空き家を有効活用する「空き家バンク」をご存知でしょうか?
空き家バンクを利用すると、格安で魅力的な物件を借りられるかも。
私は空き家バンクで家賃15,000円の一軒家を借り、離島に移住しました。
この記事では、空き家バンクの仕組みや利用方法、注意点などを初めての人にもわかりやすく簡単に解説します。
空き家の新しい可能性を一緒に探っていきましょう!
1. 空き家バンクとは?3つのメリットと仕組み
空き家バンクとは、自治体や民間団体(NPO)が運営する、空き家の売買・賃貸を仲介するシステム。
所有者から提供された空き家情報をホームページで公開し、利用希望者とマッチングします。
築年数が経過した物件が多いですが、立地や広さなどが魅力で、格安で借りられるのが大きな特徴です。
1-1. 安価な賃料で広い物件に住める
空き家バンクの物件は、築年数が経っているものが多いため、賃料が通常よりも安く設定されています。
地方の郊外や田舎の物件が多く、都心では考えられないような広さの物件に巡り会えることも。
職場から少し離れても、ゆとりある生活を手に入れられるでしょう。
1-2. 地域活性化に貢献できる
空き家バンクの利用は、単に安く住めるだけでなく、地域活性化にも貢献できます。
人口減少に悩む地方では、空き家が増加の一途をたどっています。
その空き家に新しい住人が入ることで、過疎化に歯止めをかけ、地域コミュニティの維持につながるのです。
1-3. 地方移住・二地域居住の足掛かりに
都会の喧騒から離れ、自然豊かな地方での暮らしを望む人には、空き家バンクは格好の移住ツールと言えます。
地方移住や二拠点居住をお考えなら、まずは空き家バンクでの物件探しから始めてみるのもオススメ。
気に入った土地の物件が見つかれば、スムーズに移住できるしょう。
2. 空き家バンクの物件はどんな特徴がある?3つのポイント
次に、空き家バンクで扱われている物件の特徴を見ていきましょう。
築年数が経過しているものが多いですが、リフォームで快適に暮らせるようになります。
立地や日当たりのよさなど、古い物件ならではの魅力もたくさんあります。
2-1. 築年数は古いがリフォーム済み物件も
空き家バンクに登録される物件の多くは、築20年以上経った戸建てや古民家です。
そのままでは住むのが難しい物件もありますが、大家さんの協力でリフォーム済みの部屋も見つかります。
古い物件でも、水回りや断熱性を改善することで、快適に暮らせるようになるでしょう。
私が空き家バンクで借りた一軒家は、一階だけリフォームされていました。
2-2. 自然に恵まれた立地が魅力
空き家バンクの物件は、山あいや海沿いの集落など自然豊かな場所に多く存在します。
せわしない都会とは異なる、ゆったりとした時間の流れを味わえるでしょう。
日当たりと風通しのいい立地に暮らせば、心身をリフレッシュさせてくれること間違いなし。
私は離島の一軒家を貸りましたが、日当たりはよくなかった…。
2-3. 庭付き物件で菜園や家庭菜園も楽しめる
一戸建ての空き家物件では、広い庭がついていることも。
のびのびと庭仕事を楽しんだり、畑を耕して野菜を育てたりと、やりたかったことに思う存分チャレンジ。
収穫した野菜を食卓に並べれば、自然の恵みと達成感を得られます。
3. 空き家バンクの利用の流れ3ステップ
さて、実際に空き家バンクを利用するにはどうすればよいのでしょうか。
利用の大まかな流れは以下の3つのステップです。
3-1. 物件情報を確認し、条件の合う物件を見つける
まずは、空き家バンクのウェブサイトや役所の窓口で、登録物件の情報を集めます。
築年数や間取り、家賃、リフォーム状況など、自分の条件に合う物件を探しましょう。
気になる物件があれば、担当者に連絡を取ります。
3-2. 現地見学で物件の状態を確認
希望の物件が見つかったら、現地に行って内見します。
築年数が経過している物件は、想像以上に老朽化が進んでいるので要注意。
シロアリ被害の形跡がないか、雨漏りしていないかなど、入念にチェックを行いましょう。
玄関や裏口、窓の建て付けが悪く隙間ができている場合もあります。
遠慮せずに細い部分までよくチェックしましょう。
私は内見時にあまりチェックせず、住み始めてから隙間だらけだと気づきました。
3-3. 所有者と賃貸借契約を結ぶ
現地見学で物件の状態に問題がなければ、いよいよ契約です。
空き家バンクが仲介に入り、所有者との賃貸借契約を結びます。
契約書には、家賃や契約期間、リフォームの条件などを明記。
内容をしっかり確認したうえで判を押しましょう。
上記は一例で契約手順はまちまち。
私の場合は、
- 自治体の職員立会いで内見
- 職員に不動産屋と繋いでもらう
- 不動産屋と契約(普通の賃貸契約と同じ)
という流れでした。
別の自治体で、「内見したい」と連絡したら、「空き家バンクは情報を掲載しているだけなので、不動産屋に直接連絡して」と言われたことがありました。
自治体の対応もまちまちなので、柔軟にいきましょう。
4. 借り手に求められる3つの義務と心得え
いざ契約を結んで物件を借りたら、借り手としての義務を守らなければなりません。
空き家は、長い間人が住んでいなかった場所。
新しい住人としての自覚と周囲への配慮が大切になってきます。
4-1. 家賃を期日までに支払う
家賃の遅延は論外です。
契約で定められた期日までに、必ず家賃を支払いましょう。
安価な物件だからといって、支払いを怠るのは厳禁。
離島や田舎の過疎地では「あの人、家賃滞納してるらしいよ」という噂が広まりかねません。
4-2. 近隣住民とのコミュニケーションを大切に
離島や田舎では近所付き合いが欠かせません。
移住したら周囲に挨拶するようにしましょう。
地域の行事には積極的に参加し、溶け込む努力も必要です。
コミュニケーションを通じて、新天地でのあなたの暮らしはより豊かになるでしょう。
4-3. 借りた家の手入れは自分でこまめに
借りている物件は、自分の持ち物ではありません。
ただし、手入れは自分でこまめに行う必要があります。
定期的に掃除をし、庭の手入れもお忘れなく。
大家さんに迷惑をかけないよう、借り手の義務としてしっかり物件を管理しましょう。
5. 空き家バンクで借りる際の4つの注意点
空き家バンクを利用する際には、いくつか注意しなければならない点もあります。
安価な物件だからと言って、安易に借りるのは危険。
しっかりと物件の状態を見極め、契約内容を確認することが大切です。
5-1. リフォーム費用は基本的に借り手の負担
空き家バンクの物件は、リフォームが必要なケースが多々あります。
しかし、リフォーム費用を負担するのは基本的に借り手。
リフォームをしていいのか、いけないのか、何はしてよくて何はダメなのか、
しっかり確認して契約書に明示してもらいましょう。
5-2. 解約時の原状回復義務に注意
契約期間が終了し、物件を明け渡す際は原状回復義務が生じます。
どの程度まで物件を元の状態に戻さなければならないのか、契約時に取り決めておく必要があります。
借り手の負担が大きくなり過ぎないよう、退去時の条件もしっかりチェックしましょう。
5-3. 物件の老朽化に伴うリスクを考慮する
築年数の経った空き家は、様々なリスクを抱えています。
築50年を超えるような物件では、いつ設備の故障やトラブルが起きてもおかしくありません。
老朽化に伴うリスクを十分考慮に入れ、万が一の際の対応も所有者と相談しておくとよいでしょう。
5-4. 借りる際の物件は現状のまま
基本的に物件は現状のままで借りることになります。
私が借りた物件は、エアコンとテレビのアンテナが故障して使えない状態でした。
使う場合は、自分で費用を負担して修理する必要があります。
内見時に、家の設備で何か故障しているものはないか、よく確認しましょう。
6. 空き家バンク以外の空き家の借り方2選
空き家バンクの他にも、空き家を借りる方法はいくつかあります。
それぞれ特徴が異なるので、自分に合ったやり方を選びましょう。
6-1. 知り合いや地元の人に聞く
地方移住を考えている場合は、知り合いや移住先の地元の人に空き家情報を聞くのも一案。
現地をこまめに訪れて、地元の人とつながりを持つことが大切。
空き家バンクを利用した移住後、地元の人から物件情報が舞い込んでくることも。
私も移住後に、地元の人に「今の家賃は15,000円」と話したら、「親戚の家が空いてるから10,000円で貸してあげる」と言われました。
6-2. 直接所有者に交渉する
気になる空き家を見つけたら、直接所有者に交渉を持ちかける方法もあります。
仲介業者を挟まないため、家賃を安く抑えられる可能性も高い。
ただし、緊急時の対応など、貸主とのトラブルが生じるリスクは高まります。
信頼関係の構築が欠かせないでしょう。
田舎ではこの方法で家を借りている人もいるので、一応紹介しましたが、トラブルの可能性があるのでこの方法はオススメしません。
口約束だけで契約を交わしていないと、「やっぱり出ていって」と言われる可能性もあります。
所有者と直接交渉した後は、地元の不動産屋の仲介で解約を交わしましょう。
まとめ
空き家バンクは、お得に物件を借りられるチャンス。
安い家賃、立地、広さが最大の特徴ですが、物件の状態や契約内容は十分に確認が必要。
空き家の利用は地域活性化にもつながる、社会的意義のある取り組み。
物件探しだけでなく、地域とのつながりを大切にする姿勢も欠かせません。
空き家の可能性を活かし、理想の暮らしを実現させましょう。
移住を検討しているなら、まずは気になる自治体の空き家バンクをチェックしましょう。
あなたの理想の新生活、そのスタートラインにきっと立てるはずです。