マインドフルネス瞑想は、今や世界的に人気のメンタルトレーニング法になっています。
しかし「フォーカシング」はあまり知られていません。
実はフォーカシングという心理療法の技法を取り入れると、マインドフルネス瞑想の効果がさらに高まることをご存知でしたか?
この記事では、マインドフルネスとフォーカシングの違い、フォーカシングのメリットや実践法をわかりやすく簡単に解説。
「効果が感じられない」とならないよう、この機会に理解を深めましょう。
自分は何にストレスを感じているのか?
マインドフルネスとフォーカシングを取り入れてどうなりたいのか?
イメージしながら読んでみてください。
1. そもそもマインドフルネス瞑想って何?その定義と効果を理解しよう
マインドフルネス瞑想とは、「今この瞬間の体験に意識を向け、評価や判断をせずにありのままに観察する」というメンタルトレーニング法。
呼吸に意識を集中したり、身体の感覚や思考、感情などに気づきを向けたりすることで、心を落ち着かせストレス軽減などの効果が得られます。
科学的にも、マインドフルネス瞑想には脳機能の改善や免疫力アップなど、様々な心身の健康効果があることが分かっています。
1-1. マインドフルネス瞑想の定義
マインドフルネス瞑想の定義は「意図的に今この瞬間に意識を向け、評価せずに体験を観察すること」です。
「意図的に」というのがポイントで、瞑想中は意識的に注意を向けることが大切。
そして体験をありのまま、評価や判断をせずに観察するのも特徴の一つ。
1-2. マインドフルネス瞑想の具体的な方法
マインドフルネス瞑想の基本は「呼吸へ意識を向けること」です。
楽な姿勢で座り、目を閉じて鼻から吸って口から吐く呼吸に集中。
呼吸に意識を向けながら、浮かんでくる思考や感情にも気づきを向けていきます。
1-3. マインドフルネス瞑想の効果
マインドフルネス瞑想を続けることで、ストレス軽減や集中力アップ、感情コントロール力の向上などの効果が期待できます。
他にも、うつや不安の改善、免疫力の向上、睡眠の質の改善など、心身の健康に良い影響を与えることが分かっています。
脳科学的にも、マインドフルネス瞑想は脳の構造や機能を良い方向に変化させることが明らかになっています。
2. フォーカシングとは?心理療法から生まれた感情と対話する技法
フォーカシングとは、アメリカの心理学者ユージン・ジェンドリンが開発した心理療法の技法の一つ。
自分の内面に意識を向け、感情や体の感覚と対話することで、自己理解を深めたり問題解決のヒントを得たりするという特徴があります。
心理療法として開発されましたが、今では誰でも活用できるセルフケアの方法としても注目されています。
2-1. フォーカシングの歴史と発展
フォーカシングは1960年代に心理療法の一つとしてジェンドリンによって開発されました。
もともとは心理療法でクライアントの内面を探索するための技法でしたが、一般の人でも心の問題の解決に役立つことが分かり、セルフケアの方法としても広まっていきました。
今では医療機関だけでなく、教育や芸術の分野でも活用されています。
2-2. フォーカシングのプロセス
フォーカシングは、「フェルトセンス」と呼ばれる身体感覚に意識を向けることから始まります。
問題や気がかりに関する漠然とした感覚を、身体のどの部分で感じるかを探るのです。
そのフェルトセンスに意識を向け、そこから湧き上がる言葉やイメージを待ちます。
- フェルトセンスとは、身体で感じる微妙な感覚のこと
- 言葉にする前の、曖昧でつかみどころのない感じを指す
- 身体の中心部(胸や腹)に、モヤモヤしたり、ザワザワしたりする感覚として現れることが多い
- フェルトセンスは、自分の内面の状態を表す重要なサイン
- 思考や感情、欲求など、言語化される前の状態を反映している
- フェルトセンスに意識を向け、そこから湧き上がる言葉を待つことで、自分の内面を探求できる
- 自己理解を深め、本当の気持ちに気づくために重要な手がかりとなる
フェルトセンスは、フォーカシングにおいて重要な概念。
言葉にならない曖昧な感覚に意識を向けることで、自分の内面世界を探求していくプロセスの出発点となります。
2-3. フォーカシングのメリット
フォーカシングを行うことで、自分の内面を深く理解することができるようになります。
言葉になる前の感情や感覚に意識を向けることで、本当の気持ちに気づくことができるのです。
自分の気持ちを言語化できるようになることで、ストレス軽減や問題解決力の向上、自己肯定感の改善などの効果も期待できます。
3. マインドフルネスとフォーカシングの違いは?共通点と相違点を理解しよう
マインドフルネスとフォーカシングは、どちらも「今ここ」の体験に意識を向けるという共通点がありますが、いくつか大きな違いもあります。
意識の向け方や目的が異なるので、両者の特徴をしっかりと理解しておくことが大切。
マインドフルネスは、今の体験をありのまま観察するのに対し、フォーカシングは内面の感情や感覚を言語化していくという違いがあります。
3-1. マインドフルネスとフォーカシングの共通点
マインドフルネスとフォーカシングに共通しているのは、今この瞬間の体験に意識を向けるという点。
どちらも、頭の中の考え、過去、未来への思考にとらわれるのではなく、今ここで起きている体験に注意を向けます。
そうすることで、自分の内面世界に気づきを深めていくというのが両者に共通した特徴と言えます。
3-2. 意識の向け方の違い
マインドフルネスでは、今の体験をありのまま、評価や判断をせずに観察することに意識を向けます。
一方、フォーカシングでは身体感覚に意識を向け、そこから湧き上がる言葉やイメージを待つという特徴があります。
つまり、マインドフルネスが客観的な観察を重視するのに対し、フォーカシングは内的な感覚を探求することに重きを置いている点が異なります。
3-3. 目的の違い
マインドフルネスの主な目的は、今この瞬間の体験に気づき、心を落ち着かせストレスを軽減すること。
それに対しフォーカシングは、内面の感情に意識を向けそれを言語化していくことで、自己理解を深め問題解決のヒントを得ることを目指します。
そのためフォーカシングでは、感情の探求や洞察を通して、より深いレベルでの変化を促すことに重点が置かれています。
4. マインドフルネス瞑想の効果を高めるフォーカシングの実践法とは?
マインドフルネス瞑想にフォーカシングの要素を取り入れることで、瞑想の効果をさらに高めることができます。
具体的には、呼吸に意識を向けるマインドフルネス瞑想の中で、身体の感覚にも意識を向けてみるのです。
心が落ち着いてきたら、今の自分の内面に意識を向け、感情や感覚を言葉にしていくというフォーカシングのプロセスを取り入れてみましょう。
4-1. 呼吸に意識を向けながら身体感覚にも注意を払う
まずは、マインドフルネス瞑想の基本である呼吸に意識を向けるところから始めます。
そのうえで、呼吸を感じながら身体の様々な部分の感覚にも意識を広げていきます。
身体のどこに力が入っている、どこが軽く感じるか、じっくりと内側の感覚を観察してみましょう。
4-2. 感情や感覚を言葉にしていく
身体感覚に意識を向けたら、今湧き上がっている感情はどんなものかを探ります。
怒り、悲しみ、不安、喜びなど、自分の内面に向き合ってみましょう。
そして、その感情を表す言葉を探します。
言葉にすることで、自分の内面が少しずつクリアになっていくのを感じられるはず。
4-3. 内面からのメッセージを受け取る
感情や身体感覚を言葉にしていくと、そこから大切なメッセージが得られることがあります。
自分が本当は何を求めているのか、どんな変化が必要なのか、内なる叡智からのサインを受け取りましょう。
そうすることで、自分に必要なものが明確になり、具体的な一歩を見出すことができるでしょう。
5. フォーカシングを取り入れたマインドフルネス瞑想の効果とは?
マインドフルネス瞑想にフォーカシングの要素を取り入れることで、より深い気づきと変化が起こります。
感情と向き合い言語化するプロセスを通して、自己理解が深まり、新たな可能性が開かれていくのです。
心の安定だけでなく、自分らしい生き方の発見につながる効果も期待できるでしょう。
5-1. 感情の整理と心の安定
フォーカシングを通して自分の感情を言葉にすることで、モヤモヤした気持ちがスッキリと整理されていきます。
言語化された感情は、自分の中で受け止められ、心の安定につながります。
マインドフルネス瞑想による心の落ち着きと、フォーカシングによる感情の整理。
その両方の効果によって、より深いレベルでの心の平安が得られるのです。
5-2. 自己理解の深化と気づきの拡大
自分の内面と丁寧に向き合うことを通して、自分自身への理解が深まります。
普段は見過ごしている自分の感情や欲求に気づくことで、新たな発見があるでしょう。
内面の声に耳を傾け、自分の本当の気持ちを知ることは、より良い選択と行動につながります。
5-3. 自己成長と変化のきっかけに
内面からのメッセージに気づくことで、自分に必要な変化が明確になります。
その気づきを行動に移していくことで、自己成長と変化が促されていくでしょう。
マインドフルネス瞑想とフォーカシングの組み合わせは、自分らしい生き方を見出すための第一歩となります。
6. フォーカシングを取り入れた瞑想が特におすすめの人の特徴とは?
フォーカシングを取り入れたマインドフルネス瞑想は、誰にでもオススメできる方法ですが、特に以下の特徴を持つ人に効果的。
- 自分の感情と向き合うことが苦手な人
- 自己理解を深めたい人
- 人生の岐路に立っている人は
これらの特徴に当てはまる人は、新たな気づきと成長のきっかけが得られるはずですよ。
6-1. 自分の感情との付き合い方に課題を感じる人
怒りや悲しみなどのネガティブな感情を感じると、それを無視したり抑圧してしまう人もいるでしょう。
しかし、それでは感情は溜まる一方で、いずれ限界が来てしまいます。
フォーカシングで感情を味わい言葉にすることで、それらを上手に流していくことができるようになります。
6-2. 自分のことをもっと理解したいと思っている人
「自分は一体何を求めているのだろう」「本当の気持ちは何なのだろう」と自問自答する人もいるのではないでしょうか。
頭の中で考えても答えは出ませんが、フォーカシングを通して内面に耳を澄ませば、自ずと必要な気づきが得られるはず。
自己理解を深めたい人には、最適のアプローチだと言えます。
6-3. 人生の転機を迎えている人
進学や就職、結婚や出産など、人生の岐路に立ち悩んでいる人もいるでしょう。
フォーカシングを通して内なる声に耳を傾けることで、自分が進むべき道が見えてくることがあります。
人生の選択に迷ったら、マインドフルネス瞑想とフォーカシングで内面の答えを探ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
マインドフルネス瞑想とフォーカシングは、どちらも今この瞬間の体験に意識を向けるという点で共通しています。
しかし、マインドフルネス瞑想が体験をありのまま客観視するのに対し、フォーカシングは感情や身体感覚を言語化するプロセスを重視する点が異なります。
この両者のアプローチを組み合わせることで、マインドフルネス瞑想の効果をさらに高めることができるでしょう。
呼吸に意識を向けながら、湧き上がる感情を言葉にしていくことで、心の安定だけでなく自己理解の深化が期待できます。
自分の内面と丁寧に向き合うこと。
それは勇気のいることかもしれません。
しかし、そのプロセスを通して、自分らしい生き方のヒントが得られるはず。
あなたも、マインドフルネス瞑想にフォーカシングの要素を取り入れて、内なる声に耳を澄ませてみませんか?
新たな気づきと、自己成長のきっかけが待っていますよ。