都会の喧騒を離れ、のどかな田舎暮らしに憧れる人は多いでしょう。
しかし、いざ移住すると様々なものを失うことになります。
田舎暮らしのメリットだけでなく、デメリットにも目を向けることが大切。
この記事では、離島移住経験者の視点から、地方移住で失われる6つのものについて解説。
移住後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう、この機会に理解を深めましょう。
「自分はどんな田舎暮らしをしたいか?」
イメージしながら読んでみてください。
1. 都会ならではの利便性が失われる
都会には、買い物や通院、子育てなど日常生活に欠かせない施設やサービスが充実しています。
24時間営業のコンビニやスーパー、専門医が揃う大きな病院、保育園や学習塾など。
どんな時間でも必要なものが手に入る利便性は、都会暮らしの大きな魅力と言えるでしょう。
1-1. 日常の買い物が不便になる
田舎では大型スーパーが少なく、欲しいものが手に入りにくいのが現状。
必要な食材や日用品を手に入れるには、車で隣町まで行くことも。
コンビニの数も限られているため、深夜にふと必要になったものを買いに行くのは難しいでしょう。
1-2. 医療機関へのアクセスが悪くなる
田舎では総合病院や専門クリニックが少なく、かかりつけ医を見つけるのに苦労するかもしれません。
救急時や専門的な治療が必要な際には、都会の大病院まで行く必要があります。
高齢者や持病のある人にとっては、医療面での不安が大きいと言えるでしょう。
私が移住した島には病院はなく、小さな診療所が1つだけでした。
1-3. 子育て環境が整っていない
都会には保育園や幼稚園、学習塾など子育てに関する施設が多数ありますが、田舎ではそうした恩恵を受けにくいのが実情。
共働き世帯には保育園の不足が深刻な問題ですし、学習面でのサポートを受けられる環境も整っていません。
私が移住した離島には小中学校(小学と中学が1つの同じ建物)が1校、高校はありません。
その島の令和5年度の生徒数は、小学生が6人、中学生が2人です。
2. 人とのつながりが希薄になりがち
都会では多種多様な人々と接する機会が多く、友人や知人との交流を通じて刺激を得ることができます。
一方、人口の少ない田舎ではコミュニティが小さく、多様性に乏しいのが現状。
新しい出会いや学びの機会が得にくく、人間関係が固定化しがちです。
2-1. 同世代との交流が少なくなる
都会と比べると、田舎は若者が少ない傾向にあります。
同年代の友人を作ったり、同じ趣味を持つ仲間と交流したりする機会が減るでしょう。
新しい環境で孤独を感じてしまう人いるかも。
2-2. 文化的な刺激が乏しくなる
音楽やアートなどの文化的なイベントは、都会の方が圧倒的に多いもの。
田舎では娯楽の選択肢が限られており、映画館や美術館、ライブハウスに行くにも一苦労。
そうした文化的な刺激が乏しくなることで、精神的な満足度が下がってしまう可能性があります。
2-3. 排他的な地域社会に馴染めない
田舎の小さなコミュニティでは、地域の慣習や人間関係に馴染めず、孤立してしまう人もいます。
排他的な雰囲気の中で、自分らしさを発揮できなくなる恐れもあるでしょう。
都会のように、多様性を認め合える環境が整っていないのが悩ましいところ。
3. キャリアの選択肢が狭まる
田舎では仕事の選択肢が限られており、キャリアチェンジが難しいのが現状。
自分のスキルや経験を活かせる企業が少なく、思うように能力を発揮できないことも。
昇進のチャンスも乏しいため、キャリアアップが望みにくいと言えるでしょう。
3-1. 専門的な職に就きにくい
IT、金融、メディアなど、専門性の高い職種の多くは都市部に集中しています。
地方では、そうした分野の仕事に就くのは容易ではありません。
せっかく培ったスキルを活かせず、キャリアを捨てざるを得ないケースもあるでしょう。
3-2. 転職の選択肢が狭い
地方の求人数は都会と比べると少なく、自分に合った仕事を見つけるのに苦労。
転職を繰り返すうちに、段々と選択肢が狭まっていく恐れもあります。
キャリアチェンジを望んでも、思うように実現できないのが悩ましいところ。
3-3. 昇進のチャンスが限られる
地方の中小企業では、昇進の機会が少ないのが実情。
管理職や役員への道が狭く、たとえ優秀な成果を出しても、キャリアアップが望みにくい状況。
都会のように、実力次第で出世できる環境が整っていないと言えるでしょう。
4. 教育の機会が乏しくなる
子育て世代にとって、子供の教育環境は重要な関心事の一つ。
しかし、地方では学校の数が限られており、教育の選択肢が狭いのが現状。
多様な学びの機会が得られず、子供の可能性を伸ばしきれないことを危惧する親御さんも多いことでしょう。
4-1. 学校の選択肢が少ない
都会には私立や国立など、特色ある学校が数多くありますが、地方ではそうした恩恵を受けにくいのが実情。
子供の適性に合った学校選びが難しく、可能性を十分に引き出せない恐れがあります。
4-2. 放課後の習い事が少ない
都会では、放課後に多様な習い事が選べるのが魅力の一つ。
スポーツ、音楽、芸術など、子供の興味関心に合わせて幅広い学びの機会が得られます。
一方、地方ではそうした選択肢が限られており、子供の才能を伸ばしきれないことを心配する親御さんは多いでしょう。
4-3. 進学の選択肢が狭まる
地方から都会の大学に進学するとなると、経済的な負担が大きくのしかかります。
地元の大学に限定されがちで、学びたい分野を追求しにくいのが悩ましいところ。
都会のように、多様な学問領域に触れる機会が乏しいと言えるでしょう。
5. 娯楽の選択肢が限られる
都会には美術館や劇場、大型ショッピングモールなど、娯楽施設が充実しています。
休日には多彩なレジャーを楽しめるのが大きな魅力。
対して田舎では、娯楽の選択肢が限られており、退屈してしまう人も少なくありません。
5-1. エンターテイメント施設が少ない
コンサートホールや大型テーマパークなど、1日中楽しめるエンターテイメント施設は都会の方が圧倒的に充実しています。
田舎では、そうした娯楽を気軽に楽しむことができません。
週末にレジャーを満喫したい人にとっては、物足りなさを感じるかもしれません。
5-2. 趣味を満喫しにくい
都会では、スポーツやアウトドア、ものづくりなど、様々な趣味を満喫できる環境が整っています。
専門店やコミュニティが充実しており、同好の士と交流しながら趣味を極められるのが魅力。
田舎では、そうした多彩な選択肢が乏しいのが悩ましいところ。
5-3. グルメを堪能しにくい
都会には多国籍な料理店が軒を連ね、色とりどりのグルメを堪能できます。
一方、田舎の飲食店は種類が限られており、食の多様性に乏しいのが現状。
美味しいものを食べ歩くのが好きな人にとっては、満足感が得にくいかもしれません。
6. 情報へのアクセスが悪くなる
インターネットの発達で、地方でも情報へのアクセスは格段に向上しました。
しかし、リアルな場での情報収集力という点では、都会と地方で大きな差があると言えます。
ビジネスや文化、国際交流など、生の情報に触れる機会が乏しいのは否めません。
6-1. ビジネス情報が入手しにくい
都会では、カンファレンスやセミナーなどを通じて最新のビジネス情報が得られます。
業界関係者との交流も盛んで、生の声に触れるチャンスが豊富。
対して地方では、そうしたビジネス的な刺激を得にくいのが悩ましいところ。
6-2. 海外の情報に疎くなる
都会には外国人観光客が多く訪れ、国際色豊かな交流が日常的に行われています。
語学学校も充実しており、生きた外国語に触れる機会が豊富。
地方では外国人との交流が限られており、海外の生の情報に接しにくいのが現状。
6-3. 文化的な情報が入りにくい
都会では美術展や映画祭、文学イベントなど、最先端の文化情報に触れる機会が豊富にあります。
一流のアーティストが集う場に足を運べば、クリエイティブな刺激を得られるでしょう。
地方では、そうした文化的な情報が入りにくいのは否めません。
まとめ
田舎暮らしには、自然の中でゆったりと過ごせるメリットがある一方で、都会の利便性や多様性を失うデメリットもあります。
生活面、人間関係、キャリア、教育、娯楽、情報収集など、都会にしかない魅力は多い。
しかし、人それぞれ価値観は異なります。
都会の喧騒を離れ、自然の中で暮らしたいと望む人にとっては、田舎暮らしは魅力的な選択肢となるでしょう。
一方、利便性や多様性を重視する人は、都会で暮らし続けることをオススメします。
田舎暮らしに惹かれつつも、移住に踏み切れないあなた。
この記事を参考に、自分にとって本当に大切なものは何かを見つめ直してみてください。
都会の魅力を再確認できたなら、今の環境で充実した日々を送ることに集中した方がいいかも。
都会と田舎、あなたはどっちを選びますか?