マインドフルネス瞑想は心を落ち着かせ、ストレスを和らげる効果的な方法。
しかし、瞑想中は「モンキーマインド」という落とし穴に陥りやすいのです。
この記事ではモンキーマインドとは何か、さらにその対処法をわかりやすく簡単に解説。
「マインドフルネスの効果が感じられない」とならないよう、この機会に理解を深めましょう。
自分は何にストレスを感じているのか?
マインドフルネスを取り入れてどうなりたいのか?
イメージしながら読んでみてください。
1. モンキーマインドとは?
モンキーマインドとは、瞑想中に頭の中で次々と湧き上がってくる雑念のこと。
まるで木の枝を次から次へと飛び移るサルのように、頭の中を駆け巡る思考のことをモンキーマインドと呼びます。
瞑想中は心を無にして静かに座っているのが理想ですが、モンキーマインドのせいでそれが難しくなってしまうのです。
1-1. モンキーマインドの言葉の由来
モンキーマインドという言葉は、仏教の世界で使われてきた「心猿」という言葉が由来となった表現。
雑念に心を奪われて集中できない様子を、木から木へと飛び回るサルに例えたのがこの言葉の意味。
現代では、瞑想を始めたばかりの人が陥りやすい状態として、モンキーマインドという言葉がよく使われるようになりました。
1-2. モンキーマインドの意味と弊害
モンキーマインドは、雑念や妄想、物事への執着など、瞑想の妨げになる心の状態全般を指します。
モンキーマインドに陥ると、呼吸に意識を集中させることができず、リラックスして瞑想に没頭することが難しくなります。
せっかく瞑想の時間を取っているのに、モンキーマインドのせいで本来の目的を達成できないのはもったいないですよね。
1-3. モンキーマインドの具体例
モンキーマインドの具体例としては、雑念、心配事、空想、物事への執着などがあります。
「朝ごはんに何を食べようかな」 「昨日の上司への言い方は良くなかったかも…」 「次の休みには旅行に行きたいな」 「瞑想なんかより他にやるべきことがあるんじゃ…?」 などと考えが脱線してしまうのは、モンキーマインドの典型例。
誰しも心の中に小さな「サル」を飼っているので、モンキーマインドを完全に消し去ることはできません。
モンキーマインドは、私たちが瞑想を学ぶ過程で自然と現れるものなのです。
2. なぜモンキーマインドに陥るのか
モンキーマインドが生じるのには理由があります。
日常生活では、常に何かを考えたり悩んだりしているので、心を無にしてリラックスするのは簡単ではありません。
思考に頼る生活をしていると、つい瞑想中も色んなことを考えてしまいがち。
また、ストレスを抱えていたり心に余裕がない時ほど、モンキーマインドに陥りやすくなります。
2-1. 思考に支配された日常
私たちは日常生活の中で、常に頭を働かせています。
仕事、人間関係、生活のことなど、考えないといけないことは尽きません。
特に現代社会は情報が氾濫していて、様々なことが頭に入ってきます。
常に思考モードでいることに慣れてしまった脳は、瞑想中も同じように色んなことを考えようとするのです。
頭の中を整理するのは、なかなか難しいものですね。
2-2. 未処理のストレス
また、ストレスを抱えている時は特にモンキーマインドが暴れやすくなります。
仕事のプレッシャー、人間関係の悩み、将来への不安など、処理しきれていないストレスが心の中に溜まっていると、瞑想中に一気に噴出してきます。
心に平穏さがない状態で瞑想に臨んでも、雑念が次々と浮かんできてしまうでしょう。
2-3. 瞑想への不慣れ
瞑想を始めたばかりの頃は、心を無にするのに慣れていないので、モンキーマインドに振り回されやすくなります。
瞑想に集中するには、ある程度の訓練と慣れが必要。
最初のうちは雑念が多くて上手くいかなくても、焦らずに続けることが大切。
徐々に瞑想の感覚をつかみ、モンキーマインドをコントロールできるようになっていくでしょう。
3. モンキーマインドに陥らないための対策
モンキーマインドを完全に無くすのは難しいですが、影響を小さくする工夫はできます。
日常的にストレス対策を行い、心にゆとりを持つこと。
瞑想の前には軽く体を動かしてウォーミングアップすること。
瞑想中は雑念にとらわれ過ぎないこと。
こうした心がけを続けることで、だんだんとモンキーマインドに悩まされなくなるでしょう。
3-1. 日頃からストレス対策を
瞑想に限らず、日頃からストレス対策を心がけることが大切。
ストレスが溜まった状態で瞑想しても、モンキーマインドがさらに活発になってしまいます。
適度な運動、趣味の時間、リラックスできる音楽などで、こまめにストレス発散するようにしましょう。
心に余裕があれば、瞑想中も雑念に惑わされにくくなります。
3-2. 瞑想前に軽く体を動かす
瞑想の前に、軽いストレッチやヨガのポーズを取り入れるのもオススメ。
カラダをほぐして筋肉の緊張をほどくことで、リラックスした状態で瞑想に入ることができます。
呼吸に意識を向けるようなヨガのポーズは、瞑想へのウォーミングアップにぴったり。
心身をリラックスさせてから瞑想を始められれば、モンキーマインドに陥りにくくなるでしょう。
3-3. 瞑想中は雑念を受け流す
そして肝心の瞑想中は、浮かんでくる雑念を上手に受け流すことを心がけましょう。
「こんなこと考えちゃダメだ」と思考を押さえ込もうとすると、かえって雑念が増えてしまいます。
モンキーマインドに気づいたら、 「ただの通り過ぎる雲のようだな」 「この雑念には特に意味がないな」 と、あまり深く考えないようにします。
雑念をそっと脇に置いて、再び呼吸に意識を戻します。
モンキーマインドを否定せず、でもそれに引っ張られ過ぎない。
そんな瞑想の心構えを大切にしてみてください。
4. モンキーマインドに陥った時の対処法
モンキーマインド対策をしていても、雑念が頭をもたげることがあるでしょう。
そんな時は、自分を責めたりせずに、柔軟に対応することが大切。
呼吸に意識を戻す、数を数える、身体の感覚に注意を向けるなどして、雑念から一定の距離を取ってみましょう。
焦らずにゆっくりと、マインドフルな状態に戻っていくことがポイント。
4-1. 呼吸に意識を戻す
まずは呼吸に意識を向けることから始めましょう。
「今、息を吸っている」「今、息を吐いている」と、ただ呼吸だけに集中します。
考え事が浮かんできたら、またそっと呼吸に意識を戻します。
何度でも、雑念を判断せずに呼吸に立ち返るのです。
シンプルですが、これが一番基本的なモンキーマインドの対処法。
4-2. 数を数える
呼吸に集中するのが難しい時は、数を数えるのも効果的。
吸う息と吐く息を1つのセットとし、1からスタートして10まで数えます。
10まで数えたら、また1に戻ります。数えることに意識を向けていると、自然と雑念から離れることができるでしょう。
4-3. 身体の感覚に意識を向ける
頭の中が落ち着かない時は、身体の感覚に意識を移してみるのも良い方法。
足の裏の感覚、お尻が床についている感じ、背中の伸びなど、身体の一部分に注意を集中してみましょう。
身体感覚に意識が向いている間は、雑念が浮かびにくくなります。
「今この瞬間」の身体の在り方に、ゆっくりと意識を向けていきます。
5. モンキーマインドは長期的に付き合うもの
モンキーマインドは、マインドフルネス瞑想を継続すれば自然に減っていくが、完全に無くなることはありません。
瞑想を重ねるほどモンキーマインドへの振り回され方は小さくなりますが、それでも時々襲ってきます。
大切なのは、モンキーマインドを敵ではなく友人のように捉えること。
マインドフルネスの道のりを共に歩む、旅の仲間だと思うのです。
5-1. 自分を責めない
モンキーマインドに悩まされていると、つい「自分はダメなんだ」と思い込んでしまうかも。
しかし、どんなベテランの瞑想者でも多かれ少なかれモンキーマインドを経験するもの。
自分を責めたり、完璧を目指したりしないことが大切。
マインドフルであることは、自分の心の状態を見つめ、受け入れることでもあるのです。
5-2. 雑念は悪者ではない
頭に浮かぶ雑念は、実は自分の心が発しているメッセージかも。
モンキーマインドをただ鬱陶しい存在と決めつけるのではなく、そこに込められた意味にも目を向けてみましょう。
自分が本当は何を思っているのか、どんなことに悩んでいるのか。
雑念の内容から、自分自身についての理解を深められることもあります。
モンキーマインドも、自分の内面を映す鏡なのです。
5-3. 瞑想の目的を見失わない
モンキーマインドに向き合う中で一番大切なのは、瞑想の目的を見失わないこと。
私たちがマインドフルネス瞑想を行うのは、雑念を完全に無くすためではありません。
今この瞬間に意識を集中し、自分の内面と向き合うためです。
モンキーマインドをコントロールすることよりも、そこから学びを得ることの方が重要。
「モンキーマインドに邪魔されない」ではなく「モンキーマインドと上手に付き合っていく」、 そんな柔軟な心持ちで瞑想を続けていきたいものですね。
6. 新しい視点を得るチャンス
モンキーマインドに振り回されそうになったら、新しい気づきを得るチャンスだと思いましょう。
雑念の中身を見つめることで、自分では意識していなかった感情や思考パターンに気づくこともあります。
つい考え込んでしまう習慣があるなど、自分の癖を知るきっかけにもなるでしょう。
モンキーマインドをきっかけに、自分自身の新たな一面を発見できるかも。
6-1. 自分の無意識に気づく
瞑想中に浮かんでくる雑念は、普段は意識していない自分の心の動きを反映しているのかも。
「こんなことをいつも考えているのか」 「こういうことにとらわれやすいんだな」 と、自分の無意識の癖に気づく機会になります。
普段見過ごしている感情や欲求に目を向けることは、自己理解を深めることにつながるでしょう。
6-2. 思考のクセを知る
モンキーマインドを通して、自分の思考パターンのクセに気づくこともできます。
同じようなことを何度も考えている、人と比べて劣等感を抱いている、といった思考の傾向が見えてくるかも。
そうしたクセは意識しないとなかなか気づきにくいもの。
モンキーマインドが、自分の思考の癖を知るきっかけをくれているのです。
6-3. 「気づき」を成長の種にする
モンキーマインドから得られた気づきを、自分の成長の糧にしてください。
自分の傾向を知ることで、少しずつ思考や行動を改善していけるはず。
大切なのは、自分を責めたりジャッジしたりしないこと。
穏やかに自分を見つめ、受け入れる。
それがモンキーマインドから学べる、マインドフルネスな生き方かもしれません。
まとめ
マインドフルネス瞑想でつきものの「モンキーマインド」について理解を深めていきました。
モンキーマインドは瞑想を妨げる厄介者のように感じられますが、上手に付き合っていくことが大切。
呼吸に意識を戻す、数を数える、身体感覚に意識を向けるなどの対処法を織り交ぜ、雑念をただ見守る。
そうすることで、だんだんとモンキーマインドに振り回されなくなっていくでしょう。
さらに、モンキーマインドから自分自身への理解を深められることも。
あなたも今日からモンキーマインドとの付き合い方を見直し、マインドフルネス瞑想をさらに充実したものにしていきましょう。
今日からできる具体的なアクションはこちら。
- 瞑想前に、簡単なストレッチやヨガで心身をほぐす
- 雑念が浮かんだら、呼吸や身体感覚に意識を戻してみる
- モンキーマインドの内容を観察し、自分の思考クセを知る
- 完璧を目指さず、自分なりのペースで瞑想を続ける
最初のうちは、思うようにマインドフルな状態を保てないかも。
しかし、焦らずゆっくりと続けていくことが何より大切。
マインドフルネス瞑想は、雑念を消し去ることではなく、雑念を通して自分自身と向き合うことが大切。
モンキーマインドは厄介者ではなく、あなたの心の声なのかもしれません。
うまくコントロールしようとするよりも、耳を傾けてみる。
モンキーマインドは、あなたの良き理解者になってくれるかもしれませんよ。