離島移住に憧れを抱く人は多いですが、実際に飛び込む勇気を持つ人は少ないのが現状。
今回は、離島移住経験者の私が、離島暮らしの魅力と現実を包み隠さずお伝えします。
離島ならではの自然や文化に触れ、ゆったりとした時間を過ごす一方で、不便さや限られた仕事といったデメリットにも目を向けましょう。
この記事を読めば、あなたが離島移住に向いているかどうかがわかるはず。
理想と現実のギャップを知り、後悔のない選択をするための助けとなれば幸いです。
1. 離島移住のメリット①:美しい自然に囲まれた生活
離島の最大の魅力は、手付かずの大自然に囲まれて暮らせることです。
エメラルドグリーンの海、白い砂浜、豊かな森林など、都会では味わえない絶景が日常に。
1-1. 美しいビーチで心身をリフレッシュ
人混みのない静かなビーチで、波の音を聞きながら、のんびりと過ごす時間は格別。
海水浴やサーフィン、釣りなど、海を存分に楽しめるのも離島ならでは。
心身ともにリフレッシュできる環境が、ストレス社会に疲れた現代人を癒やしてくれます。
私が移住した離島の人口は260人。
誰もいない綺麗な海をただ眺めているだけで、心が洗われていきました。
1-2. 星空や夕日など、自然の感動シーンに出会える
光害のない離島の夜空には、都会では見られない満天の星が輝いています。
また、水平線に沈む夕日の美しさは、言葉を失うほど。
星空観測や夕日鑑賞など、自然の神秘に触れる体験が日常的にできるのは、離島暮らしの大きな特典と言えるでしょう。
1-3. 豊かな自然の中で子育てができる
のびのびと遊べる自然環境は、子育てにも最適です。
外で思い切り体を動かし、自然の不思議さや命の尊さを学べる。
そんな健全な成長を、離島の豊かな自然が支えてくれます。
都会の喧騒から離れ、家族の絆を深められるのもメリットの一つと言えそうです。
2. 離島移住のメリット②:ゆったりとした島時間を満喫
「島時間」という言葉があるように、離島では時間の流れがゆったりしています。
都会の喧騒から離れ、のんびりと自分のペースで暮らせるのが魅力です。
2-1. 時間に追われない、自分らしい生活リズム
離島では時間に追われることなく、自分のペースで生活できます。
朝は波の音で目覚め、昼はのんびりと海を眺め、夜は満天の星空を楽しむ。
そんな穏やかな日々を過ごせるのは、離島ならではの醍醐味。
時計に縛られず、自分らしい生活リズムを築けるでしょう。
私は港の目の前に住んでいたので、移住当初は朝方に漁船が出航する音で目覚めていました。
慣れると気にならなくなりましたが、音に過敏な人は港の近くは要注意。
2-2. 趣味や自己実現に打ち込める時間的余裕
忙しない日常から解放され、自由な時間が増えるのも離島暮らしの利点。
読書や釣り、ガーデニングなど、好きなことに心ゆくまで打ち込めます。
中には離島の自然を生かした芸術活動に励む人も。
新しい趣味を見つけたり、かつての夢に挑戦したりと、自己実現のチャンスが広がるでしょう。
2-3. 家族との触れ合いを大切にできる
仕事に追われて家族との時間が取れない、というのは現代社会の課題の一つ。
離島ではそんな悩みから解放され、家族とゆっくり向き合える時間が増えます。
一緒に自然を楽しんだり、おいしい食事を囲んだり。
かけがえのない家族との触れ合いを、存分に大切にできるはず。
3. 離島移住のメリット③:おいしい食材と健康的な暮らし
新鮮な海の幸、太陽の恵みを受けた農作物など、離島は自然の恵みがいっぱい。
都会の加工食品中心の生活から一変し、新鮮な食材を生かした健康的な食生活が送れます。
3-1. 新鮮な魚介類を存分に味わえる
離島の魚介類は鮮度抜群。
船で水揚げされたばかりの魚を、刺身やバーベキューで堪能できます。
活きのいい魚のおいしさは格別で、きっと病みつきになるはず。
自分で釣った魚を食べるのも、離島ならではの楽しみ方。
新鮮な海の幸は、離島グルメの大きな魅力です。
3-2. 無農薬野菜など安心安全な食材が手に入る
離島では無農薬・有機栽培の野菜づくりが盛ん。
農家から直接購入したり、畑をシェアしたりして、安心安全な食材を手に入れられます。
自然の力で丈夫に育った野菜は味も濃く、食べ応え十分。
化学肥料に頼らない昔ながらの農法も、見直されつつあります。
3-3. 自然と調和した健康的なライフスタイル
豊かな自然、新鮮な食材、ゆったりとした時間。
離島にはバランスの取れた健康的な暮らしの要素が揃っています。
外で体を動かし、おいしいものを食べ、ストレスを溜めない。
そんな穏やかな離島暮らしは、心身の健康につながるでしょう。
自然治癒力を高め、生活の充実度を上げるのも離島暮らしの魅力です。
4. 離島移住のメリット④:人とのつながりが深まる
離島ではコミュニティが密接で、人と人とのつながりが深いのが特徴です。
島民同士助け合う文化は今も根付いており、あなたも温かい人間関係を築けるでしょう。
4-1. 顔の見える濃密な人間関係
都会の希薄な人間関係に疲れた人にこそ、離島暮らしがオススメ。
小さなコミュニティならではの濃密な交流が魅力。
隣人との立ち話や、地域行事への参加など、顔の見える関係性の中で、心の通った付き合いを築けます。
時には閉鎖的と感じる面もあるかもしれませんが、温かいコミュニケーションにはかえがたい価値があるはず。
4-2. お互い様の精神に支えられる暮らし
「お互い様」の精神は、離島のコミュニティを支える大切な価値観です。
何かあれば周りが助けてくれる、そんな安心感があります。
例えば、農作業や屋根の修理など、一人では難しい仕事も皆で協力して乗り越えていく。
助けてもらったら、今度はあなたが誰かを助ける番。
そんな相互の関係性が、離島コミュニティの絆を強めているのです。
4-3. 多世代交流で学びと刺激を得られる
離島では子どもからお年寄りまで、幅広い世代が交流する機会が多いのも特徴。
伝統行事の際は、皆で協力して準備を進めます。
長く島で暮らす高齢者は知恵袋的存在で、昔ながらの知識や技を教えてくれます。
その一方、都会から移住してきた若者も、新しい視点でコミュニティに刺激を与えます。
多世代が混ざり合うことで、お互いに学び合い、良い影響を与え合えるのです。
5. 離島移住のメリット⑤:離島ならではの文化に触れられる
離島は本土から隔絶された環境ゆえ、独自の文化や伝統を育んできました。
その土地ならではの豊かな風習に触れるのも、離島暮らしの大きな楽しみです。
5-1. 島言葉や方言を使ったコミュニケーション
離島にはその土地特有の方言や島言葉があり、コミュニケーションツールとして重宝されています。
島言葉を交えて会話することで、より親密なコミュニケーションが生まれるでしょう。
言葉の響きやイントネーションから、離島の歴史や文化を感じ取れるのも面白い点。
標準語とは違う言語体系を学ぶのは、知的好奇心をくすぐられる体験かも。
5-2. 離島の伝統行事に参加できる
豊年祭や厄払いなど、離島の伝統行事は地域の結束を高める大切な機会。
その準備や実施に関わることで、コミュニティの一員としての自覚が生まれます。
時に奇妙に見える儀式も、離島の歴史や信仰を物語る大切な文化。
古くから受け継がれてきた行事を体験できるのは、離島暮らしならではの醍醐味と言えるでしょう。
5-3. 離島の食文化を味わい尽くせる
離島は食文化の宝庫。
地元の食材を生かした郷土料理は、その土地ならではの味わい。
離島によって特産物が異なるので、珍しい食材に出会えるのも魅力の一つ。
料理法や保存食の知恵は、離島の風土が育んだ文化そのもの。
おいしいだけでなく、物語性も感じられる離島グルメをご堪能あれ。
6. 離島移住のメリット⑥:新しい生き方・働き方を見つけられる
離島への移住は、人生の新たなステージを切り拓くチャンスでもあります。
離島での暮らしを通して、これまでとは違う生き方や働き方を発見できるかも。
6-1. 自然の中でクリエイティブな仕事ができる
離島の豊かな自然は、クリエイティブな活動を後押ししてくれます。
作家やアーティストが離島に移り住み、離島をテーマにした作品を生み出すケースは多々あります。
写真家、音楽家、デザイナーなど、環境の力を借りて感性を磨く職業人にとって、離島は創作の理想郷。
オフィスにとらわれない働き方を実現できるでしょう。
6-2. 離島の資源を活用した起業にチャレンジできる
特産品を活用した起業も、離島移住ならではの選択肢です。
農林水産物の生産・加工・販売や、伝統工芸品づくりなど、アイデア次第でビジネスチャンスは広がります。
観光業など、離島の自然や文化を生かしたサービス業で起業する人も。
地域に根差したビジネスで、やりがいを感じられるはず。
6-3. 離島コミュニティーでの活動に情熱を注げる
子育て支援、介護、環境保全など、地域密着型の活動に情熱を傾けるのも一興。
小さな離島だからこそ、一人の力が地域を動かせる手応えを感じられます。
行政や島民と連携しながら、課題解決に向けて汗を流す。
そんな社会的意義の高い取り組みは、働くことの新たな意味を教えてくれるでしょう。
7. 離島移住のデメリット①:生活インフラが不便
一方、離島移住にはデメリットもあります。
まず挙げられるのが生活インフラの不便さ。
本土との行き来が制限され、生活必需品の入手にも苦労するケースが少なくありません。
7-1. 船や飛行機の本数が限られている
離島と本土を結ぶのは、船か飛行機のみ。
しかも本数は限られています。
荒天時は欠航することも多く、スケジュール調整は難しいもの。
生活必需品だけでなく、医療アクセスにも影響するので注意が必要です。
計画的な行動をする習慣が身につきそうですが、予定が立てづらいのは確か。
私が移住した離島と本土を結ぶ定期船は1日に5便だけ。
片道約30分、料金は600円でした。
7-2. 物価が高く、生活必需品の種類も少ない
離島は物流コストがかかるため、本土に比べて物価が高い傾向にあります。
生活必需品の種類も限られており、買い物難民になる可能性も。
欲しい商品が島内で手に入らないのはよくあること。
我慢するか、通販で取り寄せるしかありません。
私が移住した離島にスーパーはなく、小さい個人商店が2軒だけ。
日用品はアマゾンで買ってました。
人口の少ない離島でも届きます。
7-3. 医療・福祉などの公共サービスが手薄
離島の医療・福祉は、どうしても手薄になりがち。
専門医のいない離島も多く、検査や治療のために本土に渡る必要がある場合も。
高齢になると、離島での暮らしは厳しさを増すかもしれません。
子育て支援や介護サービスの選択肢も限られているため、公共サービスの不足は事前に確認しておくべきポイントです。
私の移住した離島に病院はなく、小さな診療所が1つだけでした。
病院と診療所の違いはベッド(病床)の数。
病床が20未満であれば診療所、20以上であれば病院です。
8. 離島移住のデメリット②:仕事の選択肢が少ない
生活インフラ同様、離島での仕事選びにも制約があります。
職種によっては選択肢がかなり限られるため、キャリアチェンジを迫られるケースも。
8-1. 働き口が少なく、収入面で不安がある
人口の少ない離島では、そもそも働き口が少ないのが悩みの種。
特に専門的な職種だと、島内では需要がないことも。
企業に勤めている人は、そのまま離島で働くのは難しいかもしれません。
収入を確保しつつ離島での生活を実現するには、リモートワークの導入やスキルアップによる転職など、戦略的な行動が求められます。
8-2. 地元産業以外で働くのは難しい
離島の仕事は、漁業や農業、観光業などの地場産業が中心。
それらの担い手を募集している離島は多いものの、それ以外の仕事は新規参入が難しい状況です。
行政の仕事を狙うにしても、ポストの数は限られています。
地元産業以外の分野で働くには、本土まで通勤するか、自ら起業するしかないでしょう。
8-3. キャリアアップの機会が少ない
仮に離島で仕事が見つかったとしても、同じ業務を続けるだけでは、そのうち行き詰まりを感じるかもしれません。
組織の規模が小さいと、昇進のチャンスは少なくなりがち。
スキルアップのための研修制度も、整っていないのが一般的。
キャリアアップを望むなら、自分で学習の機会を見つけ、島外のネットワークを広げる努力が必要になりそうです。
9. 離島移住のデメリット③:精神的なストレスを感じることも
開放的な海や自然に囲まれていても、離島暮らしはストレスと無縁ではありません。
孤独感や閉塞感にさいなまれることも少なくないのです。
9-1. 娯楽の選択肢が少なく、退屈に感じる時がある
映画館、ショッピングモール、飲食チェーン店。
離島にはこうした娯楽施設が少ないため、退屈しやすいと言えます。
趣味に没頭するにも限界があり、選択肢の少なさにストレスを感じる人も。
娯楽不足を補うには、自然の中で過ごす時間を充実させるなど、離島ならではの楽しみ方を見つけるしかありません。
創意工夫が試される場面と言えるでしょう。
私が移住した離島には、小さな個人商店と食堂、旅館以外は何もありませんでした。
9-2. 人間関係がギスギスしやすい
プライバシーの少ない離島社会では、人間関係のトラブルが起こりやすいのも事実。
噂話が広まるのも早く、スムーズなコミュニケーションを心がけないと孤立を招く恐れがあります。
狭いコミュニティゆえに、感情的な対立に陥るケースも。
オープンな心を忘れず、適度な距離感を保つバランス感覚が求められそうです。
移住当初、まだ一度も会ったことのない島民が「私のフルーネームを知っている」ということがありました。
9-3. 孤独感に襲われることがある
離島は本土から物理的・精神的に隔絶されているため、孤独感を抱えやすいのも事実。
それは必ずしもネガティブなものではなく、自分自身と向き合うよい機会になる場合も。
とはいえ度が過ぎれば、精神的な不調を招きかねません。
定期的に離島を離れてリフレッシュしたり、オンラインでの交流を保ったりと、孤独にならない工夫が大切。
まとめ:離島移住はメリットとデメリットを天秤にかけて
いかがでしたか?
離島移住にはメリットもデメリットもありますが、最終的には人それぞれ。
自然の中でのんびり暮らしたい人にとっては魅力的でも、利便性を求める人には窮屈に感じるかもしれません。
大切なのは、自分が何を優先するのかを見極めること。
この記事を参考に、離島暮らしのイメージを膨らませてみてください。
離島移住はスムーズにいけば人生の新たな一歩になるはず。
ためらわずに一歩を踏み出せば、きっとかけがえのない景色が待っているでしょう。
理想の島暮らしを実現できるよう、まずは情報収集から始めてみませんか。