで、南北に連なるアンデス山脈によってチリ側とアルゼンチン側に分けられる。
30もの国立公園がある、手付かずの雄大な自然の宝庫で、大草原(パンパ)と乾燥した大地が広がるアルゼンチン側、フィヨルドが複雑に入り組むチリ側、そして山や湖、氷河など変化に富んだ景観をしている。
この地域は年間を通じて気温が低く、吹き付ける強い風が体感温度をさらに下げる。
プンタ・アレーナスやウシュアイアの年間降水量は400〜600㎜ほどで、毎月30〜60㎜程度の雨が降る。
季節は一応12〜2月が夏、6〜8月が冬だが、この地域で日本の夏のような暖かさを感じることはない。
プンタ・アレーナスとウシュアイアの夏の最高気温は13〜15℃、最低気温は5〜6℃、冬の最高気温は3〜5℃、最低気温は-1〜-2℃。
ウシュアイアは世界最南端の都市で、南極圏まで1250㎞の所に位置する南極に最も近い都市。
地域にもよるが、観光シーズンは比較的天気のいい春から夏にかけての10〜3月。
パタゴニア地方北部は冬でもスキーなどを目的に観光客が訪れるが、南部などは冬は雪に覆われて目的地に辿り着けないこともあり、利用者が少なければホテルは休業、交通機関は運休になる場合もある。
プンタ・アレーナスの天候グラフ
イースター島の天気・気候
イースター島は海洋性亜熱帯気候に属し、年間平均気温は20℃前後と温暖な気候。
11〜4月が夏で乾季、5〜10月が冬で雨季、最も暑いのは2月、最も涼しいのは8月。
年間を通じて日差しと風が強く、にわか雨が多いので、日焼け止めやサングラス、雨具も用意したい。
また、天候が変わりやすいので脱着しやすい上着があると便利。
夏の日中は30℃を超えることもあり、平均最高気温は23〜26℃、最低気温は19〜21℃。
冬の平均最高気温は20〜21℃、最低気温は16〜17℃だが、朝晩は防寒着が必要なほど冷え込む日もある。
年間降水量は1000㎜前後で、夏は1ヶ月に70〜90㎜、冬は1ヶ月に90〜120㎜の雨が降る。
比較的雨の少ない夏が観光のベストシーズンで、アナケナビーチでは海水浴も楽しめる。
イースター島の天候グラフ
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