北海道や雪国出身の人が、東京など都会に来ると、意外と寒さを感じることがあります。
なぜ、彼らは都会の冬を寒く感じるのでしょうか。
この記事では、札幌在住者の視点でその理由を探っていきます。
この記事を読めば、北海道や雪国出身者の感覚や生活習慣への理解が深まるはずです。
また、東京・都会の冬を乗り切るヒントも見えてくるかもしれません。
1. 北海道や雪国出身者の服装は意外とライト
北海道や雪国出身者は、東京など都会では意外と薄着なのをよく目にします。
彼らは寒さに慣れているから、厚着をしなくても平気なのでしょうか。
しかし実際には、彼らも都会の冬の寒さにはかなり参っているのです。
では、なぜ彼らはあまり厚着をしないのでしょうか。
その理由を見ていきましょう。
1-1. 寒冷地仕様の厚手コートは都会では暑すぎる
北海道などの寒冷地では、マイナス20度にもなる厳寒期に耐えられる分厚いコートが必需品です。
しかし、そんな極寒仕様のコートを東京で着ていたら、逆に暑すぎて大変なことになります。
都会の冬は、寒冷地ほどの極寒ではないので、あまり分厚いコートは必要ありません。
そのため、北海道や雪国出身者は、都会では厚手コートを避け、比較的薄手のアウターを選ぶ傾向にあるのです。
生まれ育った環境との温度差を考慮した服選びをしているのですね。
1-2. 寒冷地の防寒着は都会のファッションに合わない?
北海道や雪国では、実用性重視の厚手のダウンジャケットなどが防寒着の定番です。
しかし、そんな防寒一辺倒のファッションは、オシャレな都会の街並みにはなじみません。
都会では薄手のコートやジャケットを合わせた洗練されたコーデが主流だからです。
ファッション性を重視する都会の空気感と、寒さ対策最優先の北国スタイルのギャップが浮き彫りになります。
北海道や雪国出身者の中には、ファッションが周りに合わないと感じ、薄着になってしまう人もいるのです。
1-3. 寒冷地出身者の我慢強さが薄着の原因?
北海道や雪国出身者の中には、寒さに強いことを自負している人が少なくありません。
「冬は我慢の季節、多少寒くても平気」という価値観が根付いているのです。
彼らは、厳しい寒さを耐え抜くことを美徳と考える傾向があります。
このメンタリティが、都会での薄着にもつながっているのかもしれません。
周りが寒がっているのに、自分だけ平気でいることに優越感を覚える人もいますよ。
2. 北海道や雪国の家は高気密・高断熱で室内は暖かい
北海道や雪国の家は、寒さ対策のため、高気密・高断熱仕様になっています。
その分、室内は暖房の効きが良く、外よりもかなり暖かく感じられます。
寒冷地出身者にとって、家の中は「暖かい環境」というイメージが強いのです。
一方、都会の家は気密性や断熱性がそれほど高くないケースが多いです。
この「家の中の温度差」が、北海道や雪国出身者を寒がらせる原因となっているのです。
2-1. 北海道や雪国の家は「冬でも薄着で過ごせる」空間
気密性の高い北海道や雪国の家の中は、冬でもトレーナー1枚で十分なほど暖かいです。
彼らにとって家の中は、薄着でくつろげる「暖かい空間」なのです。
子供の頃からそんな環境で育ってきたので、家=暖かいという認識が染み付いています。
外の厳しい寒さをしのぐためには、家の中を最大限暖かく保つ必要がありますからね。
「家の中は薄着」が当たり前の感覚なのです。
2-2. 都会の家は北国ほど暖かくない?
都会の家やマンションは、北海道や雪国ほどの高気密・高断熱ではないことが多いです。
コストの問題もありますし、そこまでの寒さ対策は必要ないと考えられているからです。
都会の冬の平均気温は、北海道などと比べれば穏やか。
しかし、家の中があまり暖かくないので、薄着でいるには寒すぎるのです。
北国出身者は、都会の家の中を「妙に寒い」と感じてしまうのですね。
2-3. 暖房の効きの差が体感温度に影響
断熱性の違いは、暖房の効き方にも影響します。
断熱性の高い北海道や雪国の家では、暖房の暖気がしっかり部屋に留まります。
一方、断熱性の低い都会の家では、暖気が逃げやすく、部屋が暖まりにくいのです。
雪国出身者にとって、都会の家の暖房は物足りなく感じられるでしょう。
「暖房をつけているのに寒い」という不満を抱えがちです。
3. 風が冷たく感じる理由
東京の冬は、北海道や雪国ほど気温が下がりません。
しかし、風が冷たく感じるときがあります。
なぜ気温が高くても、風によって寒さが増すのでしょうか。
風が運ぶ湿気と、風速による体感温度の変化が関係しているようです。
雪国出身者は、この風の冷たさに敏感に反応してしまうのかもしれません。
3-1. 風が運ぶ湿気が寒さを増幅させる
東京の冬の風は、海から湿気を運んできます。
湿った風に当たると、水分が肌に付着し、蒸発する際に熱を奪われるのです。
湿気を含んだ風は、乾いた風よりも体温を奪いやすいのです。
北海道の冬の風は、カラッと乾いているので、同じように体温が奪われることはありません。
湿度の差が、風の冷たさを左右しているのですね。
3-2. 風速が上がると体感温度が下がる
風速が速いほど、体感温度は下がります。
風に運ばれる空気の量が増えるので、肌から奪われる熱量も多くなるのです。
例えば、気温5度のときに風速が1m/sから10m/sに上がると、体感温度は一気に-3度まで下がります。
東京や都会でビル風が吹くと、急に寒く感じるのはそのせいです。
風速は寒さに大きな影響を与えるのです。
3-3. 北海道の冬は無風時でも寒い
一方、北海道や雪国の冬は無風時でもかなりの寒さです。
気温が-10度を下回ることも珍しくありません。
風が吹かなくても、体温はどんどん奪われていくのです。
そんな極寒の中で風が吹けば、たちまち体感温度は-20度以下に落ち込みます。
まとめ
いかがでしたか?
北海道や雪国出身者が東京・都会の冬を寒がる理由について解説しました。
彼らは、都会と北国の寒さの質の違いに戸惑っているのです。
そんな都会ならではの寒さの特徴に、彼らの体は順応できずにいるのでしょう。
故郷とは違う寒さに負けずに、東京や都会の冬を楽しんでくださいね。