マインドフルネス瞑想は心身の健康に役立ちますが、時に離人症状を引き起こすことがあります。
離人症の正しい理解と対処法を知ることで、安心してマインドフルネス瞑想を続けましょう。
この記事では、離人症の症状や原因、放置した場合のリスクを説明し、離人症状が出た時のオススメの瞑想法をわかりやすく簡単にご紹介。
「マインドフルネス瞑想の効果が感じられない」とならないよう、この機会に理解を深めましょう。
自分は何にストレスを感じているのか?
マインドフルネスを取り入れてどうなりたいのか?
イメージしながら読んでみてください。
1.マインドフルネス瞑想で起こりうる離人症とは?症状と特徴を理解しよう
マインドフルネス瞑想中や瞑想後に、現実感の喪失や自分が自分でないような感覚を覚えたら、それは離人症の症状かも。
多くの場合は一時的で心配ありませんが、症状を正しく理解し適切に対処することが大切。
1-1.離人症の主な症状3つ。現実感の喪失、自己との乖離感、感情の平坦化
離人症の代表的な症状は下記の3つ。
- 周囲の現実感が薄れてぼんやりする
- 自分の体や精神が自分のものでないように感じる
- 喜怒哀楽の感情が湧いてこない
我を忘れるほど没頭していた瞑想から、急に我に返った時のような状態だと思ってください。
1-2.離人症状の持続時間は個人差が大きい。数分から数週間続くこともある
ほとんどの場合、離人症状は数分から数時間で自然に回復します。
しかし、中には数日から数週間続く人もいて、個人差が大きいのが特徴。
症状が長引くほど不安は大きくなりますが、焦らずゆっくり休養を取りましょう。
2.離人症の原因。ストレスや疲労の蓄積、マインドフルネス瞑想の没入
離人症は心身の疲労やストレス、マインドフルネス瞑想への深い没入などがきっかけで起こります。
脳の働きが通常と異なる状態になることで、一時的に現実感が失われるのです。
日頃のストレス管理に加え、瞑想時間を調整することで離人症を防げます。
2-1.ストレスや不安からの逃避が引き金に。休養不足の時は瞑想を控えめに
強いストレスや不安から逃れるために現実逃避しているうちに、いつの間にか離人状態に陥っている可能性があります。
休養不足の時は特に要注意で、無理に瞑想を続けるよりも、睡眠や休息を十分に取ることを優先しましょう。
2-2.身体感覚の変化が離人症状につながる。瞑想で内的世界に入り込みすぎない
瞑想中は心拍数や呼吸が落ち着き、内的な意識の世界に深く入り込んでいきます。
しかし現実世界との接点があいまいになることで身体感覚に変化が起き、自分が自分でないような離人症状につながるのです。
没入しすぎない適度な瞑想を心がけましょう。
2-3.半睡半覚やレム睡眠中の離人体験。スムーズな入眠を心がける
寝つきが悪く浅い眠りを繰り返す時や、レム睡眠中の夢見の状態からふと目覚めた時に、一時的な離人症状を経験することがあります。
就寝前の過度の興奮を避け、質の高い深い睡眠をとることを意識しましょう。
離人症を防止するなら、瞑想の時間は午前中か日中に設定するのがオススメ。
3.離人症を放置するとどうなる?悪化リスクを避けるために知っておきたいこと
軽度の離人症なら心配いりませんが、症状が重くなると日常生活に支障をきたします。
離人症が慢性化・重症化するリスクを知り、症状の早期改善に努めることが大切。
3-1.感情のコントロールが利かなくなる。対人関係や仕事に悪影響も
感情が自分の意思と関係なく現れるようになると、対人関係のトラブルや仕事のミスにつながります。
相手の気持ちへの共感が失われ、言動が空虚で表面的なものになってしまうのです。
温かい人間関係を保つためにも、早めに離人症に向き合うことが大切。
3-2.強い不安や抑うつを引き起こす。専門家のサポートを受けることも大切
自分が自分でないような感覚が続くと、現実離れした強い不安を覚えるようになります。
やがて意欲の低下や抑うつ症状を引き起こし、悪循環に陥ってしまうことも。
専門医やカウンセラーに相談して適切なサポートを受けることも視野に入れましょう。
3-3.日常生活のリズムを取り戻すことが回復の鍵。規則正しい生活を心がける
バランスの取れた規則正しい生活を送ることが、離人症の回復に欠かせません。
十分な睡眠をとり、ストレス過多にならない程度に適度な運動を取り入れましょう。
旅行やレジャーなど、非日常の刺激的な活動も症状の改善に役立ちます。
4.離人症状が出た時の対処法。無理をせず心身をリラックスさせることが大切
離人症状が現れたら、それ以上瞑想を続けず、心と体を休ませることが何より大切。
焦らず、自分のペースでリラックスできる方法を見つけましょう。
4-1.無理に瞑想を続けない。十分な休養で心身のバランスを取り戻す
離人症状が出たら、その日の瞑想は中止して休養を取るようにしましょう。
横になって目を閉じ、ゆったりとした呼吸を繰り返すだけでもOK。
心と体のバランスが整うまで、2〜3日は瞑想を控えめにしましょう。
4-2.身近な人に症状を伝え、見守ってもらう。理解者の存在はとても心強い
不安な気持ちを1人で抱え込まず、信頼できる家族や友人に打ち明けることで、心の負担を軽くできます。
離人症状への理解者が見守ってくれる安心感は、回復への大きな支えになるはず。
思いがけないアドバイスがもらえることもあるでしょう。
4-3.現実感を取り戻す工夫を。五感を刺激し、「今ここ」を意識する
料理や掃除など、五感をフルに使う作業を意識的に行うのも効果的。
音楽を聴いたり、大切な人と会話を楽しんだりするのもオススメ。
今この瞬間の自分の存在を確かめるように、「今ここ」に意識を向けることを心がけましょう。
5.離人症状がある時こそ試してほしい。マインドフルネス以外の体を動かす瞑想法
じっと座って内面の観察に集中するマインドフルネス瞑想とは異なり、体を動かしながらリラックスを促す瞑想法もあります。
代表的なのがヨガ、太極拳、散歩。
離人症の改善に役立つと注目されている3つの瞑想法を紹介しましょう。
5-1.ヨガ。ポーズを取りながら呼吸に意識を向け、心と体をつなぐ
ヨガでは身体を伸ばしたり捻ったりするポーズをキープしながら、ゆったりとした呼吸を続けます。
体の動きと呼吸を通して意識を内側に向けることで、心と体のつながりを取り戻すことができます。
緩やかな動きのヨガがオススメですよ。
5-2.太極拳。ゆっくりとした動作の中に気の流れを感じ、心身をリラックス
太極拳は中国発祥の健康法で、呼吸を整えながらゆっくりと流れるような動作を続けます。
気の流れを感じ取ることで、全身に意識を巡らせリラックス状態に導かれます。
体の緊張をほぐし、心の安定が得られると人気です。
5-3.歩行瞑想。歩く動作と呼吸を意識し、ゆったりとしたリズムを楽しむ
ゆっくりとしたペースで歩きながら、足の動きと呼吸に意識を集中する歩行瞑想(ウォーキング瞑想)も効果的。
左右の足を一歩ずつ前に出すリズムと、吸う息・吐く息を同調させます。
広々とした公園や静かな森の中などで行うと気持ちいいですよ。
6.離人症でも大丈夫!体を動かす瞑想のやり方。ポイントは過度な集中を避けること
座って行うマインドフルネス瞑想とは異なり、体を動かす瞑想の肝は過度に意識を集中させないこと。
身体の動きに意識を向けつつも、力を抜いてリラックスすることを心がけましょう。
ここでは体を動かす瞑想のコツを解説します。
6-1.自然な呼吸のまま。ゆったりとしたペースに意識を向ける
無理に呼吸をコントロールする必要はありません。
あくまで自然に、深く腹式呼吸ができているかを意識するくらいでOK。
吸う息と吐く息、そのゆったりとしたペースを感じ取ってください。
瞑想中は口を閉じ、鼻からだけ息をするようにしましょう。
6-2.焦らない、力まない。眼は半眼に、あごを引き気持ちを落ち着ける
体を動かす瞑想の最中は、眼を閉じるのではなく半眼にするのがコツ。
あごを少し引いて背筋を伸ばし、肩の力を抜いてリラックスしましょう。
呼吸に意識を向けながら、雑念が浮かんでもそのまま受け流すイメージで構いません。
6-3.短時間から開始。ストレスを感じたらすぐに中止し休憩を
体調のすぐれない日は、3分程度の短い時間から始めてみてください。
そこから徐々に時間をのばしていくのが賢明。
もし途中でストレスを感じたら、そこで瞑想を切り上げて休憩を取りましょう。
自分のペースを大切にすることが何より重要。
まとめ
マインドフルネス瞑想中や瞑想後に、現実感の喪失や自分が自分でないような感覚に襲われたら、それは一時的な離人症状の可能性があります。
多くは数分から数時間で自然に治まりますが、中には数週間続く人もいます。
離人症状の原因はストレスや心身の疲労、瞑想への深い没入など。
症状を悪化させないためにも、無理に瞑想を続けることなく十分な休養を取りましょう。
症状が出た時は信頼できる人に打ち明け、見守ってもらうことも大切。
もし離人症状が出たら、ヨガや太極拳、歩行瞑想など、体を動かしながらリラックスを促す瞑想法にチャレンジしてみては。
呼吸に意識を向けつつ、力まず自分のペースを大事にしましょう。
症状が重い時は専門家に相談することも検討してください。
離人症に正しい理解を持ち、適切な対処を行えば、安心してマインドフルネス瞑想を続けていくことができるはず。
心と体のバランスを整えながら、瞑想の心地よさを味わっていきましょう。
試しに1回だけ深呼吸してみてください。
心がスッキリしましたよね?