インドの世界遺産・タージマハル

インドの世界遺産:タージ・マハル(アーグラ城壁,ファテープル・スィークリー) 観光・旅行情報まとめ

世界遺産の歴史と登録の概要


北インドの町、アーグラの広々としたヤムナー河のほとりに美しく輝くタージ・マハル。
ムガル帝国5代目皇帝シャー・ジャハーンによって、1631年に亡くなった愛妃ムムターズ・マハルの死を悼んで建設された白大理石の霊廟。

世界各地から貴石が取り寄せられ、2万人以上の職人が22年のも歳月を費やして建設したタージ・マハルは、インド・イスラム建築の最高傑作といわれている。

その規模は圧倒的で、基壇の大きさは95m四方、その上に建つ本体は57m四方で高さ67m、四隅のミナレット(塔)の高さは43mという目を見張る大きさ。

完全な左右対称の姿が前庭の池に映し出され、昼間に見ても美しいタージ・マハルだが、夕暮れ時には赤く染まり、シルエットとなって浮かび上がる姿にも目を奪われる。

貴重な歴史的建造物であるタージ・マハルは1653年に完成し、1983年に世界遺産に登録された。


インドの世界遺産:タージ・マハル

タージ・マハル観光の拠点はアーグラ


タージ・マハル観光の拠点となるアーグラへは、インド各地から鉄道、長距離バス、飛行機の国内線などが出ているが、鉄道の場合はデリー、ムンバイ、コルカタからの列車はアーグラ・カント駅(Agre cantt R.S)に、ジャイプルやラクナウなどからの列車はアーグラ・フォート駅(Agra Fort R.S)に着く。

アーグラのメインの駅となるカント駅には観光案内所があり、ここで市内の地図やホテルなどについての情報を入手できる。

カント駅からタージ・マハルまでは約6㎞あり、駅前から延びるステーション・ロードを道なりに約4㎞進むとタージ・ロードと交わり、ここを左斜めに進むと約2㎞でタージ・マハルに着く。

ステーション・ロードは途中からモール・ロードという名前に変わるが、この辺りはホテルやオフィスなどが建ち並ぶ新市街で、この通り沿いにも観光案内所がある。

ヤムナー河のそばにあるフォート駅前には“アーグラ城壁”があり、駅の裏には“ジャマー・マスジット”がある。

また、駅裏となる駅の北側はシティといわれる地域で、この辺りは賑やかなバザールになる。
バザールとは市場という意味で、街頭で様々なものが売られている。

フォート駅からタージ・マハルまでは約4㎞あり、ヤムナー湖に面した通りを道なりに進むとタージ・マハルに着く。

タージ・マハルの基本情報


  • 入場できる時間は日の出〜日没まで。
  • 金曜は定休日。
  • 入場する際は裸足になるか、無料でもらえるカバーを靴につける必要がある。

入場チケットについて


入場するには、入場料Rs250とADAチケットRs500で合計Rs750をチケット売り場で支払う。
ADAチケットとはインド考古学局に対して支払う料金で、アーグラの主な観光名所で入場料とは別で支払う必要があり、金額は場所によって異なる。

ただし、このRs500のADAチケットは、アーグラ城、ファテープル・スィークリー、スィカンドラー、イティマド・ウッダウラー廟などで同日のみ使用できる。

持ち込めるものについて


タージ・マハルは荷物の持ち込み制限があり、入場ゲートで所持品チェックされる。
カメラは持ち込めるが三脚は持ち込めず、大きい荷物や飲食物も持ち込めない。
もし持ち込めない物を持っていた場合は、チケット売り場で預けることができる。

夜間の見学について


ラマダン月と金曜を除き、満月の日とその前後2日ずつの計5日間、夜間見学できる。
なお、ラマダン月は毎年異なり、毎年約11日ずつずれていく。

入場できるのは20:30〜00:30までの4時間で、50人ずつのグループで30分間の見学を計8回、1日最大400人まで入場できる。

夜間見学するには、前日にモール・ロード沿いにあるASIオフィスで申し込みとRs750のチケットを購入をする必要がある。(前日より前には申し込みできない)

また、タージ・マハルの入場ゲートは南門、西門、東門の3ヶ所があるが、夜間は東門からしか入場できないので注意が必要。

正確な日付などの詳細は下記のASI公式サイトから。
Archaeological Survey of India Agra Circle
Archaeological Survey of India

タージ・マハルの入場ゲートは3ヶ所ある


  • 南門
    多くの旅行者が滞在するゲストハウス街から最も近いのが南門。
    車で近くまで来ることができ、チケット売り場も南門のすぐそばにある。
    しかし開門時間が8:00〜17:00なので、早朝から見学したい人は他の門から入るしかない。
  • 西門
    開門時間は日の出〜日没までで、チケット売り場は西門から西に50mほどの所にある。
    周辺の道路からチケット売り場までの一部の区間は、隣接する公園の道路のため一般車両は乗り入れできない。
    ここから公園内を走るリクシャーを利用することもできるが、徒歩でも10分ほどでチケット売り場に着く。
  • 東門
    開門時間は日の出〜日没までで、チケット売り場は東門から東に1.2㎞ほどの所にある。
    このチケット売り場はシルプグラーム(Shilpgram)という名前で、ここから東門の間は無料シャトルが往復している。
    もし入場ゲードの所持品チェックで引っ掛かると、このチケット売り場まで荷物を預けに戻らなければいけない。
    また、東門に直接行ってもチケットは購入できないので注意。

インドの世界遺産:タージ・マハル

アーグラ中心部と近郊の見どころ


アーグラ城壁 Agra Fort

ヤムナー河のほとりにそびえるアーグラ城壁は、ムガル帝国第3代皇帝アクバルによって16世紀に築かれたの旧都城であり、1983年に世界遺産に登録されている。

16世紀から約300年に渡り栄華を極めた、ムガル帝国の歴代の皇帝が君臨したこの居城は、皇帝が代わる度に補強や増改築がされて現在の姿となった。

赤砂岩で築かれた城壁の内部には、白大理石が使われた宮殿が並び、美しい庭園が広がっている。
開館時間は日の出〜日没まで、入場料はRs250+Rs50(ADA)。

アーグラ城壁公式サイトはこちら。
Travel Information Of Agra Fort

ジャマー・マスジット Jama Masjid

1648年にムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンによって建設された、赤砂岩で造られたイスラムのモスク(礼拝堂)で、外壁には赤と白の精巧なモザイク柄の装飾がびっしりと施されている。

インド各地に同じ名前のモスクはいくつもあるが、ここのジャマー・マスジットはインド最大ともいわれている。
開館時間は日の出〜日没まで、入場は無料。

マターブ・バーグ Mehtab Bagh

ヤムナー河を挟んで、タージ・マハルの対岸に位置する英国式の庭園で、敷地内の一部には1990年代に発掘されたムガル時代の遺跡が残されている。

ここからヤムナー河を隔てて眺めるタージ・マハルは美しく、夕暮れ時には夕日に染まるタージ・マハルを眺める旅行者で賑わう。
開館時間は日の出〜日没まで、入場料はRs100。

イティマド・ウッダウラー廟 Itimad-ud-daulah Tomb

ヤムナー河の対岸にある、17世紀前半に建設されたムガル時代の霊廟で、ヤムナー河に架かる橋を越えてすぐ左側にある。

緑の庭園の中央に建つ霊廟は、白大理石にタージ・マハルと同様の精巧な浮かし彫りが施されている。
開館時間は日の出〜日没まで、入場料はRs100+Rs10(ADA)。

スィカンドラー Sikandra

ムガル帝国に栄華をもたらし、1605年に亡くなった第3代皇帝アクバルの死を悼んで、アクバルの息子である第4代皇帝ジャハーンギールによって建設された墓所。
中央にはアクバル廟(Tomb Of Akbar The Great)がある。

アーグラ・フォート駅(Agra Fort R.S)から北西へ約9㎞の所にあり、リクシャーでRs150ほど。
開館時間は日の出〜日没まで、入場料はRs100+Rs10(ADA)。

ファテープル・スィークリー Fatehpur Sikri

16世紀、世継ぎに恵まれなかったムガル帝国第3代皇帝アクバルは、この地に住むイスラム聖者シューク・サリーム・チシュティーの予言によって男児(後の第四代皇帝ジャハーンギール)を授かった。

この事をきっかけにアクバルは、約5年もの歳月をかけてこの地に3㎞×1.5㎞の城壁で囲まれた壮大な都を建設し、ファテープル(勝利の都)と名付けたこの地に首都を移した。

内部は大きく「宮廷地区」と「モスク地区」に分かれており、現在も多くの遺跡が残されている。
宮廷地区には、巨大な柱の上に玉座を据えた“ディワーネ・カース(貴賓謁見の間)”や、176本の柱によって五層に積み上げられた“パンチ・マハル”など、一見すると木造建築のような石組みの遺跡がある。

モスク地区には、赤砂岩と白大理石造りの巨大な“ブランド門”や“ジャマー・マスジット”、そしてシューク・サリーム・チシュティーの白大理石造りの霊廟がある。

広大な土地に築かれたこの都城は、水不足が原因となりわずか14年で放棄され、それ以降はもぬけの殻となっていたこの遺跡は、1986年に世界遺産に登録された。

開館時間は日の出〜日没まで、入場料はRs250+Rs10(ADA)だが、モスク地区のみの見学は無料。
アーグラ市内から西へ約35㎞の所にあり、ステーション・ロードの一本北の通りにある、イードガー・バススタンド(Idgah Bus Stand)からバスで約1時間。

インドの世界遺産:タージ・マハル

アーグラの天気・気候


インドの気候は地域によって大きく異なるが、季節は大きく雨季、乾季、暑季の3つに分けられる。
北インドの平野部に位置するアーグラは、雨季は6〜9月で、年間降水量のほとんどがこの時期に集中し、最も雨が多い7、8月の1ヶ月間の降水量は200㎜を超す。

しかし、日本の梅雨のように一日中雨が降り続くことは少なく、決まった時間にまとまった雨が降ることが多く、観光ができないというわけではない。

最高気温は35℃近くまで上がり、特に雨季の始まりとなる6月は40℃に達することもある。
この時期は高温多湿で、朝晩でも気温は25℃前後とかなり高い。

雨季以外の季節が乾季となるが、その中でも11〜2月は冬で、最高気温は25℃前後まで下がる。
雨もほとんど降らず、アーグラ観光のベストシーズンといえる。
しかし一日の寒暖の差が大きく、朝晩は5℃前後まで冷え込むこともあるので、防寒対策が必須となる。

3月下旬から雨季に入るまでの約2ヶ月間が暑季で、年間を通じて最も暑い夏となる。
最高気温は35℃を超え、その中でも最も暑い5月は、日中は40℃を超えることは珍しくなく、朝晩でも25℃を超える。
雨はほとんど降らないが、この猛暑の中を観光するのは体力的にかなりきつい。

ニューデリーの天候グラフ

ニューデリーはアーグラの約200㎞北の都市。
アーグラのグラフが無いので参考までに。

インドの世界遺産:タージ・マハル 観光・旅行

ニューデリーの2016〜2017年の天候データ
出典:気象庁ウェブサイト


インドの世界遺産:タージ・マハル

アクセス:日本からの行き方


日本からインドへは直行便があり、首都デリーにあるインディラ・ガンディー空港まで約8時間。
インディラ・ガンディー空港にはターミナル1とターミナル3があるが、国際線は全てターミナル3で発着している。

この2つのターミナルはシャトルバスで結ばれており、飛行機の搭乗券かe-チケットを提示すれば無料で利用できる。

空港からアーグラにあるアーグラ空港までフライトがあるが、本数が少ないこと、そして空港がアーグラ中心部から若干離れていることから、最も交通の便が良いのは鉄道となる。

デリーからアーグラへの移動について

デリーのニューデリー駅(New Delhi)からアーグラのアーグラ・カント駅(Agre cantt R.S)まで、特急列車Shatabdi Expressで約2時間、その他の急行列車でも3〜4時間ほどで着く。
また、鉄道より移動時間は長くなるが、アーグラ行きの長距離バスも出ている。

長距離バスは、デリーのサラーイ・カレ・カーン・バススタンド(Sarai Kale Khan Bus Stand)から出ており、アーグラまで約5時間。

このバススタンドは、ハズラト・ニザームッディーン駅(Hazrat Nizamuddin R.S)の東側にある。
デリーにはメトロ駅と鉄道駅があるが、駅名にR.Sと付くのは鉄道駅。

ニューデリー駅やサラーイ・カレ・カーン・バススタンドがあるデリー中心部へは、空港から約15㎞あり、メトロ、エアポートバス、タクシーのどれかを利用して向かうことになる。
また、乗り場は全てターミナル3の到着ロビーを出た所にある。

  • メトロ(地下鉄)
    メトロの路線の1つであるエアポート・メトロを利用するのが最も早く、終点のニューデリー駅まで約20分で着く。

    ターミナル3の到着ロビーを出て、向かいにある“METRO”と表示された建物に入り、エスカレーターで地下まで降りるとチケット売り場がある。(乗車券はトークンと呼ばれている)
    ニューデリー駅からアーグラ行きの列車に乗り換えるには、一度改札の外に出て、アーグラ行きのトークンを買って再度入場しなければならない。

  • エアポートバス
    DTC(Delhi Transport Corporation)が運行する赤い車体のバスで、10〜20分間隔で一日中運行している。

    ニューデリー駅の近くのコンノート・プレイス(Connaught Place)まで約50分だが、渋滞に巻き込まれると1時間以上かかる。

  • タクシー
    日本のようなメータータクシーと、エリア別で料金が設定されているプリペイドタクシーがあり、コンノート・プレイスやニューデリー駅まで約40分だが、こちらも渋滞に巻き込まれると1時間以上かかる場合がある。
    また、プリペイドタクシーの窓口は乗り場と到着ロビー内にある。
通貨と言語とビザについて

インドの公用語はヒンディー語だが、観光地であれば英語もほぼ通じる。
通貨は紙幣のルピー(Rs)と硬貨のパイサー(P)が流通しており、1Rsは100P。
また、インドへの入国にはビザが必要。

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