ミニマリストに憧れる人は多いですが「ミニマリストの部屋はやばい」「モノを捨てまくるのは異常」といった批判的な意見もあります。
確かに、何も無い殺風景な部屋で暮らすのは、誰にでも出来ることではありません。
しかし、ミニマリストの本当の目的は、モノを減らすことで人生を豊かにすることなのです。
この記事では、ミニマリストがやばいと言われる理由、断捨離依存症のリスク、モノのない暮らしの心構えをわかりやすく簡単に解説。
ミニマリストを目指している人も、批判的に見ている人も、参考にしてみてください。
1. ミニマリストがやばいと言われる3つの理由
ミニマリストに対して「やばい」というイメージを持つ人は少なくありません。
一体なぜ、ミニマリストの生活はやばいと言われてしまうのでしょうか。
ここでは、ミニマリストがやばいと言われる3つの理由を見ていきます。
ミニマリストへの批判的な意見の背景を知ることで、ミニマリストに対する理解を深めましょう。
1-1. 常識からかけ離れた非日常的な空間に見える
ミニマリストの部屋は、一般的な感覚からするとかなり非日常的な空間に見えます。
部屋の中にはベッドとデスクぐらいしかなく、装飾品もほとんどありません。
そんな何もない部屋は、一般的な価値観からすると、貧乏くさく見えたり、味気なく感じられたりするのです。
モノに囲まれて暮らすことが当たり前の現代社会では、ミニマリストの空間はやばいと思われても仕方ありません。
1-2. 使えるモノまで捨てるのは異常に思える
ミニマリストは徹底的にモノを減らすため、周りから見ると使えるモノまで捨てているように見えます。
例えば、ミニマリストの中にはフライパン1つで料理をする人もいます。
鍋やボウルがあれば便利なのに、あえて制限するのは異常に思えますよね。
このように、使えるモノまで手放すミニマリストの姿は、モノを大切にする価値観と相容れないのです。
1-3. 極端なミニマリストは人間関係もやばそう
ミニマリストの中には、家具や衣服だけでなく、人間関係もシンプルにする人がいます。
必要のない人付き合いを減らし、大切な人とだけ深く付き合うのです。
しかし、極端なミニマリストだと、誰とも付き合わずに一人で生活しているように見えてしまいます。
家族や友人との繋がりを大切にする日本社会では、人間関係もミニマルにする生き方は理解されにくいのかもしれません。
2. 断捨離依存症に陥るミニマリストの3つの特徴
ミニマリストの中には、モノを減らすことが病的な状態になっている人がいます。
それが「断捨離依存症」です。
断捨離依存症は、モノを捨てることに強迫観念を持ち、生活に支障をきたす状態を指します。
ここでは、断捨離依存症に陥りやすいミニマリストの3つの特徴を解説します。
2-1. モノを持つことへの罪悪感が強い
断捨離依存症のミニマリストは、新しいモノを買ったり、プレゼントをもらったりすることに罪悪感を覚えます。
持ち物が増えること自体がストレスになるため、せっかくもらったプレゼントでも即処分してしまうのです。
あなたが大切な人にプレゼントをしたのに、その場で捨てられたらショックですよね。
しかし、断捨離依存症の人にとってはそれが当たり前の行動なのです。
2-2. 一日中部屋の片付けに没頭する
ミニマリストは持ち物が少ないため、一般的には片付けに時間がかからないイメージですよね。
しかし、断捨離依存症の人は、一日中部屋の片付けに没頭することがあります。
それは、断捨離そのものが快楽になっているからです。
断捨離している時は気持ちが高揚し、まるで薬でもやっているかのような感覚に陥ります。
2-3. 必要なモノまで捨ててしまう
健全なミニマリストは、生活に本当に必要なモノは残すように心がけます。
ところが、断捨離依存症だと、生活必需品でさえ躊躇なく捨ててしまうのです。
例えば、冬物の服を全て処分して寒さに震えたり、財布までなくなって買い物ができなくなったりします。
断捨離のやりすぎで、健康面や経済面でマイナスの影響が出ているのが特徴です。
3. 断捨離依存症が危険な3つの理由
前章で解説した通り、行き過ぎたミニマリストは断捨離依存症に陥る危険性があります。
断捨離依存症は心身の健康を損なうだけでなく、周囲の人間関係にも悪影響を及ぼします。
ここでは、断捨離依存症が危険だと言われる3つの理由を詳しく見ていきましょう。
ミニマリストを目指すなら、断捨離依存症のリスクについても理解しておく必要があります。
3-1. ストレス解消の手段が断捨離だけになる
断捨離依存症の人は、ストレスがたまると部屋の片付けを始めます。
最初のうちは、断捨離でスッキリして気持ちが落ち着くでしょう。
しかし、ストレス解消の手段が断捨離だけになると、かえって精神状態が不安定になります。
断捨離以外の趣味や楽しみを見つけられないまま、延々とモノを捨て続けるのです。
3-2. 大切な思い出の品まで処分してしまう
断捨離依存症が重症化すると、思い出の品まで容赦なく捨ててしまいます。
例えば、亡くなった家族の形見や、恋人からもらった思い出の品など、二度と手に入らない大切なモノです。
一時の快楽に溺れて思い出を捨てたことで、後から強い喪失感や後悔に襲われるでしょう。
しかし、一度捨ててしまったモノは元には戻りません。
断捨離依存症は、取り返しのつかない過ちを犯す危険性が高いのです。
3-3. 家族や恋人との関係がギクシャクする
断捨離依存症の人は、家族や恋人の持ち物まで勝手に処分してしまうことがあります。
子供のおもちゃや、パートナーのコレクションなど、本人にとっては大切なモノです。
それを無断で捨てられたら、誰だって怒るでしょう。
そのような行為を繰り返していると、家族や恋人との関係が次第にギクシャクしていきます。
4. ミニマリスト志望者が持つべき3つの価値観
ミニマリストを目指すなら、シンプルに暮らすための心構えが必要です。
モノを減らすことだけが目的になると、前章で解説したような弊害が生じるからです。
ここでは、ミニマリスト志望者が持つべき3つの価値観を提案します。
断捨離依存症に陥らない健全なミニマリストを目指すための指針として活用してください。
4-1. 少ないモノで豊かに暮らすことが目的
ミニマリストの目的は、少ないモノで豊かに暮らすことです。
部屋をスッキリさせて、心にゆとりを持つことが大切なのです。
断捨離はあくまで手段であって、目的ではありません。
モノを減らすことが生活の豊かさに繋がるかを常に意識しましょう。
4-2. 自分にとって本当に大切なモノを見極める
ミニマリストになるためには、自分にとって本当に大切なモノを見極める必要があります。
そのモノがないと生活に支障が出るのか、捨てたら後悔するのか、冷静に考えてみましょう。
一方で、単なる思い出や未練でモノを手放せないのは要注意です。
思い切って処分することで、前に進むきっかけになることもあります。
4-3. 周りの人の価値観も尊重する
ミニマリストとして生きるなら、周りの人の価値観も尊重する姿勢が大切です。
家族や恋人がモノ好きだったとしても、頭ごなしに否定せずに歩み寄りましょう。
時には、プレゼントを快く受け取る度量の広さも必要です。
ミニマリストだからといって孤高を保つのではなく、周囲との繋がりを大切にする心を忘れないでください。
5. 本当に必要なモノを見極める3つの質問
ミニマリストになるには、自分にとって本当に必要なモノだけを残す選別眼が問われます。
とはいえ、モノの価値は人それぞれ。
一概に必要か不要かを判断するのは難しいですよね。
ここでは、断捨離に迷った時の指針として、自問自答したい3つの質問を紹介します。
5-1. 過去1年以内に使ったことがあるか?
「いつか使うかも」と思って取っておいたモノは、意外と使わないものです。
断捨離に迷ったら、過去1年以内に使ったかどうかを思い出してみましょう。
1年以上使っていないモノは、よっぽど思い入れがない限り手放す候補になります。
「使わないなら持っている意味がない」と割り切るのがミニマリストの考え方です。
5-2. 同じ用途のモノを複数持っていないか?
ミニマリストを目指すなら、同じ用途のモノを複数持つのはNGです。
例えば、普段使いのコートを2着以上持っている人は要注意。
一番のお気に入りだけ残して、他は思い切って手放しましょう。
割れたり汚れたりしたときのために予備を持つのはOKですが、同じモノをたくさん持つ必要はありません。
5-3. 捨てたら後悔する可能性が高いか?
ときには、思い切って処分することも必要です。
しかし、捨てたら絶対に後悔するモノまで手放すのは危険です。
断捨離に迷ったら、捨てた後の自分の気持ちをイメージしてみるのがオススメ。
もし、「捨ててスッキリできそう」と感じたら手放してOKです。
6. 一人暮らしのミニマリストが持つべき家具・家電
ミニマリスト志望者の中には、一人暮らしの人も多いでしょう。
安くて狭い部屋に住むなら、シンプルな暮らしが必須ですからね。
とはいえ、何も持たないのは現実的ではありません。
ここでは、一人暮らしのミニマリストが最低限持つべき家具・家電をまとめてみました。
6-1. ベッドか布団
一人暮らしなら寝床は必須ですよね。
ベッドか布団かは好みで選びましょう。
ただし、ベッドを選ぶ場合は、なるべくシンプルなデザインのものがオススメです。
ヘッドボードや収納つきのベッドは場所を取るし、あまり使わない可能性が高いからです。
6-2. デスク・イス
在宅ワークが増えた昨今、デスクとイスは必需品と言えるでしょう。
ダイニングテーブルで作業するのは体に良くありませんからね。
おしゃれさよりも、機能性重視で選ぶのがミニマリスト流です。
デスク周りにモノを置きすぎないよう、こまめに整理整頓を心がけましょう。
6-3. 冷蔵庫・洗濯機
一人暮らしなら、冷蔵庫と洗濯機も必要不可欠です。
新品を買うとなると出費がかさみますが、中古品なら比較的安く手に入ります。
一人用のサイズ感を選べばコンパクト。
電子レンジやトースターなどのキッチン家電は、よく使うもの以外は思い切って手放しましょう。
7. ミニマリストになりたいなら「軸」を持とう!
最後に、ミニマリストを目指すあなたに贈る、大切なアドバイスがあります。
それは「軸」を持つことです。
ミニマリストとは、物事の優先順位が明確な人のこと。
シンプルに暮らすためには、自分の人生において何が最も大切かを知っておく必要があるのです。
7-1. 趣味や好きなことに没頭する
ミニマリストの多くは、趣味や好きなことに熱中しています。
例えば、ヨガや瞑想にハマる人もいれば、アウトドア派の人もいるでしょう。
モノを減らして生まれた時間を、自分の好きなことに使うのです。
好きなことに打ち込むことで、日々の生活が充実し、自然とモノへの執着が薄れていきます。
7-2. 人との繋がりを大切にする
ミニマリストの中には、人付き合いに重きを置く人が多いです。
服や家具にお金をかけるよりも、友人や家族との思い出作りに投資するわけですね。
SNSの普及で希薄になりがちな人間関係。
だからこそ、大切な人とは直接会って、心のこもったコミュニケーションを取りたいものです。
7-3. 自分の人生の目的を見つける
ミニマリストに共通しているのは、自分の人生の目的を明確に持っていること。
ある人は社会貢献を、ある人は自己実現を、ある人は家族との時間を何よりも大切にしています。
人生の目的が定まれば、自ずと手放すモノも見えてきます。
ミニマリストを目指すなら、「自分は何のために生きているのか?」という問いに向き合ってみましょう。
まとめ
ミニマリストがやばいと言われるのには、常識離れした非日常的な暮らしぶりが理由の一つ。
確かに、ものを捨てすぎるミニマリストの行動は異常に見えてしまいますよね。
行き過ぎたミニマリストは、断捨離依存症に陥る危険性もあります。
しかし、ミニマリストの目的は物を減らすことではなく、少ないモノでより豊かに生きること。
ものを捨てるのは、そのための手段に過ぎません。
ミニマリストを目指すなら、人生の軸を見つめ直し、本当に大切なものを見極めることが大切です。
モノへの執着を手放し、自分らしい生き方を追求する。
それこそが、ミニマリストの真の姿なのではないでしょうか。