ペルーの世界遺産・ナスカとパルパの地上絵

ペルーの世界遺産:ナスカとパルパの地上絵 観光・旅行情報まとめ

世界遺産の歴史と登録の概要


ペルーの首都リマから南東へ約400km、アンデス山脈と太平洋に挟まれた乾燥地帯に位置するナスカ。
紀元前200〜紀元後800年頃にかけてナスカ文化が栄えたこの地域には、約450㎢という広範囲にわたって現在も謎に包まれている地上絵がいくつも描かれている。

地上絵は数kmに及ぶ直線や幾何学的な図形、生物や植物など様々で、描かれた絵は大きさ10〜300mのものが30個、線や幾何学模様は300以上が確認されている。

いつ誰が何のためにどうやって描いたのか、多くの学者が研究を進め仮説を立てたが、現在も解明には至らず、地上絵の謎は深まるばかり。

わかっていることは、地上絵は白い地面を覆う石や砂をどかして描かれていること、そして年間を通じてほとんど雨が降らない気候が、現在まで地上絵を残したということくらいである。

このように、多くの謎に包まれる地上絵は1994年に“ナスカとフマナ平原の地上絵”として世界遺産に登録され、2016年に名称が“ナスカとパルパの地上絵”に変更された。


ペルーの世界遺産:ナスカとパルパの地上絵

ナスカの町について


ナスカは町自体は小さく、町の中心であるアルマス広場と、そこから600mほど西にあるバス会社オフィスとの間の通りにホテルやレストラン、旅行会社や観光案内所などが集中している。
バス会社のオフィスも数社がこのエリアに密集しており、各地からのバスはここに到着する。

ナスカに到着してバスを降りると、遊覧飛行やツアーの勧誘、ホテルの客引きなどが声を掛けてくるが、時間に余裕があれば観光案内所や旅行会社、ホテルに自ら足を運んでから決めた方がいいでしょう。

ナスカの地上絵を見る遊覧飛行は、セットでパルパの地上絵を含んでいるコースなどもあるので、事前にフライトするコースを確認してから交渉したい。

町の見どころはこのエリアにあるナスカ・ラインズというホテル敷地内にある、マリア・ライへ・プラネタリウムと、アルマス広場から東へ800mほどにある、ナスカ近郊の出土品が展示されるアントニーニ博物館ぐらいのものである。

ナスカとフマナの地上絵を見る方法


ナスカからフライト

ナスカに到着してから現地の旅行会社で手配する。
地上絵は上空から必ずはっきりと見える訳ではなく、せっかくフライトしても天候によっては見えづらいことがある。

現地で手配する利点は、天候の様子を見ながらフライト時刻を決めれることにあり、朝と夕方の方が空気が澄んで見えやすいと言われている。
6人乗りの小型セスナか12人乗りの中型セスナでのフライトが一般的。

小型の方が低空飛行ができ、小回りが利くので見えやすいとされているが、細かく動くだけに乗り物酔いしやすいと言われている。

心配な人は酔い止め薬を飲んでおいた方がいいでしょう。
大型になるほど音も静かで飛行も安定しているが、席によっては見えづらいことも稀にある。

リマからフライト

リマやリマとナスカの中間にある、ピスコ、パラカス、イカといった町の旅行会社で手配する。
時間がない場合や、地上絵を上空から見る以外に特に目的がない場合、わざわざバスで長時間かけてナスカまで行かずに、リマや周辺の町からもセスナでフライトできる。
リマからこれらの町へはバスで3〜4時間ほどで着く。

ナスカの展望台から見る

地上絵がある地帯のほぼ中央に建つ“ミラドール”という高さ約20mの展望台。
パンアメリカン・ハイウェイ沿いにあるこの展望台の近くには“ナチュラル・ミラドール”という小高い丘もあり、この丘に登って見ることもできる。

上空からのように全体像をはっきり捉えることは難しいが、間近で見ることで改めて地上絵の大きさに驚くでしょう。
ナスカの町中から約28㎞で、タクシーかツアーで訪れるのが一般的。
なお、地上絵の中に入ることは禁止されている。

ナスカにオフィスがある旅行会社公式サイトはこちら。
Alegria Tours Peru

遊覧飛行を扱う航空会社公式サイトはこちら。
Aero Paracas
Aerodiana

リマにオフィスがある日系の旅行会社公式サイトはこちら。
Mickey Tour
Gran Tour Japan
Cantuta Travel
Dainichi Trave
Andes Nippon Tourist

ペルーの世界遺産:ナスカとパルパの地上絵

ナスカ近郊の見どころ


ナスカ近郊にはナスカ時代の遺跡がいくつか残されており、その周辺で発掘された出土品や地上絵に関する展示を行う博物館もある。

ナスカには公共交通機関はなく、これらは広範囲にわたって点在しているため、タクシーをチャーターするかツアーに参加して訪れるのが一般的。

  • パレドネス遺跡と水路
    ナスカ中心部から南約2㎞にある、日干しレンガで造られたインカ時代の遺跡と水路。
    多くは地震で倒壊してしまったが、この水路はほとんど雨が降らないナスカに、30㎞以上も離れたアンデスの山から現在も水を運んでいる。
    営業時間は8:00〜18:00、遺跡は入場無料だが水路はS/.10かかる。
  • 墓地跡(チャウチージャ)
    ナスカの町中から南約30㎞にある、ナスカ時代の墓地跡。
    2㎞×400mもの広さがあり、いくつもの墓穴にはかつてのナスカの人々の遺骨が並べられている。
    営業時間は8:00〜17:00、入場料はS/.8。
  • カワチ遺跡
    ナスカの地上絵があるエリアの南にある、ナスカ時代の祭祀所跡。
    日干しレンガで築かれた神殿やピラミッドがあったとされているが、その全容はいまだ明らかになっていない。
    遺跡内に立ち入ることはできず、外から眺めることしかできない。
  • マリア・ライへ博物館
    ナスカの地上絵がある地帯の北にあり、地上絵の保存や解明に貢献した研究所を利用した博物館。
    ナスカ文化の土器やミイラ、研究資料などが展示されている。
    営業時間は8:00〜17:00、入場料はS/.5。

ペルーの世界遺産:ナスカとパルパの地上絵

ナスカの天気・気候


コスタ気候(海岸地帯)に属するナスカの気候は、夏季と冬季に分かれる。
年間平均気温は20℃ほどで、年間を通じてほとんど雨が降らない。
11〜4月は夏季で晴天が続き、地域によっては日中は30℃を超えることもある。

5〜10月は冬季でガルーアという霧が発生しやすくなり、その影響で6〜9月は曇りの日が多くなる。
霧の影響で湿度が高くなり、朝晩の冷え込みが厳しくなるが、10℃以下になることはあまりない。
ナスカの11〜4月の平均の最高気温は20〜25℃、最低気温は15〜17℃。

5〜10月の平均の最高気温は17〜19℃、最低気温は12〜14℃。
日中はTシャツで過ごせるが、朝晩は薄手の上着があるといいでしょう。
ナスカ観光のベストシーズンは、空気の澄んでいる11〜4月となる。

ピスコの天候グラフ

ピスコはナスカの約200㎞北西の都市。
ナスカのグラフが無いので参考までに。

ペルーの世界遺産:ナスカとパルパの地上絵 観光・旅行

2017〜2018年の天候データ
出典:気象庁ウェブサイト


ペルーの世界遺産:ナスカとパルパの地上絵

アクセス:日本からの行き方


現在、日本からペルーへの直行便は無いため、アメリカの都市を経由してリマのホルヘ・チャベス国際空港に向かうのが一般的で、所要時間は22〜25時間ほど。

他にもカナダやメキシコ、ヨーロッパの各国を経由する便もあるが、ヨーロッパ経由の場合は所要時間は30時間以上かかる。

また、アメリカを経由する場合は事前にESTAを取得する必要がある。
ESTAに関しての詳細はこちら。
アメリカへの入国とESTA申請・取得方法

リマからナスカへの移動について

ナスカの空港は、地上絵を遊覧するためのセスナしか発着しておらず、各地とを結ぶフライトはない。
そのため、リマからナスカへの移動は長距離バスになる。
長距離バスはリマからナスカまで所要6〜8時間で、各バス会社が毎日1〜6便運行している。

また、これらのバスはリマ市内の各バス会社のオフィス前から発着することが多いため、空港から市内までタクシーやシャトルバスを利用して移動する必要がある。

空港からのタクシーやシャトルバスは24時間運行しており、空港内に受付カウンターがある。
各地からのバスは、ナスカのアルマス広場から600mほど西にある各バス会社の前に到着する。

バス会社公式サイトはこちら。
cruz del Sur
Oltursa
Transportes Linea
Civa
Busportal(バスチケットブッキングサイト)

通貨と言語とビザについて

ペルーの公用語はスペイン語だが、観光地などでは英語が通じる所も多い。
通貨はソル(Sol)と補助通貨のセンティモ(Centima)があり、略号はS/と¢。

ペルーの通貨は2015年12月15日に、それまで流通していたヌエボ・ソル(Nuevo Sol)からソルに変更されたが、旧通貨であるヌエボ・ソルも使用できる。
また、観光地などではUSドルも流通している。

ペルーへの入国は、観光目的あれば最大183日までの滞在ならビザ不要。

基本情報はこちら
ペルーの基本情報-時差、言語、人口、宗教、首都、飲料水など

気候に関してはこちら
ペルーの気候と観光・旅行のベストシーズン

ペルーの世界遺産についてはこちら
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