「ノマドワーク」や「フリーランス」という言葉をよく耳にするようになりました。
しかし、この2つの違いや自営業との関係性について正しく理解している人は意外と少ない。
そこで今回は、ノマドワークとフリーランスの違い、自営業との関係性について詳しく解説します。
また、ノマドワークに向いている人の特徴、独立する際の注意点なども合わせてお伝えします。
この記事を読めば、ノマドワークやフリーランスについての理解が深まり、自分に合ったワークスタイルが見つかるはずです。
ノマドワーカーになってどんな生活を送りたいか?
イメージしながら読んでみてください。
1. ノマドワークとフリーランスの違い3つ
ノマドワークとフリーランスは、どちらも雇用関係のない働き方という点で共通しています。
しかし、働き方や生活スタイルには大きな違いがあります。
ここでは、ノマドワークとフリーランスの3つの違いを解説します。
この違いを理解することで、自分に合ったワークスタイルが見えてくるでしょう。
1-1. 働く場所の自由度が異なる
ノマドワークとフリーランスの一番の違いは、働く場所の自由度です。
ノマドワーカーは、「ノマド」という言葉が示す通り、場所を選ばずに働くことができます。
カフェやコワーキングスペース、旅先のホテルなど、Wi-Fiとパソコンさえあれば、どこでも仕事が可能です。
一方、フリーランスは必ずしも場所に縛られないわけではありません。
1-2. 仕事の受注方法が異なる
ノマドワーカーとフリーランスでは、仕事の受注方法にも違いがあります。
ノマドワーカーの多くは、クラウドソーシングサイトやSNSを活用して仕事を受注します。
不特定多数のクライアントから小さな案件を数多く受注するのが一般的です。
対して、フリーランスは特定のクライアントと直接やり取りをして、比較的大きな案件を受注するケースが多いです。
1-3. 生活スタイルが異なる
ノマドワークとフリーランスでは、ライフスタイルにも大きな違いがあります。
ノマドワーカーは、その名の通り、移動を繰り返すノマドな生活を送ります。
国内外問わず、気ままに旅をしながら仕事をするのが特徴です。
一方、フリーランスは基本的に定住型の生活です。
2. フリーランスとノマドワークは自営業か
ノマドワークもフリーランスも、雇用関係がない点では共通しています。
では、この2つは自営業と言えるのでしょうか。
結論から言うと、フリーランスは自営業の一種と言えますが、ノマドワークは必ずしもそうとは限りません。
ここでは、フリーランスとノマドワークが自営業に該当するかどうかを詳しく見ていきましょう。
2-1. フリーランスは自営業の一種
フリーランスとは、特定の企業に属さずに、自らの技能や知識を活かして仕事を請け負う個人事業主のことを指します。
つまり、フリーランスは立派な自営業の一種だと言えるでしょう。
ただし、フリーランスには開業届の提出義務がないため、事業者としての届出をしていないケースも多いです。
事業規模が大きくなれば、個人事業の開業届を出したり、法人成りすることをオススメします。
2-2. ノマドワークは副業の場合も
一方、ノマドワークには、本業の傍らで副業としてノマドワークを行うケースも多くあります。
会社員として働きながら、空いた時間を使ってクラウドソーシングで仕事を受注するのはその好例でしょう。
このように、ノマドワークを副業で行っているケースは、自営業には該当しません。
ただし、ノマドワークを本業として行い、それで生計を立てている場合は、立派な自営業と言えます。
2-3. 自営業で事業を行う際の注意点
フリーランスやノマドワーカーが自営業として事業を行う際は、いくつか注意点があります。
まず、税務署に個人事業の開業届を提出し、確定申告を行う必要があります。
また、必要に応じて事業用の銀行口座を作る場合もあるでしょう。
事業規模が大きくなれば、税理士に相談して適切な経理処理を行うことも重要。
3. ノマドワークの主な職種3つ
ノマドワークは、デジタル技術を活用すれば、多様な職種で実践可能です。
その中でもノマドワーカーに人気が高く、需要も多い職種がいくつかあります。
具体的には、ライター・エンジニア・デザイナーの3つが代表的なノマドワークの職種だと言えるでしょう。
ここでは、この3つの職種についてそれぞれ詳しく解説します。
3-1. ライター
ノマドワーカーに最も人気が高いのがライターです。
ブログ記事や商品紹介文、メルマガの執筆など、ライティングの仕事はとても幅広いです。
文章力さえあれば未経験でも始められるため、ノマドワーク初心者に特にオススメの職種だと言えます。
記事単価は安めですが、スピードを上げれば、十分な収入を得ることも可能でしょう。
3-2. エンジニア
プログラミングスキルを武器にノマドワークをする人も増えています。
Web制作やアプリ開発をはじめ、システム開発など、エンジニアの仕事は非常に需要が高いです。
高い技術力が要求されるものの、その分、単価も高くなる傾向にあります。
フリーランスのエンジニアの平均年収は600万円以上とも言われており、高収入を狙えるノマドワークだと言えるでしょう。
ただし、プログラミングの学習には時間がかかるため、すぐに稼げるわけではない点には注意が必要です。
3-3. デザイナー
グラフィックデザインやWebデザインのスキルを活かせば、ノマドワークで活躍できます。
バナー広告や名刺、ランディングページのデザインなど、ビジュアルに関する仕事は常に一定の需要があります。
デザインの仕事は、クオリティの高さが求められるため、一定の経験やスキルは必須です。
しかし、実力さえあれば、高単価で安定的に仕事を受注できる魅力的な職種だと言えるでしょう。
4. ノマドワークに向いている人の特徴3つ
ノマドワークは誰にでも適しているわけではありません。
自由度の高さは魅力的ですが、その分自己管理能力も求められるためです。
ここでは、ノマドワークに向いている人の特徴を3つ挙げます。
これらの特徴に当てはまる人は、ノマドワーカーとして活躍できる可能性が高いでしょう。
4-1. 自由を求める人
ノマドワークの最大の魅力は、時間と場所の自由です。
好きな時に好きな場所で働けるため、自由を求める人にはうってつけの働き方だと言えます。
会社の束縛から解放され、自分のペースで仕事を進められるのは、ノマドワークならではの醍醐味でしょう。
自由を何よりも大切にしたいという人は、ノマドワーカーとして生きるのに適しています。
4-2. 自己管理能力が高い人
ノマドワークでは自由度が高い分、自己管理能力が問われます。
上司や同僚がいないため、自分で仕事を管理し、スケジュールを立てる必要があるのです。
怠けてしまっては当然収入は減ってしまいますし、締切を守れなければ信頼を失ってしまいます。
したがって、高い自己管理能力を持ち、自分に厳しくできる人でないと、ノマドワーカーとしてやっていくのは難しいでしょう。
4-3. 多様なスキルを身につけられる人
ノマドワークでは、多様なスキルを身につけることが重要です。
一つの職種だけでなく、複数の職種をこなせるマルチな人材になれば、仕事の幅が広がります。
ライティングとデザインの両方ができれば、記事とバナーをセットで受注できますし、プログラミングスキルがあればWeb制作の仕事も引き受けられます。
様々なスキルを吸収する積極性と学習意欲がある人は、ノマドワーカーに向いていると言えるでしょう。
5. ノマドワークに向いていない人の特徴3つ
一方で、ノマドワークが性に合わない人もいます。
自由すぎる働き方に馴染めず、かえってストレスを感じてしまう人もいるのです。
ここでは、ノマドワークに向いていない人の特徴を3つ挙げてみましょう。
これらの特徴が当てはまる人は、ノマドワークを選ぶべきではないかもしれません。
5-1. 組織で働くことを好む人
会社組織の中で働くことを好む人は、ノマドワークには不向きでしょう。
ノマドワークは基本的に個人で働くスタイルのため、上司や同僚とのコミュニケーションは限定的です。
組織の一員としてチームで働くことに喜びを感じるタイプの人には、ノマドワークの孤独感は耐え難いかも。
組織に所属することで安心感を得たい人は、ノマドワークを避けた方が賢明だと言えます。
5-2. 安定を何よりも求める人
ノマドワークは収入が不安定になりがちです。
案件の増減によって収入が変動しますし、急に受注がなくなるリスクもあります。
したがって、安定を求めるタイプの人はノマドワークには向いていないでしょう。
安定した収入を得たいのであれば、会社員として働く方が賢明な選択肢だと言えます。
5-3. 計画性が苦手な人
ノマドワークでは計画的に働くことが求められます。
スケジュール管理をしっかり行い、締切を守る必要があるためです。
したがって、計画性が苦手で、締切ギリギリまで作業をしてしまうような人は、ノマドワーカーには不向きだと言えます。
自分にゆとりを持たせて計画的に動くことが苦手なら、ノマドワークは避けるべきでしょう。
6. いきなりノマドワークで独立するのは危険な理由3つ
ノマドワークに憧れて、会社を辞めていきなり独立する人がいますが、それはかなりリスクの高い選択です。
ノマドワークは自由で魅力的に見えますが、いきなり飛び込むのは危険だと言わざるを得ません。
ここでは、いきなりノマドワーカーとして独立するのが危険だと言える理由を3つ挙げます。
ノマドワークへの憧れが強い人ほど、この危険性を理解しておく必要があるでしょう。
6-1. 収入が安定しない
ノマドワーカーは、案件の増減によって収入が大きく変動します。
会社員時代のように、毎月決まった額の給与がもらえるわけではありません。
特に独立当初は、十分な収入を得られず、生活が苦しくなる可能性が高いです。
貯金がある程度あり、収入の不安定さに耐えられる準備ができていないうちは、独立するべきではないでしょう。
6-2. スキルや人脈が不十分
ノマドワークで独立しても、必要なスキルや人脈が不十分だと仕事を得るのは困難。
ライターならライティングの技術、エンジニアならプログラミングの技術が求められます。
また、クライアントとなる企業との接点がなければ、案件を獲得するのは至難の業。
独立前に副業でノマドワークを始めて、スキルと人脈を築いておくと安心ですよ。
6-3. ノマドワークの厳しさを知らない
ノマドワークは自由に見えて、実は想像以上に厳しい世界です。
自己管理能力が求められるうえ、常に仕事を探し続ける必要があります。
経験のない状態でいきなり独立すると、そのギャップに耐えられず挫折してしまうおそれがあります。
まずは副業からノマドワークを始め、個人でお金を稼ぐ大変さを肌で感じてみましょう。
7. 会社員とノマドワークを両立させる方法3つ
いきなりノマドワーカーとして独立するのは危険だと書きました。
ではどうすればよいのでしょうか。
結論から言うと、会社員とノマドワークを両立させるのがオススメです。
会社員として安定した収入を得ながら、副業でノマドワークを行えば、リスクを最小限に抑えられるためです。
ここでは、会社員がノマドワークと両立するための方法を3つ紹介します。
7-1. 退勤後や休日の時間を活用する
会社員がノマドワークを始めるなら、まずは退勤後や休日の時間を活用するのがオススメです。
本業に支障が出ない範囲でできることから始めましょう。
最初のうちはライターなど、比較的参入障壁の低い職種を選ぶのが賢明でしょう。
まずは月1〜2万円程度の収入を目標に、ノマドワークの感覚をつかんでいくのが良いでしょう。
7-2. 副業としてノマドワークを始める
慣れてきたら、副業としてより本格的にノマドワークを始めましょう。
とはいえ、会社の副業規定はしっかり確認する必要があります。
NGならば、正式に副業許可を申請するか、週末起業の形で行いましょう。
副業として月5万円以上の収入を得られれば、ノマドワークで食べていけるイメージが湧いてくるはずです。
7-3. リモートワークの制度を活用する
会社にリモートワークの制度があれば、ノマドワークへの一歩となります。
職場から解放されれば、仕事の合間を縫ってノマドワークに取り組むことができます。
制度がない場合は、上司に直談判してみるのもアリでしょう。
ノマドワーカーへの転身を視野に、少しずつノマド的な働き方を実践していくのです。
まとめ
ノマドワークとフリーランスの違い、そして自営業との関係性について詳しく解説してきました。
また、ノマドワークの主な職種や向いている人の特徴、独立の際の注意点なども説明しました。
まずは会社員として働きながら、副業でノマドワークを始めるのがオススメ。
本業とノマドワークを両立させ、軌道に乗れば独立も視野に入れましょう。
あなたもノマドワークへの転身に向けて、まずは一歩を踏み出してみませんか。