マインドフルネス瞑想には大きく分けて、サマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想の2つがあります。
この記事では、サマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想のそれぞれの特徴や効果、どちらの瞑想に向いているかの適性などをわかりやすく簡単に解説。
2つの瞑想法の違いを理解し、自分に合ったものを選べるようになりましょう。
最後まで読めば、サマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想の使い分け方が分かるはず。
「瞑想の効果が感じられない」とならないよう、この機会に理解を深めましょう。
自分は何にストレスを感じているのか?
マインドフルネスを取り入れてどうなりたいのか?
イメージしながら読んでみてください。
自分に合った瞑想法を見つけて、マインドフルネス瞑想の効果を最大限に引き出していきましょう。
1. サマタ瞑想とは?集中力を高め心を落ち着かせる瞑想法
サマタ瞑想とは、集中力を高め心を落ち着かせることを目的とした瞑想法。
呼吸や特定の対象に意識を集中させ、雑念を取り除いていきます。
サマタとはパーリ語で「静寂、平静」を意味し、瞑想によってその状態を目指します。
仏教における瞑想法の1つで、ヴィパッサナー瞑想と並んでマインドフルネス瞑想の大きな柱となっています。
1-1. サマタ瞑想のやり方 – 呼吸や特定の対象に意識を集中
サマタ瞑想の基本的なやり方は、呼吸や特定の対象に意識を集中させること。
具体的には、鼻を通る空気の感覚や、お腹の上下する感覚などに意識を向けます。
呼吸以外にも、ろうそくの炎や仏像など、視覚的な対象に集中する方法もあります。
雑念が浮かんできたら、それにとらわれず、再び呼吸に意識を戻していきます。
1-2. サマタ瞑想の効果 – ストレス軽減、集中力向上、感情コントロール
サマタ瞑想を続けることで、ストレスや不安が軽減され、心が落ち着いてきます。
脳の前頭前野の活性化により、集中力や注意力が高まるのも大きな効果。
さらに、感情コントロール能力の向上、自律神経のバランス改善なども期待できます。
心身の健康維持だけでなく、仕事や勉強のパフォーマンスアップにもつながるでしょう。
1-3. サマタ瞑想が向いている人の特徴 – ストレスフルな人、集中力を高めたい人
ストレスを感じやすく、心の落ち着きを取り戻したい人にはサマタ瞑想がオススメ。
また、受験生などの集中力を高めたい人にも効果的。
感情の浮き沈みが激しく、コントロールが難しいと感じる人にも良いでしょう。
瞑想の入門として始めるにも適しており、誰でも手軽に実践できる瞑想法ですよ。
2. ヴィパッサナー瞑想とは?気づきを通して洞察を深める瞑想法
ヴィパッサナー瞑想とは、物事の本質を観察し、気づきを通して洞察を深めていく瞑想法。
ヴィパッサナーとはパーリ語で「洞察」を意味し、あるがままの現実を見つめることを重視します。
サマタ瞑想が集中を深めるのに対し、ヴィパッサナー瞑想では気づきを深めることに主眼が置かれます。
仏教の教えにおける智慧や悟りにつながる瞑想法とされ、サマタ瞑想と並ぶ重要な位置づけ。
2-1. ヴィパッサナー瞑想のやり方 – 身体感覚や思考、感情を観察
ヴィパッサナー瞑想では、今この瞬間の身体の感覚、浮かんでくる思考や感情を、あるがままに観察していきます。
呼吸に意識を向けつつ、思考や感情が生じたらそれにも気づき、内容ではなく、それが生じては消えていく現象そのものに意識を向けます。
評価や判断を加えずに観察を続けることで、とらわれから解放され、物事の本質が見えてきます。
このように気づきを深めていくプロセスが、ヴィパッサナー瞑想の核となる部分。
2-2. ヴィパッサナー瞑想の効果 – 気づきの力、とらわれからの解放、本質の理解
ヴィパッサナー瞑想の最大の効果は、気づきの力を高められること。
自分の思考パターンや癖に気づき、とらわれから解放されていきます。
物事の本質を深く理解できるようになり、智慧が養われていくのも大きなメリットだと言えます。
人生や世界の見方が変わり、柔軟性や受容力、共感力なども高まっていくでしょう。
2-3. ヴィパッサナー瞑想が向いている人の特徴 – 気づきを深めたい人、とらわれを手放したい人
自分自身や世界についての気づきを深めたい人は、ヴィパッサナー瞑想がオススメ。
思考や感情のクセ、とらわれを手放して、自由になりたい人にもぴったり。
人生の意味を問い直したり、生き方を見つめ直したいときにも効果を発揮するでしょう。
ただし、ある程度の集中力が必要なので、ますはサマタ瞑想から始める方がいいかも。
3. サマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想の決定的な違いは何?
サマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想、一見似ているようで、アプローチの仕方には大きな違いがあります。
サマタ瞑想が集中を深めるのに対し、ヴィパッサナー瞑想は気づきを深めることに主眼を置きます。
つまり、意識の向け方が全く異なるのです。
この違いを理解することが、2つの瞑想法を使い分ける上で重要なポイントになります。
3-1. サマタ瞑想は集中、ヴィパッサナー瞑想は気づき
サマタ瞑想は、呼吸など特定の対象に意識を集中させ、雑念を取り除いて心を静めていきます。
一方でヴィパッサナー瞑想は、今この瞬間の身体感覚や思考、感情に気づき、それらをありのままに観察します。
集中と気づきという、意識の向け方の違いが、2つの瞑想法の決定的な違いだと言えるでしょう。
この違いを踏まえた上で、自分に合った瞑想法を選ぶことが大切。
3-2. 目的も異なる – ストレス軽減と集中力向上 vs 気づきと洞察の深化
サマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想では、目的とする効果も異なります。
サマタ瞑想は、ストレス軽減や集中力向上など、心の健康と高いパフォーマンスの発揮を主な狙いとしています。
一方でヴィパッサナー瞑想は、自己や世界への気づきを深め、とらわれから解放され、智慧や悟りを目指します。
日常生活の質を高めるか、人生や世界の本質的理解を目指すかという、大きな違いがあるのです。
3-3. 段階的な関係 – サマタ瞑想が土台、ヴィパッサナー瞑想はさらなる深化
サマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想は、全く別物というわけではありません。
サマタ瞑想で培った集中力が、ヴィパッサナー瞑想の気づきを深める土台になります。
また、ヴィパッサナー瞑想によって得られた気づきが、サマタ瞑想の集中をさらに深いものにしていきます。
このように、2つの瞑想法は相互に影響し合い、段階的に深化させていくことができるのです。
4. 初心者にはサマタ瞑想から始めるのがオススメ
マインドフルネス瞑想を始めたばかりの初心者には、サマタ瞑想から取り組むのがオススメ。
呼吸に意識を向けるシンプルな方法なので、誰でも無理なく実践できるからです。
サマタ瞑想を通して、集中力を高め、心を落ち着かせることが、ヴィパッサナー瞑想の土台作りにもつながります。
焦らずじっくりと、着実に進めていくのがマインドフルネス瞑想の上達の秘訣ですよ。
4-1. サマタ瞑想は誰でもすぐに始められる
サマタ瞑想の最大の利点は、シンプルで誰でもすぐに始められること。
呼吸に意識を向けるだけなので、特別な知識や技術は必要ありません。
座った姿勢でも、椅子に座っても、寝転んだ状態でも実践可能。
場所も選ばず、自宅でも職場でも、通勤途中でも、いつでもどこでもできるのが大きな魅力。
4-2. サマタ瞑想で心の安定と集中力の基礎を作る
サマタ瞑想を通して、心の安定と集中力の基礎を作ることができます。
呼吸に意識を集中させる訓練は、思考に翻弄されがちな心を、今この瞬間に向き合わせてくれます。
サマタ瞑想で培った集中力と心の安定は、ヴィパッサナー瞑想の気づきを深める素地にもなるでしょう。
まずはサマタ瞑想でしっかりと土台を作ることが、マインドフルネス瞑想上達への近道。
4-3. ある程度慣れたらヴィパッサナー瞑想にステップアップ
サマタ瞑想である程度集中力がついてきたら、ヴィパッサナー瞑想にもチャレンジしてみましょう。
呼吸に意識を向けつつ、浮かんでくる思考や感覚にも気づきを向けていきます。
評価や判断を加えずに観察を続ける習慣を身につけることで、次第に洞察が深まっていくはず。
サマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想、両方の特徴を理解し、バランス良く実践することが理想的だと言えるでしょう。
5. 集中したいときはサマタ瞑想、気づきを深めたいときはヴィパッサナー瞑想
サマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想、状況に応じて使い分けることがポイント。
集中力を高めたいとき、ストレスを感じているとき、心を落ち着けたいときは、サマタ瞑想を選びましょう。
一方、自分自身や世界との関わり方について見つめ直したいとき、とらわれから自由になりたいときは、ヴィパッサナー瞑想がオススメ。
その日の心身の状態や、目的に合わせて、2つの瞑想法を使い分けていくのが理想的だと言えます。
5-1. ストレス対策や集中力アップにはサマタ瞑想が効果的
ストレス対策や集中力アップを目的とするなら、サマタ瞑想に取り組むのが効果的。
呼吸に意識を集中させることで、雑念が消え、心が落ち着いてくるでしょう。
集中力が高まれば、仕事や勉強のパフォーマンスも上がります。
ストレスフルな現代社会を生きるために、サマタ瞑想は強力なツールになってくれるはず。
5-2. 人生の意味を問い直したいときはヴィパッサナー瞑想を
人生の意味を問い直したいとき、自分らしい生き方を模索したいときは、ヴィパッサナー瞑想がオススメ。
思考や感情のクセ、とらわれに気づくことで、自分自身を深く見つめ直すことができるでしょう。
人生や世界の見方が変わり、新しい気づきや発見、智慧が得られるかもしれません。
人生の岐路に立ったとき、ヴィパッサナー瞑想は心強い道しるべになってくれるはず。
5-3. 両方をバランス良く取り入れるのが理想的
サマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想、どちらか一方だけを実践するのではなく、両方をバランス良く取り入れるのが理想的。
サマタ瞑想で培った集中力と心の安定が、ヴィパッサナー瞑想の気づきを深めることにつながります。
一方、ヴィパッサナー瞑想で得られた洞察が、サマタ瞑想の集中力をさらに高めてくれるでしょう。
2つの瞑想法を相互に関連づけながら実践することで、マインドフルネス瞑想の効果を最大限に引き出せるのです。
6. サマタ瞑想の具体的なやり方 – 呼吸に集中するシンプルな実践法
ここからは、サマタ瞑想の具体的なやり方を解説します。
基本は、呼吸に意識を集中させるシンプルな方法。
難しく考える必要はありません。
今日からすぐに実践して、サマタ瞑想の効果を実感してみてください。
6-1. 姿勢は座っても寝転んでもOK
サマタ瞑想は、姿勢に厳しいルールはありません。
座禅のように正座する必要もなく、椅子に座ってもベッドに寝転んでも構いません。
ただし、眠気を避けるためにも、なるべく背筋を伸ばした姿勢がオススメ。
身体が安定し、リラックスできる姿勢を探してみてください。
6-2. 呼吸に意識を集中
サマタ瞑想の中核は、呼吸に意識を集中させること。
鼻を通る空気の感覚や、お腹の上下する感覚に注意を向けます。
吸うときも吐くときも、ゆっくりと長めの呼吸を心がけましょう。
呼吸に合わせて、静かに数を数えるのもオススメ。
吸う息を1、吐く息を2と数え、10になったら1に戻ります。
6-3. 雑念が浮かんだらまた呼吸に意識を戻す
サマタ瞑想中は、雑念が浮かんでくるのが普通。
そのたびにイライラしたり、自己嫌悪に陥ったりする必要はありません。
雑念が浮かんでも「あっ雑念が浮かんだな」と認識するだけで、良い悪いと判断せず、呼吸に意識を戻していきます。
練習を重ねるごとに、集中力が高まり、雑念に振り回されなくなっていきますよ。
7. ヴィパッサナー瞑想の具体的なやり方 – 今ここの気づきを深める実践法
次は、ヴィパッサナー瞑想の具体的なやり方を見ていきましょう。
ヴィパッサナー瞑想の目的は、今ここの気づきを深めること。
呼吸を感じつつ、浮かんでくる思考や感情にも意識を向けていきます。
評価や判断をせずに観察を続ける習慣が身につけば、ヴィパッサナー瞑想の効果を実感できるはず。
7-1. まずは呼吸に意識を向ける
ヴィパッサナー瞑想でも、まずは呼吸に意識を向けることから始めます。
鼻を通る空気の感覚や、お腹の上下する感覚を感じましょう。
サマタ瞑想のように集中するのではなく、ただ呼吸を感じることに意識を向けます。
これが、ヴィパッサナー瞑想の土台となる「気づき」の第一歩。
7-2. 浮かんでくる思考や感覚にも意識を向ける
ヴィパッサナー瞑想では、呼吸だけでなく、浮かんでくる思考や感覚にも意識を向けていきます。
雑念が浮かんできたら、その内容ではなく、雑念が浮かぶという現象そのものに気づきを向けるのです。
身体の感覚、例えばかゆみや痛みなども、あるがままに観察していきましょう。
思考や感情も、そのまま受け止め、じっくりと見つめていきます。
7-3. 評価や判断をせず、ただ観察を続ける
ヴィパッサナー瞑想のポイントは、評価や判断をせずに観察を続けること。
浮かんだ思考を「良い」「悪い」と判断したり、感情に「喜び」「怒り」とラベルを貼ったりしないこと。
ありのままを見つめ、起こっては消えていく現象として捉えていきます。
練習を重ねるほどに、とらわれのない自由な気づきが深まっていくはず。
まとめ
いかがでしたか?
サマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想の違いと、それぞれのやり方について解説してきました。
サマタ瞑想は集中力を高め、ヴィパッサナー瞑想は気づきを深めるのが目的。
初心者はサマタ瞑想から始めるのがオススメですが、慣れてきたら両方を組み合わせるのが理想的でしょう。
状況や目的に応じて、2つの瞑想法を使い分けることが大切。
マインドフルネス瞑想は、ストレス社会を生きるための心強い味方になってくれるはず。
あなたもサマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想を実践して、2つの瞑想法の効果を実感してみてください。
今夜はどちらの瞑想にしますか?