マインドフルネス瞑想は脳と心のモードを切り替え、ストレス解消や集中力アップに効果的だとご存知ですか?
この記事では瞑想前後のモードの違いを知り、初心者でも実践できるコツをわかりやすく簡単に解説。
「マインドフルネスの効果が感じられない」とならないよう、この機会に理解を深めましょう。
自分は何にストレスを感じているのか?
マインドフルネスを取り入れてどうなりたいのか?
イメージしながら読んでみてください。
1. マインドフルネス瞑想とは?脳のデフォルトモードから抜け出す方法
マインドフルネス瞑想とは、今この瞬間の自分の感覚や思考に意識を向ける瞑想法。
私たちの脳には、デフォルトモードネットワーク(DMN)と呼ばれる回路があります。
DMNは、何もしていない時に活発に働き、過去や未来のことを考えたり、雑念が浮かんだりします。
一方、瞑想をすることでDMNの活動が抑制され、意識が今に向けられるのです。
- 脳の複数の領域からなる大規模なネットワーク
- 特定の課題に集中していないときに活動が高まる
- 自己に関連する思考、自伝的記憶、未来の計画、社会的認知などに関与
- 外的な課題に集中しているときには活動が低下
- DMNの活動の異常は、注意力の問題や精神疾患と関連
1-1. デフォルトモードから抜け出せない人の特徴
デフォルトモードから抜け出せない人は、以下のような特徴があります。
- 頭の中で色々なことを考え続けてしまう
- 過去の失敗や将来への不安でいっぱいになる
- 今やるべきことに集中できない
こうした状態が続くと、ストレスが蓄積し、心身の健康を損ねる恐れがあります。
1-2. マインドフルネス瞑想の効果
では、マインドフルネス瞑想にはどのような効果があるのでしょうか。
研究によると、以下のような効果が報告されています。
- ストレスや不安の軽減
- 集中力の向上
- 感情コントロール力の向上
- 免疫機能の向上
これらの効果は、脳のモードが切り替わることによってもたらされると考えられています。
1-3. 初めての人でも簡単に始められる
「瞑想は難しそう」「長い間座っていられない」と思う人も多いでしょう。
そんなあなたでも大丈夫。
初心者でも気軽に始められるシンプルな方法があります。
例えば、1分間だけ目を閉じて呼吸に意識を向けるだけでもOK。
慣れてきたら、少しずつ時間を延ばしていきましょう。
2. 瞑想中の脳の変化〜デフォルトモードから瞑想モードへ
それでは、瞑想をしている最中、脳の中では何が起きているのでしょうか。
近年の研究で、瞑想中の脳の状態が詳しく調べられています。
2-1. デフォルトモードネットワーク(DMN)の活動低下
瞑想をすると、通常時に活発なDMNの活動が抑制されることが分かっています。
DMNは、自己に関する思考を司る脳の領域。
つまり、雑念が減り、今この瞬間に意識が向きやすくなるのです。
2-2. 前頭前野の活性化
瞑想中は前頭前野の活動が高まることも知られています。
前頭前野は、集中力やメタ認知(自分の思考を客観視する力)に関わる脳の領域。
つまり、意識を一つのことに向け、客観的に自分の考えを見つめる力が高まるのです。
2-3. 感情制御に関わる領域の活性化
また、瞑想中は扁桃体や島皮質など、感情の制御に関わる脳領域の活動も変化します。
その結果、ネガティブな感情が和らぎ、感情のコントロール力が高まるのです。
3. 瞑想後の変化〜持続する瞑想モードのメリット
実は瞑想の効果は、瞑想中だけでなく日常生活にも表れます。
脳のモードが切り替わった状態が持続することで、以下のようなメリットが期待できるのです。
3-1. 集中力の持続
瞑想を習慣にすると、日常生活の中でも集中力が高まった状態をキープできるようになります。
仕事や勉強の効率がアップし、ミスも減るでしょう。
瞑想中のクリアな意識を日常に持ち込めるようになるのです。
3-2. ストレス耐性の向上
瞑想を重ねるほど、ストレスに強くなることも分かっています。
嫌なことがあっても、すぐに感情に流されずに冷静に対処できるようになるのです。
心の土台が安定することで、ストレスに負けない強さを手に入れられるでしょう。
3-3. 心の柔軟性の向上
瞑想を通じて培ったメタ認知力は、固定観念から自由になる助けになります。
物事を多角的に見られるようになり、より柔軟に対応できるようになるでしょう。
これは人間関係の改善にもつながる大切な力です。
4. 瞑想による脳の構造的変化〜灰白質と白質への影響
長期的に瞑想を続けると、脳の構造そのものにも変化が表れることが最新の研究で明らかになってきました。
ここからはその変化を詳しく見ていきましょう。
4-1. 脳の灰白質の増加
瞑想を習慣にしている人の脳を調べると、灰白質と呼ばれる脳細胞の密集部分が増加していることが分かりました。
特に前頭前野、海馬、側頭葉などの領域で顕著だったそうです。
つまり、瞑想は脳の機能を司る部分を鍛える効果があるのです。
4-2. 脳の白質の変化
脳細胞をつなぐ線維の束である白質にも、瞑想の効果が表れるようです。
白質の構造が変化することで、脳の領域間のコミュニケーションが活発になるのです。
情報伝達がスムーズになる分、脳の処理能力が高まると言えるでしょう。
4-3. 老化による脳萎縮の抑制効果
驚くべきことに、瞑想は脳の老化を抑える効果もあるようです。
加齢に伴って脳が萎縮するのは自然な現象ですが、瞑想を続けることでそのペースを遅らせられるのです。
アンチエイジングという点でも、瞑想は効果的だと言えます。
5. 科学的に実証された瞑想のメリット
ここまで見てきたように、マインドフルネス瞑想は脳に良い影響を与えます。
それだけでなく、心身の健康全般に様々なメリットがあることが科学的に実証されているのです。
代表的な例を見てみましょう。
5-1. 不安やうつの軽減
マインドフルネス瞑想は、不安障害やうつ病の症状を和らげる効果があると報告されています。
思考をコントロールする力が高まることで、ネガティブな感情に流されにくくなるのです。
医療現場でも瞑想が取り入れられつつあります。
5-2. 記憶力の向上
瞑想は記憶力の改善にも役立つようです。
ハーバード大学の研究では、8週間のマインドフルネス瞑想プログラムを受けたグループは、記憶力テストの成績が向上したそうです。
集中力が高まることが、記憶の定着を助けるのかもしれません。
研究論文はこちら。
Mindfulness practice leads to increases in regional brain gray matter density
5-3. 心臓の健康維持
意外かもしれませんが、瞑想は心臓の健康にも良いと言われています。
ストレスは高血圧や動脈硬化のリスクを高めますが、瞑想はストレスを和らげることでそれらを予防する効果が期待できるのです。
心身ともに健康的でいるために、瞑想は有効な手段と言えるでしょう。
6. 瞑想を習慣にするための5つのコツ
最後に、マインドフルネス瞑想を習慣として定着させるためのコツをお伝えします。
脳のモードを切り替える瞑想の効果を実感するには、継続が何より大切。
以下の5点を意識して、瞑想を日課に組み込んでみてください。
6-1. 毎日同じ時間に瞑想する
瞑想を習慣化するには、毎日決まった時間に実践するのが効果的。
朝起きてすぐや寝る前など、自分にとってやりやすいタイミングを見つけましょう。
徐々に習慣として定着していくはずです。
6-2. 短い時間からコツコツと
最初は1~3分程度の短い瞑想から始めるのがオススメ。
無理のない時間設定なら、毎日続けるハードルが下がります。
慣れてきたら少しずつ伸ばしていきましょう。
6-3. 姿勢にこだわりすぎない
座禅のような正座の姿勢でなくても大丈夫。
ソファや椅子に座ったり、布団の上に座ったりと、ラクな姿勢で行いましょう。
姿勢に気を取られすぎると、リラックスして瞑想に臨めなくなってしまいます。
6-4. 雑念は自然なもの
瞑想中に雑念が浮かぶのは当たり前のこと。
思考を止めようと力むのではなく、雑念をただ眺める練習をしましょう。
心の動きをありのまま受け止める姿勢が大切なのです。
6-5. 呼吸に意識を向ける
瞑想中はとにかく呼吸へ意識を向けること。
吸う息、吐く息に静かに意識を向けてみましょう。
呼吸は今この瞬間と深く結びついているので、意識が集中しやすくなります。
まとめ
マインドフルネス瞑想は、脳のモードを切り替える効果的な方法。
デフォルトモードから意識的に抜け出し、今この瞬間に意識を向けることで、ストレス解消から集中力アップまで、様々なメリットが期待できます。
短い時間から始められるので、ぜひ日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。
習慣化することで、心穏やかな毎日を送れるようになりますよ。
試しに1回だけ深呼吸してみてください。
心がスッキリしましたよね?