エクアドルの世界遺産:ガラパゴス諸島 観光・旅行情報まとめ
この記事の目次
世界遺産の歴史と登録の概要
エクアドル本土の西約1000㎞、赤道直下の太平洋上に浮かぶガラパゴス諸島。
名前の付いた123の島々と無数の岩礁から成り、赤道をまたいで東西200㎞もの広範囲に点在している。
一度も大陸と地続きになったことが無く、風や潮流、もしくは鳥に運ばれてこの島に辿り着いた生物たちは、外部から隔離された環境に適応し、島ごとに独自の進化を遂げていった。
このガラパゴス諸島が一躍有名になったのは、“進化論”で知られるチャールズ・ダーウィンによるもの。
1835年に5週間ガラパゴス諸島に滞在したダーウィンは、島固有の動植物達が同じ種であるにもかかわらず、生息する島の環境によって姿を変えている事に注目した。
この時の経験と調査が、のちの自然選択説による生物の進化論に影響を与え、その後も研究に努めたダーウィンはついに1859年、“種の起源”の発表に至る。
このように独自の生態系をもち、島固有の貴重な野生動物が多く生息するガラパゴス諸島は、その島々が1978年に世界遺産に登録され、2001年には登録範囲が13万8000㎢に及ぶ周辺海域にまで拡張された。
ガラパゴス諸島へのフライトについて
ガラパゴス諸島には大小いくつかの有人島が存在するが、エクアドル本土からの飛行機が着陸できるのはバルトラ島とサン・クリストバル島の空港のみで、サン・クリストバル島発のツアーに参加する場合以外は、バルトラ島行きの飛行機を利用するのが一般的。
キトのマリスカル・スークレ国際空港から国内線で、バルトラ島のセイモア空港まで約2時間。
キトからサン・クリストバル島へは直行便はなく、グアヤキル経由でこちらも約2時間。
なお、エクアドル本土とガラパゴス諸島は1時間の時差がある。(ガラパゴス諸島の方が遅い)
バルトラ島からプエルト・アヨラへの移動について
ガラパゴス諸島最大の町であり、観光の拠点となるのがサンタ・クルス島のプエルト・アヨラ。
バルトラ島の空港から船着き場までバスで20分ほどかけて移動し、ここから500mほど離れた対岸のサンタ・クルス島までフェリーで移動する。
サンタ・クルス島に渡ったら再びバスに乗り、木々の間を抜ける一直線の道を1時間ほど進むと、ガラパゴス諸島最大の町であるプエルト・アヨラに到着する。
ガラパゴス諸島のルールについて
ガラパゴス諸島は全体の約97%が国立公園に指定されており、町中など人が生活している場所以外は自由に出歩くことができず、資格を持った“ナチュラリスト・ガイド”との同行が義務付けられている。
また、自然保護のため、いくつかの守らなければいけない決まりごとがある。
決まりごとといっても、一般的な日本人の感覚からすれば当たり前なものしかない。
- 植物、貝殻、砂、石を取ったり移動したりしてはいけない。
また、物を置いていってはいけない。 - プエルト・アヨラの町中以外ではタバコを吸ってはいけない。
- いかなるゴミも捨ててはいけない。
- 動物に触ってはいけない。
人間の手についていた細菌の影響で生態系に異常をきたしたり、人間の匂いがついた動物は仲間外れにされて生きていけなくなることがある。 - 動物にエサを与えてはいけない。
食物連鎖を狂わすことになる。 - ガラパゴス諸島の島から島へ、生物を持ち込んだり移動させてはいけない。
- ナチュラリスト・ガイドの指示に従わなければいけない。
サンタ・クルス島
ガラパゴス諸島で2番目に大きい島で、プエルト・アヨラは島の南端の海に面した場所にある。
ガラパゴス・クルーズなど、各種ツアーの拠点となる町で、メインストリートにはホテルやレストラン、旅行会社やショップなどの観光施設が集中している。
湾に面した市場やデッキには、ペリカンやサギ、アシカやイグアナなどが姿を現し、人を警戒する様子を見せない動物を目にすると、この場所では人と自然が共存しているんだと実感する。
歩いて行けるこの島の見どころは“チャールズ・ダーウィン研究所”と“トルトゥーガ・ベイ”の2ヶ所。
- チャールズ・ダーウィン研究所
プエルト・アヨラの町から約1㎞、歩いて15〜20分ほどの所にある。
ダーウィンの意志が受け継がれ、各国の様々な分野の研究者によって、島固有の動植物の研究や保護活動が行われている。ゾウガメの孵化や飼育も行われ、各島のゾウガメや生まれたての子ガメを観察できる。
イグアナなども間近で見られ、研究所内の道には島固有の植物が植えられている。
道には可憐な花を咲かせる植物もあれば、まるで木のようなサボテンなどもある。
研究所は早朝〜夕方まで開いていて入場無料。公式サイトはこちら。
Charles Darwin Foundation - トルトゥーガ・ベイ
プエルト・アヨラの町から約3㎞、木のようなサボテンに囲まれた遊歩道を40分ほど歩くと、真っ白なパウダーサンドのビーチに出る。広いビーチの先には岩場があり、そこでは無数のイグアナが集団で生活している。
水辺では水鳥が羽を休める姿も見られ、海水浴も楽しめる。
ここはガイドなしで個人で歩いて行ける場所なのでオススメ。
サン・クリストバル島
ガラパゴス諸島の東端に位置し、県庁所在地であるプエルト・バケリソ・モレノという町がある。
この島の空港から町までは車で5分ほどで、ホテルやレストラン、観光案内所や旅行会社などの観光施設は、町の海沿いのチャールズ・ダーウィン通りに集中している。
この通りを北に行くとアシカがゴロゴロとくつろぐビーチがあり、海水浴も楽しめる。
ビーチの先のインタープリテーションセンターは、ガラパゴス諸島の歴史や自然を学べる施設。
このセンターから延びる、サボテンや島固有の植物に囲まれた遊歩道を進むと、その先に“ティヘレータスの丘”があり、頂上は展望台になっている。
ここからの眺めは最高で、レオン・ドルミードと名付けられた岩と海、そして優雅に空を羽ばたくグンカンドリも姿を表す。
島内には他にも、ゾウガメの飼育施設“ガラパゲーラ・デ・セロ・コロラード”などがある。
この他の2つの有人島は、6つの活火山が連なって形成されたガラパゴス諸島最大の島“イサベラ島”と、島に立ち寄った海賊の暮らした跡が残る洞窟や隠れ家がある“フロレアーナ島”がある。
ガラパゴス諸島の天気・気候
本土の西の太平洋に浮かぶ、大小様々な島からなるガラパゴス諸島。
一年を通じて温暖で、年間平均気温は24℃前後。
12〜5月は雨季で大体1日に1度は雨が降る。
1〜4月は特に高温多湿で蒸し暑く、その中でも3月は最も降水量が多く気温も高くなる。
6〜11月は乾季で雨がほとんど降らず、気温も下がり過ごしやすいが、ガルーアと呼ばれる霧が発生しやすくなる時期でもあり、その影響で曇った日が多くなる。
雨季の平均の最高気温は27〜30℃、最低気温は21〜23℃、1ヶ月の降水量は40〜90㎜ほど。
乾季の平均の最高気温は24〜27℃、最低気温は18〜21℃。
雨季と乾季ともに、朝晩は涼しく感じるほど気温が下がるが、日中は日差しが強いのでサングラスや帽子、日焼け止めなどが必須となる。
乾季の方が過ごしやすいが、植物は雨季の方が比較的生き生きしている。
種類によっても異なるが、鳥などの繁殖行動は3〜8月頃に多く見られる。
ガラパゴス諸島で何を見たいか、何をしたいかでベストシーズンは変わってくる。
最も旅行者で混雑するのは乾季の6〜9月だが、いつ訪れてもガラパゴス諸島の大自然を満喫することができるでしょう。
サン・クリストバル島
気象庁にデータが無い月は、グラフの線が切れている。
アクセス:日本からの行き方
現在、日本からエクアドルへの直行便は無いため、アメリカの都市を経由してキトのマリスカル・スークレ国際空港に向かうのが一般的で、所要時間は20〜25時間ほど。
他にもカナダやメキシコ、ヨーロッパの各国を経由する便もあるが、ヨーロッパ経由の場合は所要時間は30時間以上かかる。
また、アメリカを経由する場合は事前にESTAを取得する必要がある。
ESTAに関しての詳細はこちら。
アメリカへの入国とESTA申請・取得方法
ガラパゴス諸島への渡航の手続きについて
- キト、もしくはグアヤキル空港のINGALA(ガラパゴス管理庁)窓口で10ドルを支払い、IDカードと入出島管理カードを受け取る。
ツアーに参加して訪れる場合は、旅行会社が事前に手続きを済ませてくれることもある。 - SICGAL(ガラパゴス特別検疫制度)検査場で預け荷物の検査を受ける。
検査が終わると荷物にSICGALの検査済みタグが付けられる。
このタグが無いと荷物を預けられないので忘れずに。 - ガラパゴス諸島に到着したら、空港のINGALA窓口で入出島管理カードとパスポートを提示し、国立公園の入園料US$100を現金で支払い、手荷物の検査を受ける。
全ての手続き終え、パスポート、出島カード、預け荷物を受け取る。
通貨と言語とビザについて
エクアドルの通貨はUSドルが使用されていて、紙幣も硬貨もそのまま使える。
公用語はスペイン語だが、観光地では英語が通じる所もある。
また、エクアドルへの入国は、1年間で90日までの滞在であればビザ不要で、パスポートの残存有効期間は入国日から6ヶ月以上必要。
入国審査時に希望の滞在日数を伝えると、それに合った日数の滞在が許可される。
滞在中にトラブルなどが合った時に備え、滞在日数は多めに伝えた方が良い。
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