オーストラリアの世界遺産・ウルルカタジュダ国立公園

オーストラリアの世界遺産:ウルルーカタ・ジュダ国立公園 観光・旅行情報まとめ

世界遺産の歴史と登録の概要


オーストラリア大陸のほぼ中央に位置し、世界最大級の一枚岩であるウルル(エアーズロック)
地球のへそ」ともいわれ、オーストラリアのシンボル的存在として親しまれている。

高さ約350m、全長3.4㎞、周囲約9.4㎞の巨岩が何もない砂漠地帯にそびえる姿は、間近で見ると想像以上の迫力に圧倒されてしまう。

およそ6億年前、地殻変動で海底だった部分が地上に現れ、その後の浸食や風化によって約7000万年前にほぼ現在の姿になったとされ、地上に見えている部分は岩全体の1割程度にすぎないと考えられている。

ウルルが巨大な一枚岩なのに対し、カタ・ジュダは36の奇岩からなり、オーストラリア大陸の先住民アボリジニの言葉で「たくさんの頭」という意味をもつ。

マウント・オルガ、マウント・ギー、マウント・ウルパ、リル・ウォールという代表的な巨岩が4つあり、最も大きいマウント・オルガの高さは500m以上もある。

アボリジニの歴史や文化、そして先祖の魂が宿る聖地として崇められる一帯は、1987年に国立公園に指定され、同年にウルルーカタ・ジュダ国立公園として世界遺産に登録された。


オーストラリアの世界遺産:ウルルーカタ・ジュダ国立公園

ウルルーカタ・ジュダ国立公園観光の拠点はエアーズロック・リゾート


ノーザンテリトリー(Northern Territory)という地域にあるウルルーカタ・ジュダ国立公園の近くには町がなく、観光の拠点は1000人以上収容可能な宿泊施設をもつエアーズロック・リゾートとなるが、ここからでもウルルーカタ・ジュダ国立公園まで20㎞以上ある。

ここからレンタカーを利用して観光に向かうこともできるが、エアーズロック・リゾート発のツアーを利用するのが一般的で、エアーズロック・リゾートから約440㎞離れたアリス・スプリングス(Alice Springs)発のツアーも多数でている。

エアーズロック・リゾートに着いたら真っ先に立ち寄りたいのがビジターズセンターで、ここにはウルルやカタ・ジュダ、アボリジニの生活や文化に関しての展示が行われている。

また、セイルズ・イン・ザ・デザート・ホテル(Sails In The Desert Hotel)内には日本語で情報が得られるアジア・デスクがあり、日本語のツアー案内のチラシなども置かれている。

エアーズロック・リゾートには他にも多くのホテルや展望台、キャンプ場やショッピングセンターがあり、リゾート内を周遊する無料シャトルバスが運行されている。

ウルルーカタ・ジュダ国立公園への入場について


ウルルーカタ・ジュダ国立公園を観光するには、公園入場ゲートで入園券を購入する必要がある。
入園券は1人$25で3日間有効。(ツアー参加者はバスドライバーから購入できる場合がある)

ウルルの近くにはカルチュラル・センター(Cultural centre)があり、ここではアボリジニの生活や文化を紹介する展示やビデオ上映が行われ、工芸品の販売もされている。

多数の部族からなるアボリジニだが、ここではこの地域で生活をしてきたアナング族が、古来から受け継いできた伝統に触れることができる。

ウルル(エアーズロック)の見どころ


エアーズロック登山 Ayers Rock Climbing

登山口はウルルの西側にあり、目の前の駐車場まで車で来ることができる。
傾斜が急な所には鎖が張られており、この鎖をつたって登るので健康な人なら誰でも登れる。
頂上までは距離にして約1.6㎞、所要時間は往復で2時間ほど。

頂上からは360度の地平線を見渡せ、西にカタ・ジュダの奇岩群が、東にはウルルと同様の巨大な一枚岩であるマウント・コナーが見える。

ただし、先住民の神聖な場所であるウルルに観光客が登ることを、アボリジニたちは快く思っておらず、アボリジニたちがウルルに登ることもない。

また、登山は天候などにより禁止されることが多く、ここ数年の登山解禁日数は1年に150日ほど。
登山口が開いている時間も日の出の30分前〜日没後30分までとなっている。
登山禁止の条件はこちら。

  • 3時間以内に雨、または嵐が予想される時。
  • 標高2500ftでの最高風速が25ktある時。
  • 雲が頂上より下に下りて来ている時。
  • 救助作業が行われている時。
  • 天気予報で気温が36℃以上の時。
  • 伝統的所有者から文化的理由による要請があった時。
ベース・ウォーク Base Walk

エアーズロックの周囲約9.4㎞をぐるりと一周できるウォーキングトレイルがあり、所要約3時間。
登山口から500mほど続く遊歩道はマラ・ウォーク(Mala Walk)とよばれ、ここを進んでいくと遊歩道沿いにアボリジニの壁画が残された洞窟がある。
さらに時計回りに進むとカンジュ渓谷(Kantju Gorge)という小さな池がある。

この辺りは緑豊かで、雨が降ると雨水が滝となって岩肌から池に降り注ぐ。
さらに進むと南側の駐車場を通過して登山口に戻ってくる。
この南側の駐車場からは、クヤニ・ウォーク(Kuniya Walk)とよばれる500mほどの遊歩道が続いてる。

サンライズ&サンセット Sunrise&Sunset

エアーズロックの岩肌は1日の中で様々な色に変化するため、天候に恵まれれば素晴らしい色に染まった姿を見ることができる。

タリングル・ニャクンチャク・サンライズ・ビューイング・エリア(Talinguru Nyakunytjaku Sunrise Viewing Area)は、エアーズ・ロックの南東にある3000人収容可能な大きな展望台で、日の出と共にオレンジ色に染まる姿を眺めることができるベストエリア。

サンセット・ビューイング・エリア(Sunset Viewing Area)はエアーズロックの北西にある展望台で、日没時の夕日に赤く染まる姿を望めるベストエリア。

オーストラリアの世界遺産:ウルルーカタ・ジュダ国立公園

カタ・ジュダと近郊の見どころ


風の谷 Valley Of The Winds

カタ・ジュダの奇岩群の奥深くまで踏み込むことができるウォーキング・トレイルで、風の谷駐車場から一周約7㎞、全て歩くと所要約4時間。

駐車場から1㎞ほど進むと、最初の見どころとなるカル展望地(Karu Lookout)があり、巨大な岩山の先に大地が広がる雄大な景色が望める。

さらに進むと分かれ道になるが、南側(右)の岩の間の狭いトレイルを進んだ辺りが風の谷とよばれるエリアで、突き当たりまで進むと最大の見どころであるカリンガナ展望地(Karingana Lookout)に着く。

岩山の間を風が吹き向け、広大な大地の先にはカタ・ジュダの奇岩群が点在し、その壮大な光景には思わず息を呑む。
ここで引き返すか、さらに進んで渓谷をぐるりと抜ければ分かれ道に戻ってくる。

オルガ渓谷(ワルパ) Olga Gorge(Walpa)

最も手軽にカタ・ジュダの奇岩群に触れることができるウォーキング・トレイルで、オルガ渓谷駐車場から片道約2㎞の一本道。
オルガ渓谷内の巨大な岩の間を進んでいくと、その圧倒的な大きさに驚かされる。

キングスキャニオン(ワタルカ国立公園) Kings Canyon(Watarrka National Park)

約720㎢もの広さをもつワタルカ国立公園の中央にそびえるジョージ・ジル山脈(George Gill Range)。
このジョージ・ジル山脈西端の大渓谷がキングスキャニオンとよばれ、切り立つ崖の高さは最高で270mにもなり、大自然の迫力ある景色が広がっている。

渓谷内のウォーキングトレイルは2つあり、渓谷を登って一周するキングスキャニオン・ウォークが約6㎞で所要3〜4時間、渓谷の谷を歩くキングスクリーク・ウォークが約1㎞で所要約1時間。

渓谷内を散策すれば、岩が不思議な形に風化したロストシティ(Lost City)や、ヤシなどの植物が群生するエデンの園(Garden Of Eden)といった自然が造り出した光景に出会える。

キングスキャニオンは、エアーズロック・リゾートとアリス・スプリングスのほぼ中間に位置し、車で所要約3時間、距離にして約300㎞。


オーストラリアの世界遺産:ウルルーカタ・ジュダ国立公園

ウルルーカタ・ジュダ国立公園の天気・気候


日本の約21倍という広大な国土を誇るオーストラリアは、地域によって気候が大きく異なる。
南部には比較的涼しい冬があるのに対し、北部のほとんどの場所は一年中温暖な気候をしている。

オーストラリアは海に囲まれた島国である一方、世界一乾燥した大陸ともいわれ、大陸中央部の内陸には砂漠地帯が広がっている。

エアーズロックなどがある内陸部は砂漠地帯が広がり、真夏に訪れるのはできれば避けたい。
特に12〜2月はかなり暑く、最高気温が40℃を超えることもある。
4〜9月は最高気温が30℃を下回り、特に6〜7月は最高気温が20℃前後まで下がる。

ウルルーカタ・ジュダ国立公園を訪れるなら、比較的気温の下がる4〜9月がベストシーズンといえるが、この時期は夜間は10℃前後まで冷え込み、6〜8月は5℃以下になることもあるので防寒着が必要となる。

年間を通じて雨はほとんど降らないので、この地域を訪れるために雨具を用意する必要はない。
比較的雨が降る11〜3月でも、1ヶ月の降水量は30〜40㎜ほど。

アリス・スプリングスの天候グラフ

アリス・スプリングスはエアーズロックの約440㎞北東の都市。
エアーズロックのグラフが無いので参考までに。

オーストラリアの世界遺産:ウルルーカタ・ジュダ国立公園 観光・旅行

アリス・スプリングスの2017〜2018年の天候データ
出典:気象庁ウェブサイト


オーストラリアの世界遺産:ウルルーカタ・ジュダ国立公園

アクセス:日本からの行き方


日本からは、オーストラリアの各都市に直行便が出ている。
ケアンズまで約7時間、ゴールドコースト、ブリスベンまで約8時間、シドニーまで約9時間、メルボルンまで約10時間。

エアーズロックの空の玄関口となるコネラン空港(AYQ)へは、シドニーやケアンズからフライトがあり、その他の都市からはアリス・スプリングス空港(ASP)へのフライトがある。

そして、アリス・スプリングス空港からもコネラン空港への飛行機がでている。
主な航空会社はカンタス航空、ジェットスター、ヴァージン・オーストラリアなど。

コネラン空港からエアーズロックへの移動について

コネラン空港からエアーズロック・リゾートまでは約5㎞あり、この区間をATTキングス社がエアポート・シャトルバスを運行している。

アリス・スプリングスからも、エアーズロック・リゾートへATTキングス社がエアポート・シャトルバスを運行している。

エアーズロック・リゾートからツアーもレンタカーも利用せずに観光するのに便利なのが、ウルルーカタ・ジュダ国立公園の地域一帯を走るウルルエクスプレスというシャトルサービス。

ツアーのように決められたスケジュールではなく、送迎の時間を自由に設定できるものもあり、エアーズロック・リゾートから往復のみのものや、2〜3日間利用し放題のパスなど各種用意されている。

ウルルエクスプレスの利点は、自由に時間を決めれること、そして移動に利用するだけなのでツアーに参加するよりも安くすむこと。

現地旅行会社公式サイトはこちら。
エアーズロック・リゾート
ATTキングス
ウルルエクスプレス

通貨と言語とビザについて

オーストラリアの公用語は英語で、通貨はオーストラリアドル(A$)とオーストラリアセント(A¢)。
また、オーストラリアへの入国にはビザを取得するかETA登録が必要。

ETAに関しての詳細はこちら
オーストラリアへの入国とETA登録方法

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