瞑想以外でマインドフルネスに取り組む7つの方法と5つのメリット

瞑想以外でマインドフルネスに取り組む7つの方法5つのメリット

マインドフルネスというと、座禅のように目を閉じて瞑想するイメージを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

確かに瞑想はマインドフルネスの代表的な実践法の1つですが、それだけではありません。

実は日常生活の中にも、瞑想以外のマインドフルネスの実践法がたくさん隠れているのです。

この記事では、なぜマインドフルネス=瞑想という誤解が広がっているのか、その理由を探りつつ、誰でも手軽に取り入れられるマインドフルネス実践法をわかりやすく簡単にご紹介。

「マインドフルネスの効果が感じられない」とならないよう、この機会に理解を深めましょう。

自分は何にストレスを感じているのか?

マインドフルネスを取り入れてどうなりたいのか?

イメージしながら読んでみてください。

マインドフルネスに興味はあるけど、瞑想は苦手という方も、自分に合った実践法が見つかりますよ。

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1. マインドフルネス=瞑想という誤解が広がっている3つの理由

マインドフルネスというと瞑想のイメージが強いのには3つの理由があります。

1つ目は、マインドフルネスの歴史的背景です。

マインドフルネスは元々、仏教の瞑想法の1つとして発展してきました。

そのため、マインドフルネスを語る上で、どうしても瞑想との関連性が強調されがちなのです。

1-1. マインドフルネスの起源は仏教の瞑想法

マインドフルネスの起源は、2500年以上前のお釈迦様の教えにまで遡ります。

お釈迦様は、人間の苦しみの原因は執着や無知にあると説き、それらから解放されるための修行法の1つとして瞑想を説きました。

この瞑想法が、のちに「ヴィパッサナー瞑想」と呼ばれるようになり、現代のマインドフルネス瞑想の原型となったのです。

つまり、マインドフルネスの根底には、仏教の瞑想法の考え方が色濃く反映されているわけです。

1-2. 欧米でマインドフルネス瞑想が広まった

マインドフルネスが欧米で広く知られるようになったのは、1970年代以降のことです。

きっかけは、マサチューセッツ大学の分子生物学者だったジョン・カバットジンが、ヴィパッサナー瞑想を医療に応用したことでした。

カバットジンは、ヴィパッサナー瞑想から宗教色を取り除き、ストレス軽減などの効果に特化したプログラムを開発。

それが「マインドフルネス・ストレス低減法(MBSR)」として知られるようになり、欧米で爆発的な人気を博したのです。

1-3. マインドフルネス瞑想の効果が科学的に実証された

MBSRの人気に伴い、マインドフルネス瞑想の効果を科学的に検証する研究も数多く行われるようになりました。

その結果、マインドフルネス瞑想にはストレス軽減、集中力向上、感情のコントロールなど、さまざまなメリットがあることが明らかになってきました。

こうした研究成果が広く報道されたことで、マインドフルネス瞑想への注目度はますます高まっていったのです。

メディアでもマインドフルネスと瞑想がセットで取り上げられることが多く、両者がイコールでつながってしまったのかもしれません。

この章の要点
  • マインドフルネスの起源は仏教の瞑想法にある
  • 1970年代以降、欧米でマインドフルネス瞑想が広まった
  • マインドフルネス瞑想の効果が科学的に実証され、注目度が高まった

2. 瞑想では得られない意外なマインドフルネスの効果3つ

ここまで見てきたように、マインドフルネスと瞑想には密接な関係があります。

しかし、マインドフルネスの本質は「今この瞬間に意識を向けること」です。

それは必ずしも瞑想の形を取る必要はなく、日常のさまざまな場面で実践可能。

しかも、瞑想では得られないような意外な効果もあるんですよ。

2-1. 五感が研ぎ澄まされ、感動が増える

マインドフルネスを日常的に実践していると、五感が研ぎ澄まされてくることに気づきます。

当たり前のように感じていた景色の美しさ、何気ない音の心地よさ、食べ物のおいしさなどに改めて感動するようになるのです。

それは、「今この瞬間」に意識を向けることで、普段見落としがちな感覚の細部に注意を払えるようになるから。

瞑想中は目を閉じていることが多いので、こうした日常の感動は得にくいかもしれません。

2-2. 人間関係のストレスが減る

マインドフルネスを実践することで、人間関係のストレスが減ることもわかっています。

相手の話に耳を傾け、その人の立場に立って物事を見られるようになるからです。

相手への共感力が高まることで、無用な誤解やトラブルを避けられます。

さらに、相手の良いところに目を向けられるようになるので、人間関係がより良好になっていくのです。

2-3. 創造性が高まる

「今この瞬間」に意識を向けるマインドフルネスは、創造性を高める効果もあります。

普段はついクセで行動してしまいがちですが、一呼吸置いて眼前の状況を見つめ直すことで、新しいアイデアが生まれやすくなるのです。

また、雑念にとらわれずに、一つのことに集中できるようになるのもマインドフルネスの効果。

没頭することで創造的な活動がはかどるようになります。

この章の要点
  • マインドフルネスを日常的に実践すると、五感が研ぎ澄まされ感動が増える
  • 相手への共感力が高まり、人間関係のストレスが減る
  • 一つのことに集中できるようになり、創造性が高まる

3. 瞑想以外のマインドフルネスの実践法7選

ここからは、誰でも手軽に取り入れられる、瞑想以外のマインドフルネス実践法を7つご紹介。

どれも日常生活の中で、ちょっとした心がけで実践できるものばかり。

「瞑想は難しそう」「瞑想の時間が取れない」というあなたも、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

習慣化のコツは、無理のない範囲で、できることから少しずつ始めること。

3-1. 呼吸を意識する

呼吸は、いつでもどこでも意識を向けられる格好の対象です。

吸う息、吐く息に意識を集中させてみましょう。

息を吸うときの鼻の感覚、吐くときの口の感覚など、呼吸に伴うさまざまな感覚に目を向けるのもオススメ。

胸の上下する感覚を感じるのも良いでしょう。

試しに1回だけ今やってみませんか?

吸う空気は少し冷たくて、吐く息は少し暖かくないですか?

呼吸を意識すると、普段は気づかない機微も感じ取れるようになりますよ。

3-2. 歩くときに足の感覚を感じる

歩いているときも、マインドフルネスの絶好の機会。

足が地面に触れる感覚、重心が移動していく感覚などに意識を向けてみましょう。

「右足、左足、右足、左足」と歩みを心の中で数えるのも、シンプルな実践法の1つ。

早歩きせずに、ゆっくりとした歩調で歩くことを心がけると、感覚に没頭しやすくなります。

歩きながら行うマインドフルネスは、歩行瞑想やウォーキング瞑想と呼ばれています。

3-3. 食事のときに五感をフル活用する

食事中は、食べ物の味や香り、口当たり、音、見た目など、五感をフル活用してみましょう。

一口一口よく噛んで、味わいながら食べるのがポイント。

ついつい何か別のことをしながら食べてしまいがちですが、食事だけに集中する時間を作ることが大切。

料理を作るときも、食材を切る音、鍋を混ぜる音など、調理の過程を楽しみながら丁寧に作業すると良いでしょう。

あなたもスマホを置いて、じっくり食事に向き合ってみませんか?

携帯電話を持つまではそうしてましたよね?

食事の時だけは、懐かしいあの頃に戻りましょう。

3-4. 日常の何気ない動作をゆっくり行う

歯磨き、手洗い、洗顔など、日常の何気ない動作も、マインドフルネスの格好の機会。

普段よりも動作をゆっくりにして、一つ一つの感覚を味わってみましょう。

歯ブラシの感触、水の温度、石鹸の香りなど、普段は意識していない感覚に目を向けるのです。

テキパキと済ませてしまいたい気持ちをグッと抑えて、動作そのものを楽しむことを心がけましょう。

3-5. 人の話を真剣に聞く

人との会話もまた、マインドフルネスの実践の場。

相手の話に耳を傾け、言葉の一つ一つの意味を汲み取ろうと努めましょう。

相槌やジェスチャーを交えながら、相手の気持ちに寄り添うことを心がけるのです。

自分の考えを早く伝えたい気持ちや、別のことを考えてしまう誘惑に負けず、ひたすら傾聴に徹するのがコツですよ。

3-6. 「たった今」の感情や思考を見つめる

自分の中に湧き起こる感情や思考を、客観的に観察するのもおすすめの実践法。

怒り、悲しみ、不安など、ネガティブな感情が生じたら、それをそのまま見つめてみましょう。

決して感情を否定せず、「たった今、私はこんな感情を感じているんだな」と、あくまで中立的に受け止めるのがポイント。

感情をコントロールしようとするのではなく、そっと見守るイメージで観察しましょう。

3-7. 自然の中で五感を研ぎ澄ます

自然の中は、マインドフルネスを実践するのに最高の環境。

森林浴やビーチへの散歩など、自然の中で過ごす時間を積極的に作ってみましょう。

木々のざわめき、鳥のさえずり、波の音、潮風の香りなど、自然の持つ癒やしの力を存分に味わうのです。

スマホは時計代わりだけにして、自然の中に身を置く時間を心から楽しみましょう。

この章の要点
  • 呼吸や歩行など、日常の何気ない動作に意識を向ける
  • 食事中は五感をフル活用し「たった今」の感覚を味わう
  • 会話では相手の話を心から聞き、感情は客観的に観察する

4. 瞑想以外のマインドフルネスが向いている人の特徴3つ

ここまで見てきたように、マインドフルネスは瞑想以外の形でも十分実践できるのです。

とはいえ、やはり人によって向き不向きはあるでしょう。

ここでは瞑想以外のマインドフルネスが向いている人の特徴を3つ挙げておきます。

あなたはいくつ当てはまりますか?

4-1. 瞑想に抵抗がある

「何もせずにじっと座っているのは性に合わない」という人は少なくないはず。

日本人の感覚からすると、どこか仏教的な雰囲気も感じられ、抵抗を覚える人もいるかもしれません。

そんな人にこそ、瞑想以外のマインドフルネスがオススメ。

ハードルが低く、日常生活に自然に溶け込ませやすいので、心理的な抵抗も小さいはず。

4-2. 忙しくて瞑想の時間が取れない

マインドフルネス瞑想は、1日20分程度が目安とされています。

しかし、忙しい毎日の中で、そんな時間を確保するのは至難の業。

そんなときは、生活の中の隙間時間を使って、ちょっとしたマインドフルネスを実践するのが賢明。

通勤電車の中、昼休みの3分、仕事の合間など、スキマ時間を活用すれば、誰でも毎日続けられるはず。

4-3. 外向的で活動的なタイプ

瞑想は内省的な活動ですが、性格的に外向的で活動的なタイプの人は、内に意識を向けるのが苦手かもしれません。

そんな人は、日常の何気ない動作に意識を向けるマインドフルネスが合っているでしょう。

呼吸や歩行など、身体を動かしながらマインドフルネスを実践できるので、エネルギッシュな人でも取り組みやすいはず。

外の世界に意識を向けるタイプのマインドフルネスなら、外向的な人でも自然に実践できるはずですよ。

この章の要点
  • 瞑想に抵抗がある人は、心理的ハードルが低い瞑想以外のマインドフルネスが◎
  • 生活のスキマ時間を活用すれば、誰でも毎日続けられる
  • 外向的で活動的なタイプは、身体を動かしながらのマインドフルネスが向いている

5. 日常にマインドフルネスを取り入れることで得られる5つのメリット

ここまで見てきたように、マインドフルネスは瞑想以外の形でも気軽に実践できるものなのです。

では最後に、日常にマインドフルネスを取り入れることで得られる5つのメリットを確認しておきましょう。

メリットを知れば、マインドフルネスを習慣化するモチベーションにもなりますよ。

5-1. 心が落ち着く

何かをしながら、常に次のことを考えている現代人。

しかし「今この瞬間」に意識を向けるマインドフルネスを実践することで、そんなせわしない心も徐々に落ち着いてきます。

目の前のことに集中することで、雑念が消えてスッキリとした気持ちになれるのです。

心の平安を取り戻すことで、物事をより冷静に判断できるようにもなるでしょう。

5-2. ストレス耐性が高まる

日常的にマインドフルネスを実践していると、ストレスへの耐性も高まります。

イライラしたときも、一呼吸置いて自分の感情を客観視できるようになるからです。

感情に流されるのではなく、一歩引いて冷静に対処できる力が身につくのです。

その結果、ストレスがたまりにくくなり、メンタルヘルスの改善にもつながります。

5-3. 集中力が高まる

マインドフルネスの最大の特徴は、「今この瞬間」に意識を集中させること。

これを繰り返し練習することで、集中力が高まっていきます。

雑念に惑わされず、一つのことに没頭できる力は、仕事や勉強の効率アップにも役立つはず。

スマホなどの誘惑に負けず、目の前のタスクに集中できるようになりますよ。

5-4. 自己肯定感が高まる

日常の何気ない瞬間に意識を向けることで、自分自身をより深く見つめられるようにもなります。

良いところも悪いところも含めて、ありのままの自分を受け入れる力が高まるのです。

自分に自信が持てるようになることで、人生をより楽しく生きられるようになるでしょう。

自己肯定感が高まることは、人生全般の質の向上にもつながります。

5-5. 幸福度が上がる

これまで見てきたように、マインドフルネスにはさまざまなメリットがあります。

それらが相まって、全体的な幸福度の向上にもつながっていくのです。

心が落ち着き、ストレス耐性が上がり、集中力や自己肯定感も高まれば、人生の満足度が格段に上がるはず。

今この瞬間を大切にするという習慣は、より良い人生を送るための土台になってくれるでしょう。

この章の要点
  • マインドフルネスで心が落ち着き、ストレス耐性が高まる
  • 集中力と自己肯定感が高まり、人生の質が向上する
  • マインドフルネスの習慣は、幸福度の上昇にもつながる

6. 日常にマインドフルネスを取り入れるための3つのコツ

最後に、日常生活にマインドフルネスを取り入れる3つのコツをお伝えします。

習慣化するためのポイントなので、ぜひ意識してみてくださいね。

6-1. シンプルに始める

マインドフルネスを始めるなら、シンプルに始めるのがオススメ。

呼吸に意識を向けるところからスタートして、徐々に他の動作にも意識を広げていくと良いでしょう。

欲張りすぎず、できることから地道に積み重ねていくことが大切ですよ。

6-2. 毎日の習慣にする

マインドフルネスの効果を実感するには、毎日の習慣にすることが何より大切。

時間は3分でも構いません。

起床後や就寝前など、自分なりのルーティーンを決めて、毎日実践するよう心がけましょう。

6-3. 完璧を目指さない

マインドフルネスを実践していても、雑念が頭をよぎることはよくあること。

しかし、それを失敗だと思う必要はありません。

完璧を目指さず、自分なりのペースで気楽に続けていくことが何より大切。

この章の要点
  • シンプルに始めて、徐々に習慣化していく
  • 毎日続けることが何より大切
  • 完璧を目指さず、自分なりのペースで気楽に

7. マインドフルネスと瞑想の関係性

マインドフルネスと瞑想は密接に関係していますが、イコールではありません。

マインドフルネスは、瞑想以外の形でも十分に実践できるものなのです。

座って目を閉じる形式の瞑想が苦手な人も、日常のさまざまな場面でマインドフルネスを実践できます。

大切なのは、今この瞬間に意識を向けること。

それを習慣化することで、心が落ち着き、ストレス耐性や集中力、自己肯定感が高まっていきます。

結果として、人生全体の幸福度も上昇するでしょう。

まとめ

マインドフルネスは瞑想のイメージが強いですが、日常のさまざまな場面で実践できるものです。

呼吸や歩行、食事など、今この瞬間の体験に意識を向けることを繰り返し練習することで、心が落ち着き、ストレス耐性や集中力、自己肯定感が高まっていきます。

特別な準備は必要ありません。

今日から気軽に始められるので、あなたも日常にマインドフルネスを取り入れてみてください。

シンプルに始めて、毎日続けることが何より大切ですよ。

散歩中、通勤電車の中、食事中など、ちょっとした隙間時間を使って「今この瞬間」を大切にする習慣を身につけていきましょう。