都会のセミと田舎のセミは違う?鳴き声を聞き分けるのは日本人だけ?

都会のセミと田舎のセミは違う?鳴き声を聞き分けるのは日本人だけ?

都会のセミと田舎のセミって、同じ種類なのに鳴き声が違うって知ってましたか?

実は、セミの種類や鳴き声には地域差があるんです。

この記事では、セミの生態や種類、地域ごとの鳴き声の違いなどを詳しく解説。

セミの魅力に迫りながら、都会と田舎のセミの違いを探っていきましょう。

きっと、セミの見方が変わるはずです。

ぜひ最後までお付き合いください。

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1. そもそもセミってどんな生き物?セミの生態を知ろう

セミは昆虫の一種で、体長は3〜6cmほど。

夏の風物詩として知られ、鳴き声が夏の到来を告げます。

セミは地中で幼虫期を過ごし、地上で鳴くのはオスだけで、メスは鳴かないのです。

羽化後、短い期間で交尾・産卵し、一生を終えます。

セミはいったいどんな生き物なのでしょうか。

1-1. セミの一生は意外と長い?成長のサイクルに迫る

セミの一生は、幼虫で過ごす期間が長いのが特徴。

卵から孵化した幼虫は、地中で数年から十数年を過ごします。

アブラゼミなら7〜8年、ミンミンゼミなら4〜5年が一般的。

その間、地中の植物の根から養分を吸収して成長します。

長い年月をかけて十分成長した幼虫は、夏に地上へと這い出してきます。

1-2. 地上に出たセミはなぜ鳴く?求愛行動のメカニズムとは

地上に出たセミがあれほど一生懸命に鳴くのは、メスを呼び寄せるため。

オスは求愛のために精一杯の鳴き声を響かせます。

セミの発音器官は、お腹側にある「腹弁」というパーツ。

一方、鳴かないメスにはこの発音器官がありません。

1-3. 短い成虫期間で命をつなぐ、セミの繁殖サイクル

オスの鳴き声に誘われたメスは、交尾・産卵を行います。

木の枝などに産み付けられた卵は、やがて幼虫となって地中へ落ちていきます。

セミの成虫期間は1〜2週間程度。

この短い期間で次世代を残すことが、セミに課せられた使命なのです。

一生の大半を地中で過ごし、わずかな時間で生命のバトンをつなぐセミ。

この章の要点
  • セミは昆虫の一種で、体長は3〜6cm程度
  • 幼虫期に数年間を地中で過ごす
  • オスは求愛のために一生懸命鳴き、短い成虫期間で次世代を残す

2. 日本に生息しているセミの種類は?代表的な3種を解説

日本にはおよそ30種類のセミが生息しています。

その中でも、夏の風物詩として馴染み深いのがアブラゼミとニイニイゼミ、ミンミンゼミの3種。

都会で耳にするのはアブラゼミ、田舎ではニイニイゼミやミンミンゼミが多いとされます。

それぞれの特徴や鳴き声の違いを見ていきましょう。

あなたの地域にはどんなセミがいますか?

2-1. 都会の代表格、アブラゼミの生態と鳴き声

アブラゼミは体長4〜5cmで、黒っぽい色をしています。

「ジー、ジー」と力強く響く鳴き声が特徴的。

公園などの木々で大合唱する姿は、夏の風物詩そのもの。

街路樹などを好むため、都会で最もメジャーな種類と言えるでしょう。

幼虫期間は7〜8年と、比較的長めです。

2-2. 澄んだ声が心地よい、ニイニイゼミってどんなセミ?

ニイニイゼミはアブラゼミよりひとまわり小さく、体長は3〜4cm程度。

「ニーニーニー」というきれいな声で鳴くのが特徴です。

山間部の木々で鳴く姿が多く見られ、鳴き声は夕方にピークを迎えます。

幼虫期間は4〜5年。

アブラゼミと比べると、鳴き声は控えめな印象です。

2-3. 「夏の終わりの音」ミンミンゼミの鳴き声が聞こえたら

ミンミンゼミは、アブラゼミやニイニイゼミよりも遅い7月下旬頃に鳴き始めます。

「ミーンミーン」という特徴的な声は、夏の終わりを告げる音として知られています。

ミンミンゼミは比較的涼しい場所を好むため、山あいや森林で多く見られます。

体長は5cm前後。

幼虫期間は4〜5年と、アブラゼミよりやや短めです。

この章の要点
  • 日本では30種類ほどのセミが生息。アブラゼミ、ニイニイゼミ、ミンミンゼミが代表的
  • アブラゼミは都会で、ニイニイゼミとミンミンゼミは山間部で多く見られる
  • セミの種類によって鳴き声や鳴く時期、幼虫期間などが異なる

3. 都会のアブラゼミと田舎のニイニイゼミ、鳴き声に違いが!

都会で夏を代表するアブラゼミ、山あいで澄んだ声を響かせるニイニイゼミ。

どちらも夏の風物詩として親しまれていますが、鳴き声には大きな違いがあるようです。

アブラゼミの「ジージー」という力強い声と、ニイニイゼミの「ニーニー」というきれいな声。

それぞれの特徴と、鳴き声が違う理由について解説します。

セミの鳴き声から、自然環境の違いを感じてみてください。

3-1. アブラゼミの鳴き声は「ジージー」都会の喧騒に負けない?

アブラゼミの鳴き声は「ジージー」と表現され、かなりの大音量。

人通りの多い街中でも、遠くまで届く勢いです。

昼間の最も暑い時間帯に盛んに鳴くので、うるさく感じる人も多いかもしれません。

しかし、これはアブラゼミが都会の喧騒に負けないよう、進化の過程で身につけた能力なのです。

大音量の鳴き声で仲間とコミュニケーションを取り、種の存続を図っているのでしょう。

3-2. 一方、ニイニイゼミは「ニーニー」と澄んだ声で鳴く

ニイニイゼミの鳴き声は「ニーニー」と表現され、アブラゼミに比べるとかなり澄んだ印象。

人里離れた山間部で鳴くことが多いため、周囲の騒音に影響されにくいのでしょう。

午後から夕方にかけて鳴き始め、日が沈むにつれ次第に鳴き声は収まっていきます。

3-3. 鳴き声の違いは棲息環境の違い?セミの生態に迫る

アブラゼミとニイニイゼミ、鳴き声の違いは棲息環境の違いが大きく影響しているようです。

都会の喧騒に負けないよう大音量で鳴くアブラゼミと、山間部の静けさの中で澄んだ声を響かせるニイニイゼミ。

それぞれが暮らす環境にあった鳴き方を進化させてきたのでしょう。

また、アブラゼミは日中に、ニイニイゼミは夕方に鳴くなど、鳴く時間帯にも違いがあります。

鳴き声の特性は、セミの生態と密接に関わっているのです。

この章の要点
  • アブラゼミは「ジージー」と力強く鳴き、都会の喧騒に負けないよう進化した
  • ニイニイゼミの鳴き声は「ニーニー」と澄んでいて、山間部の静けさが影響
  • 鳴き声や鳴く時間の違いには、棲息環境の違いが大きく関わっている

4. エスニックなセミの鳴き声?地方や在来種の個性派ぞろい

都会のアブラゼミ、田舎のニイニイゼミ以外にも、地方や在来種に見られる珍しいセミがいます。

それぞれに個性的な鳴き声を持ち、土地の魅力を体現しているようです。

メジャーな種に隠れてあまり知られていませんが、レア度の高い魅力を秘めた存在。

地方のエスニックなセミたちの生態と鳴き声を覗いてみましょう。

あなたの住む地域にも、まだ出会ったことのないセミがいるかもしれません。

4-1. ツクツクボウシの鳴き声には方言がある?地域ごとの特徴

「ツクツクボウシ」という名の通り、「ツクツク」「ボーシ」と鳴くのがツクツクボウシ。

しかし、鳴き声のリズムは地域によって大きく異なることが分かっています。

北海道産のツクツクボウシは「ツッツクツクツクボーシ」、本州産は「ツクツク ボーシ」とスペースが入る感じ。

九州南部では「ツクツクツクツクボーシ」、沖縄産はなんと「クツクツクツクツクツボシ」だそうです。

リズムの違いが顕著なツクツクボウシは、鳴き声から産地が特定できるかもしれません。

4-2. クマゼミの鳴き声が「ケラケラケラ」って本当?

体長が7〜8cmにもなる日本最大のセミ、クマゼミ。

「ケラケラケラ」と笑い声のような鳴き方をすることで知られていますが、地域によって声色は少し違うようです。

関東のクマゼミは「ケラケラケラ」だと言われますが、関西では「カラカラカラ」に近い鳴き方も。

鳴き声の大きさも、東北産はやや控えめ、九州産は大音量と評判です。

同じクマゼミでも、地域の気候が反映されているのかもしれません。

4-3. 在来種セミの希少な鳴き声を聞いてみよう

日本各地には、アブラゼミやニイニイゼミ以外にも多様なセミが生息しています。

ハルゼミ、エゾゼミ、ヒグラシなど、土地ならではの在来種が数多く確認されているのです。

中には、鳴き声を聞く機会のほとんどない希少種も。

たとえば、小笠原諸島に生息するオガサワラゼミの鳴き声は、現地の人でも聞いたことがないという人が多いとか。

地域に根ざした在来種セミの声に耳を澄ませば、その土地ならではの自然を感じられるはずです。

この章の要点
  • ツクツクボウシの鳴き声のリズムは、北海道、本州、九州、沖縄で大きく異なる
  • クマゼミの声色や音量にも地域差があり、東北、関東、関西、九州で特徴が違う
  • 各地の在来種セミは希少な存在。土地の自然を感じる鳴き声を聞いてみよう

5. 実はセミの鳴き声を聞き分けられるのは日本人だけ?

セミの種類によって鳴き声が違うことを、あなたはすぐに理解できましたよね?

アブラゼミの「ジージー」、ニイニイゼミの「ニーニー」など、セミの声を言葉で表現するのは日本の文化。

しかし、セミの鳴き声をここまで細かく認識している国は珍しいのだそうです。

日本人とセミの関係の深さ、そしてセミを題材にした表現の豊かさ。

改めて、日本の文化とセミの結びつきの強さを感じさせます。

5-1. 日本人はセミの鳴き声をどう表現してきた?オノマトペに注目

日本人は昔からセミの鳴き声をオノマトペ(擬音語・擬態語)で表現してきました。

「ジージー」「ミーンミーン」など、セミの声を言葉で写し取る文化が根付いているのです。

子供の頃から自然とセミの声を聞き分ける機会が多いことが、表現の豊かさにつながっているのでしょう。

また、日本語のオノマトペは音を表すだけでなく、情景やイメージまで伝える力を持っています。

「ジージー」は夏の暑さを、「ミーンミーン」は夏の終わりを連想させるなど、セミの声が季節の移ろいと結びついているのも日本ならでは。

5-2. セミと日本人の深い関わりを見つめ直そう

日本人がセミの鳴き声をこれほどまでに細やかに表現できるのは、セミとの深い関わりがあってこそ。

古くから文学や歌、絵画などにもセミは登場し、日本人の感性に大きな影響を与えてきました。

セミを見る目、セミの声を聞く耳は、日本の文化そのものと言えるのかもしれません。

「ジージー」「ミーンミーン」の声が、日本の夏を彩ってくれているのです。

セミと日本人のこの関係性を、ぜひ大切にしていきたいですね。

この章の要点
  • 日本人はセミの鳴き声をオノマトペで表現。種類による声の違いを言葉で伝える文化がある
  • 日本人とセミの深い関わりが、豊かな表現を生んでいる。セミは日本の感性や文化に影響

6. 世界にはどんなセミがいる?鳴き声やサイズなど種類の豊富さに驚愕

実は世界には1600種以上のセミが存在すると言われています。

日本のアブラゼミやニイニイゼミから、南米やニュージーランドの珍しい種など実に多種多様。

鳴き声だけでなく、体の大きさや模様、生態なども千差万別です。

世界各地の個性豊かなセミたちの姿を覗いてみると、驚きの連続。

セミの多様性と進化のダイナミズムを感じずにはいられないはずです。

6-1. まるで蝶々?体の模様が美しい世界のセミたち

中南米に生息するセミの中には、鮮やかな模様の羽を持つ種が数多くいます。

赤や黄、青など原色を組み合わせたようなカラフルな羽は、まるで蝶を思わせる美しさ。

木の幹にとまっているところは、森の中の宝石のよう。

東南アジアのセミにも、透明な羽に緑や茶色の模様が入る種がいるそうです。

自然の中に溶け込むためのカモフラージュなのか、はたまた天敵へのアピールなのか。

セミの装いから、生存戦略の妙を感じずにはいられません。

6-2. 体長12cmを超える!?世界最大のセミの生態とは

世界最大のセミと言えば、マレーシアに生息するテイオウゼミ。

なんと体長12cm以上、羽を広げた幅は20cmにもなる巨体の持ち主です。

このセミはウシガエルのような鳴き声をしているのだとか。

6-3. セミの進化と多様性から考える、生物の神秘とは

世界のセミを見渡すと、「同じセミとは思えない」ような種ばかり。

それだけ古くから地球上に存在し、それぞれの環境に適応してきたのでしょう。

様々な姿かたちに進化を遂げながら、ひとつの種として生き延びてきた生命力の強さを感じずにはいられません。

日本の夏の風物詩である一方、世界では驚くほど多彩な姿を見せるセミ。

鳴き声やサイズ、模様の違いは、生物の神秘そのもの。

2000種を超えるバリエーションを生み出してきたセミという生き物の奥深さに、改めて感服させられます。

セミの多様性は、地球の生命のドラマを物語っているのかもしれません。

この章の要点
  • 世界には1600種以上のセミが存在。美しい模様の種も多数
  • 世界最大のセミはマレーシアのテイオウゼミ
  • セミの多様性は生物の進化の神秘を物語る。環境適応の結果と考えられる

まとめ

日本の夏の風物詩であるセミは、都会と田舎で種類と鳴き声が違うなど、意外と知られていない事実が多いことが分かりました。

アブラゼミ、ニイニイゼミ、ミンミンゼミなど代表的な種の特徴や、地域による鳴き声の違いを知ることで、身近なセミの魅力を再発見できたのではないでしょうか。

また、日本人とセミの深い関わりや、世界に存在する多様なセミを通して、自然界の神秘に触れる機会にもなりましたね。

この夏、セミの声を聞く際には、ぜひ種類や地域性に思いを馳せてみてください。

きっと、いつもと違う景色が見えてくるはずです。

私たち人間も、セミとともに生きる自然の一部なのだと実感できるでしょう。