【離島・へき地の医療対策】住民がとるべき6つ対策と心構え【田舎・地方】

【離島・へき地の医療対策】住民がとるべき6つ対策と心構え【田舎・地方】

離島やへき地に暮らす人にとって、医療アクセスの確保は切実な問題。

病院が遠く、医師や医療資源が不足しがちな環境で、どのように健康を守ればよいのでしょうか。

本記事では、離島移住経験者の視点から、離島・へき地の住民がとれる対策と心構えを6つのポイントにまとめました。

日頃からの備えと工夫で、医療の脆弱さを克服しましょう。

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1:定期健診を徹底し早期発見・早期治療に努める

離島・へき地では、病気の重症化を防ぐためにも定期健診が欠かせません。

自治体の集団健診や巡回診療を最大限活用し、異常の早期発見・早期治療に努めましょう。

セルフチェックの習慣化も大切です。

1-1:自治体の健診事業を把握し計画的に受診する

市町村の広報やウェブサイトで、集団健診や特定健診の日程を確認しましょう。

スケジュールに予定を組み込み、受診を優先します。

がん検診や特定健診は、早期発見のカギを握ります。

1-2:遠隔診療も有効活用する

医療機関への移動が難しい場合、オンライン診療も選択肢の一つ。

症状の相談や処方箋の発行が可能なので、かかりつけ医とも相談してみましょう。

血圧・血糖値などのデータ共有にも役立ちます。

1-3:セルフチェックを習慣化し変化を見逃さない

日々の体調変化に敏感になることも重要です。

体重、体温、血圧など、簡単に測定できる指標を記録する習慣をつけましょう。

皮膚の変化や些細な違和感にも注意を払います。

小さな異変を見逃さないことが肝心です。

この章の要点
  • 自治体の健診事業を把握し計画的に受診する
  • 遠隔診療も症状相談や処方に有効活用する
  • 体重・体温・血圧などセルフチェックを習慣化する

2:適切な医療情報の収集と活用方法を身につける

離島やへき地では、医療情報の収集力が自己管理に直結します。

病気や治療法への理解を深め、適切な判断力を養いましょう。

信頼できる情報源を見極め、医療者とのコミュニケーションにも役立てることが大切。

2-1:公的機関のウェブサイトで正しい知識を得る

厚生労働省や自治体のサイトには、病気の解説や療養情報が豊富に掲載されています。

難解な専門用語ではなく、分かりやすくまとめられているので活用しましょう。

離島・へき地向けの支援情報もチェックできます。

2-2:症状や治療法をメモし、医師に伝える準備をする

体調の変化や気になる症状は、時系列でメモしておくと伝えやすくなります。

病歴や服薬状況、生活習慣もまとめておきましょう。

スムーズな情報共有が、医師との信頼関係にもつながり、オンライン診療の際にも役立ちます。

2-3:セカンドオピニオンで治療方針の選択肢を広げる

重大な病気の診断を受けた場合、別の医師の意見を聞くことも検討しましょう。

セカンドオピニオンをすれば、納得した上で治療方針を決められるので安心。

この章の要点
  • 公的機関のウェブサイトで正しい医療知識を得る
  • 症状や治療法をメモし、医師との情報共有に備える
  • セカンドオピニオンで治療方針の選択肢を広げる

3:救急時の連絡・搬送手段を確保しておく

離島・へき地では、救急車の到着に時間がかかることも珍しくありません。

急病や事故に備え、救急時の連絡方法や搬送手段を確認しておくことが欠かせません。

地域の支援体制も把握しておきましょう。

3-1:ドクターヘリやドクターカーで搬送される場合も

離島などでは、救急車の代わりにドクターヘリやドクターカーが出動することがあります。

気象条件によっては船舶による搬送も検討されます。

救急車とドクターカーの主な違い

搭乗スタッフ

  • 救急車:救急救命士と救急隊員が搭乗
  • ドクターカー:医師と看護師が搭乗

目的

  • 救急車:患者を病院へ搬送すること
  • ドクターカー:現場で高度な医療処置を行うこと

装備

  • 救急車:基本的な救命処置に必要な医療機器を搭載
  • ドクターカー:高度な医療処置に必要な機器を搭載(手術器具など)

要請基準

  • 救急車:一般市民からの通報で出動
  • ドクターカー:救急隊からの要請や、重症が予想される場合に出動

救急車は患者の搬送に重点を置いているのに対し、ドクターカーは現場での高度な医療処置に重点を置いています。

3-2:救急情報の共有や応急手当の方法を身につける

救急隊に正確な情報を伝えることは、適切な処置に直結します。

住所や目標物、患者の容態などをあらかじめ整理しておきましょう。

止血や心肺蘇生など、基本的な応急手当の方法を身につけておくのも賢明です。

3-3:自治体の災害時医療支援策を把握する

台風や地震など、離島・へき地は自然災害にも見舞われやすい環境。

発災後の医療ニーズに備え、自治体の支援策を確認しておきましょう。

医療救護所の設置場所や巡回診療の予定など、情報収集が肝要です。

この章の要点
  • ドクターヘリやドクターカーで搬送される場合がある
  • 正確な救急情報の共有と応急手当の方法を習得する
  • 自治体の災害時医療支援策を事前に把握しておく

4:医薬品や医療器具の備蓄を怠らない

離島・へき地では、処方薬の入手や医療器具の調達に時間を要することもあります。

普段から適量を備蓄し、使用期限や不足にも注意を払いましょう。

自分や家族の病状に合わせた準備が肝心です。

4-1:数週間分の処方薬や市販の医薬品をストックする

定期的に服用している薬は、余裕を持ったスケジュールで処方してもらいましょう。

風邪薬や胃腸薬、外用薬など、応急処置に役立つ医薬品も常備します。

使用期限の管理を忘れずに。

4-2:消毒液や包帯など救急医療品セットを用意する

けがの手当てに必要な医療品を、救急セットとしてまとめておくのも良策です。

消毒液、包帯、ガーゼ、絆創膏、はさみなどをひとまとめにし、定位置に保管しましょう。

使い方を覚えておくことも大切です。

4-3:在宅医療や介護に必要な器具の点検を怠らない

在宅酸素療法や人工呼吸器、吸引器などを使用している場合は、定期的な点検や消耗品の交換が欠かせません。

介護ベッドや車椅子なども、日頃からのメンテナンスを心がけましょう。

不測の事態に慌てないための備えです。

「備えあれば憂いなし」ですね。

この章の要点
  • 処方薬や市販の医薬品をストックしておく
  • 消毒液や包帯などの救急医療品セットを常備する
  • 在宅医療・介護器具の定期点検とメンテナンスを怠らない

5:家族や地域での助け合いを大切にする

離島・へき地での医療アクセスを支えるのは、家族や地域の助け合いです。

普段から健康管理の協力体制を整え、いざという時に支え合える関係性を築きましょう。

ひとりひとりの見守りが、命綱になります。

5-1:家族内で健康情報を共有し、異変に気づく

同居家族の既往歴や持病、常用薬などの情報は、日頃から共有しておくことが大切。

体調の変化に敏感になり、小さな異変も見逃さないようにしましょう。

5-2:地域の医療ボランティアとも連携する

へき地医療を支えるキーパーソンとして、地域医療ボランティアの存在は貴重です。

医師や看護師のサポート役を担うことも。

研修会への参加などを通じ、日頃から連携を密にしておきましょう。

5-3:一人暮らしの高齢者などを地域で見守る

独り暮らしの高齢者は、体調の急変に気づかれにくいもの。

地域住民と協力し、定期的な安否確認を行いましょう。

何かあればすぐに駆けつけられる態勢を、地域ぐるみで構築することが理想的。

この章の要点
  • 家族内で健康情報を共有し、いち早く異変に気づく
  • 地域の医療ボランティアとも普段から連携を密にする
  • 一人暮らしの高齢者などを地域で見守る

6:移動手段の確保と遠隔地医療機関の把握

離島・へき地から都市部の医療機関への通院は、交通手段の確保が欠かせません。

公共交通機関の利用方法を調べておくほか、自治体の支援策も有効活用しましょう。

緊急時に備え、提携先の把握も重要です。

6-1:通院に利用できる交通手段をリサーチする

バスや船など、利用可能な公共交通機関の時刻表や運賃を調べておきましょう。

航空機の利用が必要な場合は、割引制度の活用も検討します。

タクシー会社の連絡先も控えておくと安心。

6-2:自治体の交通費助成制度を活用する

離島・へき地の住民を対象とした、通院交通費の助成制度を設けている自治体もあります。

所得や疾病の状況で適用条件は異なるので、詳細を確認しておきましょう。

申請の手続きを事前に済ませておくのも良いでしょう。

6-3:提携先の医療機関と連携体制を整える

島外の提携医療機関と、日頃から情報共有を密にしておくことが大切。

病歴や治療経過を正確に伝え、スムーズな連携を心がけましょう。突発的な受診にも対応してもらいやすくなります。

この章の要点
  • 通院に利用できる公共交通機関の情報を調べておく
  • 自治体の交通費助成制度を把握し有効活用する
  • 島外の提携医療機関とは普段から緊密に連携する

まとめ

離島やへき地での医療アクセス確保は容易ではありません。

しかし、日頃の備えと工夫次第で困難を乗り越えられます。

定期健診の受診、医薬品などの備蓄、地域の助け合い、通院手段の確保などを怠りなく行いましょう。

行政の支援策も有効活用します。
医療者とも緊密に連携を取り、いざという時に慌てないためのシミュレーションも大切です。

万が一の事態に冷静に対処できるよう、ひとつひとつ対策を積み重ねていきましょう。