ノマドワークに憧れを抱く人は多いですが、そのメリットばかりが強調され、リスクや問題点はあまり語られていません。
この記事では、ノマドワークの本当の姿を知ってもらうために、ノマドワークの定義や種類をおさらいし、ノマドワークを始める前に知っておくべき3つの問題点を詳しく解説。
さらに、ノマドワークで稼げない人の特徴、ノマドワークで成功するための事前準備など、ノマドワーカーを目指す人に役立つ情報をまとめました。
ノマドワーカーになってどんな生活を送りたいか?
イメージしながら読んでみてください。
1. ノマドワークとは?働き方の定義と種類
ノマドワークとは「企業に所属せず、場所や時間にとらわれない自由な働き方」を指します。
インターネットとパソコンさえあれば、カフェやコワーキングスペース、自宅など、好きな場所で仕事ができるのがノマドワークの最大の特徴です。
ノマドワーカーには、プログラマー、ライター、デザイナー、動画クリエイター、投資家など、さまざまな職種の人がいます。
中にはYouTubeやブログの広告収入だけで生計を立てるノマドワーカーもいますが、多くのノマドワーカーはクラウドソーシングサイトなどを通じて仕事を請け負っています。
1-1. フリーランスとノマドワーカーの違い
ノマドワークはフリーランスの働き方の一種ですが、すべてのフリーランスがノマドワーカーというわけではありません。
フリーランスが企業に所属せず、個人で仕事を請け負うのに対し、ノマドワーカーは「場所にとらわれない」点が特徴的です。
つまり、特定の場所で仕事をするフリーランスはノマドワーカーとは呼べないとも言えます。
自宅の書斎やレンタルオフィスをメインの拠点にしているフリーランスは、厳密にはノマドワーカーには該当しません。
1-2. 国内ノマドと海外ノマド
ノマドワーカーは大きく分けて、国内を転々とする「国内ノマド」と、海外を旅しながら働く「海外ノマド」の2種類に分類できます。
国内ノマドの多くは、都市部のカフェやコワーキングスペースを中心に活動しています。
海外ノマドは東南アジアのリゾート地に長期滞在したり、ワーキングホリデーを利用して海外を転々としたりしながら働いています。
海外ノマドは語学力やビザの問題など、国内ノマドとは異なる課題を抱えているため、より周到な準備が必要となります。
1-3. ノマドワークに向いている仕事
ノマドワークに適しているのは、パソコン1台で完結する仕事です。
プログラミング、ライティング、デザイン、動画編集などの職種は、場所を選ばずに仕事ができるためノマドワークに向いています。
一方、面談や打ち合わせが多い営業職や、特殊な機材を使う職種は、ノマドワークには不向きだと言えます。
ノマドワークを始める前に、自分の職種がノマドワークに適しているかどうかを見極めることが大切です。
2. ノマドワークの3つの問題点
ノマドワークには「自由な生活ができる」「好きな場所で働ける」といったメリットがある一方で、「収入が不安定」「仕事とプライベートの切り分けが難しい」など、いくつかの問題点があります。
ここからは、ノマドワークを始める前に知っておきたい3つの問題点を解説します。
これらの問題点を理解した上でノマドワークに取り組めば、理想と現実のギャップに悩まされるリスクを減らせるはずです。
ノマドワークに憧れている人は、ぜひ参考にしてください。
2-1. 収入が不安定になりやすい
ノマドワーカーは会社員と違い、安定した収入を得られません。
フリーランスエンジニアのように単価の高い仕事であれば、ある程度まとまった収入を得られる可能性が高いですが、ライターやブロガーの場合は記事の本数に収入が左右されるため、さらに不安定になりやすいです。
ノマドワーカーの中には、収入の波が大きすぎて生活が苦しくなり、再就職を余儀なくされるケースもあります。
ノマドワークで生計を立てるには、高い専門性とマーケティング力が求められることを理解しておきましょう。
2-2. 仕事とプライベートの切り分けが難しい
会社員の場合、仕事とプライベートの切り分けは比較的はっきりしています。
しかし、ノマドワーカーは自宅やカフェなどプライベートな空間で仕事をするため、仕事モードとオフモードの切り替えが難しくなります。
「作業に集中できない」「いつでも仕事をしなければという強迫観念にとらわれる」といった悩みを抱えるノマドワーカーは少なくありません。
ノマドワークでは、仕事とプライベートのメリハリをどうつけるかが重要なポイントになります。
2-3. 孤独感や疎外感がある
ノマドワーカーは1人で黙々と作業することが多いため、孤独を感じやすいです。
特に地方や海外でノマドワークをしている場合は、言葉や文化の違いから現地の人とうまくコミュニケーションが取れず、疎外感を抱くこともあります。
カフェやコワーキングスペースを利用したり、ノマドワーカー同士の交流会に参加したりと、積極的に人と関わる機会を作ることが孤独感の解消につながります。
ノマドワークは自由な働き方である反面、孤独と向き合う覚悟も必要だと言えるでしょう。
3. 安易に退職してノマドワーカーを目指すべきでない3つの理由
「会社を辞めてノマドワーカーになれば、自由な生活が送れる」と考える人がいますが、それは大きな間違いです。
ノマドワークには前章で説明したようなリスクがあるため、誰でも気軽に始められるわけではありません。
特に、十分な準備をせずに会社を辞めてノマドワーカーになるのは危険です。
ここからは、安易に退職してノマドワーカーを目指すべきでない3つの理由を解説します。
3-1. 仕事を確保できるとは限らない
ノマドワーカーになる前に、どのように仕事を獲得するかを考えておく必要があります。
退職後に仕事探しを始めるのでは遅いです。
フリーランスの仕事は口コミや人脈で獲得することが多いため、ゼロからクライアントを探すのは容易ではありません。
最初のうちは報酬の安い仕事ばかりで、生活が苦しくなるリスクもあります。
3-2. 収支計画を立てておく必要がある
ノマドワークは収入が不安定になりやすいため、事前に綿密な収支計画を立てておかなければなりません。
毎月の生活費や事業経費を計算し、それに見合った収入を得られる目処が立っているかを確認しましょう。
少なくとも半年分の生活費は貯金しておくことをオススメします。
ノマドワークは自由な働き方ですが、その自由を手に入れるためには経済的な基盤づくりが不可欠です。
3-3. メンタル面の準備も必要
ノマドワークでは自分1人で仕事を回していかなければならないため、メンタル面の強さが求められます。
会社員の時は上司や同僚に相談できたことも、ノマドワーカーになれば自分1人で解決しなければなりません。
また、仕事が思うように獲得できない時期が続けば、不安やストレスから心が折れてしまうこともあります。
ノマドワークを始める前に、メンタル面の覚悟を決めておくことが大切だと言えるでしょう。
4. 稼げるノマドワーカーの3つの特徴
ノマドワーカーの中には、高収入を得て理想的なノマドライフを送っている人もいます。
そのようなノマドワーカーに共通しているのは、自らのスキルを磨き、仕事の獲得方法を確立しているという点です。
ここからは、ノマドワーカーとして成功するための3つのポイントを解説します。
ノマドワークで稼ぎたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
4-1. 高い専門性を身につける
ノマドワーカーとして稼ぐには、まず高い専門性を身につける必要があります。
プログラミングやWebデザイン、ライティングなど、自分の得意分野を1つ決めて徹底的に磨きをかけましょう。
稼げるノマドワーカーほど専門性が高く、クライアントが抱える課題を解決する力があります。
専門性を高めれば、単価アップにもつながるため、スキルアップは欠かせません。
4-2. 人脈づくりに力を入れる
ノマドワーカーにとって、人脈づくりはとても重要です。
なぜなら、クライアントの多くは知人の紹介で獲得するためです。
フリーランスの仲間を増やしたり、SNSで積極的に情報発信したりすることで、仕事の幅が広がります。
ノマドワーカーのコミュニティに参加するのもおすすめです。
4-3. 自己管理能力が高い
ノマドワーカーは自由な働き方ができる一方で、自己管理能力が求められます。
稼げるノマドワーカーは、納期を守れるのはもちろん、体調管理や仕事の優先順位づけもしっかりとこなしています。
ノマドワークでは自分で仕事をコントロールしなければならないため、自己管理のスキルを高めることが成功の鍵を握ります。
ノマドワーカーとして独立する前に、時間管理術を身につけておくと良いでしょう。
5. 稼げないノマドワーカーの3つの特徴
ノマドワーカーの中には、思うように稼げず苦労している人も多くいます。
特に、ノマドワークに憧れて安易に会社を辞めてしまった人の中には、現実の厳しさに直面している人が少なくありません。
ここからは、ノマドワークで稼げない人の特徴を3つ挙げていきます。
「自分は大丈夫だろうか」と不安に感じている人は、当てはまる特徴がないかチェックしてみてください。
5-1. 専門性が低い
ノマドワークで稼げない人の多くは、専門性が低いことが原因です。
クライアントが求めるクオリティの仕事ができなければ、単価は上がりません。
「ノマドワーカーなら誰でもできる」と思って始めると、単発の安い仕事ばかりで生活が苦しくなるリスクが高いです。
自分の市場価値を高めるためにも、1つの分野に特化して専門性を磨くことが大切だと言えます。
5-2. 仕事が少ない
ノマドワーカーの中には、仕事が全く獲得できない、または少ししか獲得できない人もいます。
前述の通り、クライアントを獲得するためには人脈づくりが欠かせません。
しかし、ノマドワークを始めたばかりの人は、十分な人脈がないことが多いです。
ノマドワーカーとして独立する前から、フリーランスのコミュニティに参加するなどして、地道に人脈を広げていく必要があります。
5-3. 自己管理ができていない
ノマドワークは自分の裁量が大きい働き方なので、自己管理ができないとすぐに破綻してしまいます。
稼げないノマドワーカーの中には、締め切りを守れなかったり、急な休みを取ったりして、クライアントからの信頼を失っている人もいます。
また、体調管理を怠り、バーンアウト(燃え尽き症候群)に陥るケースも見られます。
ノマドワーカーとして稼ぐためには、仕事もプライベートも自分でコントロールできる自己管理能力が求められます。
6. ノマドワーカーになって後悔しないための3つの事前準備
ここまで、ノマドワークの問題点や、稼げるノマドワーカーになるためのポイントを解説してきました。
最後に、ノマドワーカーになる前に必ずしておきたい3つの事前準備をお伝えします。
これらを実践することで、ノマドワーカーになって後悔するリスクを最小限に抑えられるはず。
ノマドワーカーになることを考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
6-1. 貯金を作っておく
ノマドワーカーとして独立する際は、ある程度の貯金を作っておくことが望ましいです。
仕事が安定するまでの生活費はもちろん、ノマドワーク特有の出費(パソコンや周辺機器の購入費、コワーキングスペースの利用料など)にも備える必要があります。
貯金があれば、仕事が少ない時期の生活も安心です。
ノマドワーカーを目指すなら、会社を辞める前から計画的にお金を貯めておきましょう。
6-2. クライアントや仕事内容を明確にする
ノマドワーカーとして独立する前に、どんなクライアントにどんな仕事を提供するのかを明確にしておく必要があります。
マーケットニーズがあるのかを市場調査し、ターゲットとする顧客層を具体的にイメージしましょう。
漠然と「ノマドワーカーになりたい」と思っているだけでは、仕事は得られません。
提供するサービスの中身を具体化させることが、スムーズに仕事を獲得するための第一歩。
6-3. 自己管理能力を高める
ノマドワーカーとして成功するには、高い自己管理能力が求められます。
会社に所属していた時と違い、自分1人で仕事もプライベートも管理しなければなりません。
ノマドワーカーになる前から、時間管理や体調管理の習慣を身につけておくことが大切。
締め切りを守れる、メリハリを付けて働けるといった当たり前のことを徹底できるかどうかが、ノマドワーカーとしての明暗を分けます。
まとめ
ノマドワークは一見、自由で楽しそうに見えますが、「稼げない」「仕事が続かない」といった問題を抱えるケースも少なくありません。
ノマドワークで成功するには、高い専門性と自己管理能力、そして事前準備が欠かせません。
また、ノマドワーカー同士のコミュニティに参加するなどして、横のつながりを作ることも大切だと言えるでしょう。
憧れだけでノマドワーカーになるのは危険です。
この記事を参考に、自分に合ったノマドワークのスタイルを見つけていってください。
ノマドワークにチャレンジする際は、十分な覚悟と準備が必要だということを忘れずに。