アンコール 観光情報まとめ

世界遺産の概要


9世紀から15世紀にかけて、インドシナ半島で繁栄を極めたクメール王国のアンコール王朝は、15世紀半ばにシャムのアユタヤ王朝(現在のタイ)の侵略によって滅ぼされてしまう。
かつての栄華を物語るアンコール王朝の遺跡群は、次第に人々から忘れ去られ、密林の奥深くに眠り続けていた。

再び日の目を見るのは1860年、フランス人博物学者アンリ・ムオによって発見されてからのことで、現在では広大なエリアに大小600以上もの遺跡が発掘されている。
主に遺跡が残されているのはトンレサップ湖の北側で、これらの遺跡が点在する約400㎢のエリアが1992年に世界遺産に登録された。

登録当初は遺跡群の存続が危ぶまれることから“危機遺産”に指定されていたが、カンボジア国内の保護活動への意識の高まりと、各国の援助によって2004年に“危機遺産”の指定を解かれた。

angkor-wat-425689_1280アンコール観光の拠点はシェムリアップ


アンコール遺跡群の観光の拠点となる町は、トンレサップ湖の北側に位置するシェムリアップ。
シェムリアップの町は、南北に流れるシェムリアップ川を挟んで西側と東側に開けている。
町の西に位置する空港から市内へ向かう国道6号線沿いは、中心部に近くにつれてホテルやレストランなどが多くなり、6号線はシェムリアップ川を越えて町の東側まで続いている。

西側のメインストリートは、シェムリアップ川の500mほど西を南北に延びる“シヴォタ通り”で、6号線からこの通りを南下していくとホテルやレストラン、マッサージ店やインターネットカフェ、銀行などが立ち並び、町最大のショッピングセンターであるラッキー・モールや、旅先で必要な生活用品が揃うアンコール・マーケットも“シヴォタ通り”に建つ。

シヴォタ通りを南下すると、通りの東側には夕方になると賑わうナイト・マーケットがいくつもあり、様々なみやげ屋や飲食店、マッサージ店がびっしりと並んでいる。
大体16:00以降に営業を開始する店が多いが、昼間から空いている所もある。

更に南下して通りを右に入るとパブ・ストリートがあり、ここの南側にはオールド・マーケットがある。
パブ・ストリートは主に飲食店が軒を連ねる通りで、路地にまでびっしりと店が並び、多くの店は昼間から営業しているが、特に16:00以降は様々な国の観光客で賑わっている。

オールド・マーケットは朝7:00頃から営業している活気のある市場で、生鮮食品の他にも土産物や日用品の店もある。
また、オールド・マーケットの北側には屋台や食堂が立ち並び、こちらも朝7:00頃から営業していて値段も安く、旅行者向けの店もあれば地元民向けの店もある。

シヴォタ通りの南側にあるナーガの噴水周辺にもホテルやゲストハウスが多く、この辺りに宿泊すればパブ・ストリートやオールド・マーケット、ナイト・マーケットなどに徒歩数分で行ける。

6号線でシェムリアップ川を越えて150mほどの所を右に入ると“ワット・ボー通り”で、この通り周辺にはホテルやゲストハウスが多く、レストランやインターネットカフェなどもある。
6号線沿いにもホテルが多く、川を越えて1㎞ほど進むと大きなマーケットがある。

このマーケットは生鮮食品や日用品など様々なものが売られているが、みやげ屋は少なく、地元民の生活のためのマーケットといった感じです。
西側に比べると観光客は少ないが、だからこそ東側では地元の人々の生活を感じ取ることが出来る。
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アンコール遺跡群への入場について


アンコール遺跡群の見学可能な時間は大体5:00~18:00となっており、遺跡内に入るには入場券が必要で、主な遺跡の入口では検札で入場券の提示を求められる。
また、遺跡内のトイレを利用する際にも入場券の提示を求められる。
入場券は顔写真入りの券で、写真はチケット売り場で無料で撮ってくれる。
入場券には1日券、3日券、7日券がある。

    • 1日券
      1日利用可能で料金は20US$。
    • 3日券
      連続3日利用可能な券と、購入日から1週間以内の任意の3日間利用可能な券がある。
      料金は共に40US$。
    • 7日券
      連続7日利用可能な券と、購入日から1ヶ月以内の任意の7日間利用可能な券がある。
      料金は共に60US$。

シェムリアップ西側の、シェムリアップ川と6号線が交わる所にあるシアヌーク・ヴィラ(王様の別荘)の前にニアッキー像があり、ここから北に延びるチャールズ・デ・ゴール通り(Charles De Gaulle)を約3㎞進んだ通り沿いの右側にチケット売り場があり、ここからさらに約2㎞進むとアンコール・ワットがある。
チケット売り場の入口には“TIKCET BOOTH”と書かれた青い看板があるので見逃すことはないでしょう。

アンコール遺跡群の見どころ


アンコール・ワット

12世紀前半に約30年もの歳月を費やして建立されたアンコール・ワットは、ヴィシュヌ神に捧げられた
ヒンドゥー教寺院であると共に、創建者であるスーリヤヴァルマン二世の墳墓でもあったとされている。

面積は200haにもなり、周囲は東西約1500m、南北約1300mの堀で囲まれ、内部は外側から中央に向かって第一回廊、第二回廊、第三回廊、そして真ん中に中央祠堂があり、回廊には浮き彫り(レリーフ)やデバターという女性の彫刻がびっしりと施されている。

第三回廊は特に神聖な場所であること、そして急な階段の上り下りで危険を伴うことから入場規制があり、大体100人をめどに入場が制限されるので順番待ちになることもある。
そして第三回廊は服装規制もあり、肩が出ているタンクトップやキャミソール、膝が出ている短パンやミニスカートでは入場不可で、帽子は脱がなければいけない。

第三回廊の入場可能な時間は8:00~17:00。
また、毎月1ヶ月に4日ある仏教の日(トゥガイ・ゼル)は第三回廊のみ入場不可。

アンコール・観光のベストタイムは?

アンコール・ワットは正面が西を向いているので、午前中は逆光になる。
写真を撮るなら訪れるベストタイムは午後からだが、午前中の方が空いている。
また、日の出と夕暮れにシルエットとなって密林に浮かび上がる姿は幻想的ですばらしい。
シェムリアップ市内からアンコール・ワットまで約6㎞あり、チャールズ・デ・ゴール通りかシヴァタ通りから道なりに北上して車で約20分。

アンコール・トム

12世紀後半、ジャヤヴァルマン七世によって建立されたアンコール王朝最大の都城遺跡で、四方を長さ3km、高さ8mの城壁に囲まれ、南大門、西大門、北大門、勝利の門、死者の門という5つの城門がある。

城壁の内部は主な道が十字に配置され、その中心にあるバイヨン寺院は、古代インドの宇宙観で神が降臨する聖域とされていた須弥山(メール山)を具現化したもの。
四方に刻まれた巨大な観世音菩薩の顔はそれぞれ表情が異なり、“バイヨンの微笑”や“クメールの微笑”といわれる神秘的な笑みを浮かべている。

この他にもアンコール・トム内と周辺にはバプーオン、王宮、ピミアナカス、プラサット・スゥル・プラット、クリアン、象のテラス、ライ王のテラス、プノン・バケン、バクセイ・チャムクロン、プリア・ピトゥ、プリア・パリライなど様々な遺跡が残されている。

また、南大門〜バイヨン寺院、バイヨン寺院、プノン・バケンでは象に乗ることができる。
象乗り場はバイヨン寺院の東側、南大門の手前、プノン・バケンに入る道の前にある。
アンコール・トムへはアンコール・ワットから約2㎞、シェムリアップ市内から約8㎞あり、チャールズ・デ・ゴール通りかシヴァタ通りを道なりに北上して車で約30分、ベストタイムは午前中。

バンテアイ・スレイ

10世紀に建立されたバンテアイ・スレイは“女の砦”の意味をもち、シヴァ神とヴィシュヌ神に捧げられた周囲約400mの寺院。
規模は大きくないが、大部分がラテライトという赤い砂岩で造られ、精彩で美しい彫刻が至る所に施されたバンテアイ・スレイは、アンコール遺跡群の中でも特に芸術性の高い遺跡であり、保存状態も良い。

最大の見どころは“東洋のモナリザ”と称されるデバター像で、この像はあまりの美しさから、かつて作家のアンドレ・マルローが盗掘して逮捕されるという事件が起きている。
このデバター像がある中央祠堂周辺は、現在は遺跡保護のため立ち入り禁止となっており、間近で見ることはできない。

バンテアイ・スレイはシェムリアップから北東に約40㎞、車で約50~60分。
ベストタイムは午前中で、遺跡に太陽の光が当たると赤い砂岩の色が際立つ。
また、雨に濡れた後も赤みが増して美しい。

ロリュオス遺跡群

8世紀後半、ロリュオス遺跡群の礎はジャヤヴァルマン二世よって築かれ、その後インドラヴァルマン一世によって王都が造営され、現在のアンコール地域に移るまでの王都があったロリュオスにはロレイ、バコン、プリア・コーといった遺跡が残されている。

現在は水は枯れているが、当時は貯水池の中央の小島に建っていたロレイ寺院は、水の中央に寺院を置くことで須弥山(メール山)を模したとされ、現在も残されている4基の祠堂の中央には水を流す十字の樋があり、この十字の樋の真ん中に設置されたリンガから水が四方に流れる仕組みになっている。

バコンはインドラヴァルマン一世がヒンドゥー教の神々に捧げるために建立した寺院で、ロリュオス遺跡群の中で最も規模の大きな遺跡。
東西約700m、南北約900mの壁で四方を囲まれているバコン寺院は、中央祠堂を囲むように8基の祠堂が建てられ、東西に設置された塔門で外部と通じている。

プリア・コーは“聖なる牛”という意味で、アンコール遺跡群の中で最古の寺院がこのプリア・コー寺院。
インドラヴァルマン一世が両親や祖先に捧げるために建立したこの寺院には6基の祠堂があり、祠堂のあちこちに細かな漆喰の彫刻が残されている。

祠堂の前にはナンディン像と呼ばれる牛の像が3体あり、この聖なる牛はシヴァ神の乗り物(ヴィハーナ)だと考えられている。
シェムリアップからロリュオス遺跡群へは6号線を東へ約13㎞、車で約20~30分。

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シェムリアップの気候


カンボジアの気候は熱帯モンスーン気候に属し、季節は乾季と雨季のふたつに分かれる。
年間を通じて高温多湿で、シェムリアップの年間平均気温は27℃前後、平均最高気温は30℃を超える。1年中日本の夏の服装で過ごせるが、室内は冷房の効き過ぎている場合もあり、薄手の上着があると便利。

11月中旬~5月上旬にかけてが乾季で、この時期はほとんど雨が降らない。
前半の11月中旬~1月下旬にかけてが比較的涼しく、1年で最も過ごしやすい観光のベストシーズンとなるが、それでも最高気温は30℃を超える。
後半の2月上旬~5月上旬は1年で最も暑い時期で、最高気温は35~40℃を超えることもあり、特に3~5月は蒸し暑い日が続き、アンコールの遺跡巡りなどは体力的にきつい。

5月下旬~10下旬にかけてが雨季となるが、日本の梅雨のように1日中雨が降り続くことはほとんどなく、1~2時間ほどでやむ激しい雨がふる。
傘が役に立たないほど激しい雨が降ることがあるので、雨合羽があると便利。
このスコールのような雨は、一定の時刻にまとまって降ることが多く、雨季の前半は午後に、後半は明け方や夕暮れ以降に降ることが多い。

7~8月にかけては雨が少なくなる時期が10日間ほどあり、最も雨が多いのは9~10月。
雨季は雨で若干気温が下がるが、それでも最高気温は30℃を超える。
雨で濡れたアンコールの遺跡は滑りやすいので注意が必要で、なるべく履きなれた歩きやすい靴で訪れた方がいい。
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日本からのアクセスと行き方


日本からカンボジアへの直行便はなく、ベトナムのハノイやホーチミン、タイのバンコク経由でシェムリアップ国際空港に行くのが一般的で、シンガポールや香港、韓国のソウル経由の便もある。
日本からのフライトはハノイ、ホーチミン、バンコクまで約6時間、さらにシェムリアップまで約1時間。

空港からシェムリアップ市内への移動について

シェムリアップ市内へは空港から東へ約8㎞あり、車で約15~20分。
空港の到着ホールを出ると右側にタクシーのチケット売り場があり、ここでチケットを購入して空港敷地内で待機しているタクシーに乗車する。
市内までの料金はバイクタクシーがUS$2、車のタクシーがUS$7。
トゥクトゥクは空港を出た所で待機しており、料金はUS$4。

通貨と言語とビザについて

カンボジアの公用語はクメール語だが、観光地などでは英語が通じ、通貨はRiel(リエル)だが、US$も紙幣のみ流通している。
また、カンボジアへの入国にはビザが必要。
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カンボジアへの入国とビザ取得と滞在期間延長方法

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