高齢者が東京・都会で暮らす7つのデメリットとは?【老後・老人】

高齢者が東京・都会で暮らす7つのデメリットとは?【老後・老人】

これから高齢期を迎える人にとって、住む場所の選択は重要な課題です。

東京や都会は利便性の高さや医療機関の充実といったメリットがある一方、高齢者にとってのデメリットもあります。

では、都会で年を重ねる上で、どんな点に気をつけるべきでしょうか?

この記事では、東京や都会で暮らす高齢者が直面しがちな7つの課題を詳しく解説。

東京や都会でどんな生活を送りたいのか?

イメージしながら読んでみてください。

将来を見据えた備えのヒントが満載ですので、ぜひ参考にしてください。

1. 物価の高さで生活費がかさむリスク

東京は物価が高く、特に家賃や食費などの生活コストが重荷になりがちです。

年金だけでは生活が厳しくなる可能性もあるため、貯蓄や収入源の確保が欠かせません。

支出を抑えるための工夫も必要になってくるでしょう。

低価格スーパーの活用や、食材の買い出しを郊外で済ませるなどして、できるだけ出費を抑えることが賢明です。

東京暮らしを続けるなら、物価高に備えた資金計画が何より大切だと言えます。

1-1. 家賃の高騰で入居が難しい

東京の高齢者にとって、家賃の高さは大きな壁となります。

年金収入だけでは家賃を払うのがやっとという人も少なくありません。

さらに、高齢を理由に入居を断られるケースもあり、住む場所の確保に苦労する恐れがあります。

民間の賃貸住宅だけでなく、都営住宅やUR賃貸住宅など、公的住宅の活用も視野に入れておくと良いでしょう。

ただし倍率は高く、すぐに入居できるとは限らないため、早めの情報収集と申込みが肝心です。

1-2. 食費や日用品などの物価高

東京では、食品や日用品の価格が他の地域に比べて割高です。

定期的に必要になる消耗品などの出費も馬鹿になりません。

日々の食事も外食に頼りがちですが、高齢者にとっては負担が大きくなります。

自炊する習慣を身に付けたり、まとめ買いを活用したりと、支出を抑える努力が求められます。

近所のスーパーではなく、少し遠出をして安い店で買い物をするのもひとつの手です。

1-3. 医療費や介護費用の上昇

東京では医療機関が充実している反面、費用も高額になりがちです。

健康保険の自己負担分や、保険適用外の費用も馬鹿になりません。

介護が必要になった場合、さらに費用負担が重くのしかかります。

介護保険を利用しても、自己負担分は決して安くありません。

万が一に備え、医療保険や介護保険への加入を検討しておくのが賢明でしょう。

この章の要点
  • 東京は全国でも有数の物価高で、生活コストが重荷に
  • 家賃高騰で住まい探しが困難、公的住宅の活用も要検討
  • 医療費や介護費の上昇に備え、保険加入などの対策が必要

2. 狭い住空間による身体的・精神的ストレス

東京の住宅事情は厳しく、狭い部屋に住まざるを得ない高齢者も少なくありません。

身体が思うように動かせなくなると、室内で転倒するリスクが高まります。

小さな部屋での生活は精神的にも窮屈で、ストレスを感じやすいものです。

できるだけ家の中を整理整頓し、動線を確保することが大切です。

近所に公園などがあれば、そこで気分転換を図るのも良いでしょう。

2-1. 室内での転倒リスクが高い

東京の住宅は一般的に狭小で、室内での転倒事故が起きやすい環境です。

特に高齢になると、バランス感覚が低下して転びやすくなります。

手すりの設置や、段差の解消など、事前のバリアフリー化が欠かせません。

寝室やトイレ、浴室など、転倒リスクが高い場所には特に注意が必要です。

日頃から部屋の片付けを心がけ、つまずく原因を取り除くことが大切だと言えます。

2-2. ストレスがたまりやすい

せまい部屋に長く閉じこもっていると、ストレスを感じやすくなるものです。

運動不足になりがちで、気分転換の機会も乏しくなります。

そのような状態が続くと、心身の健康を損なう恐れがあります。

近所を散歩したり、公園で日光浴をしたりと、外に出るきっかけを作ることが大切です。

家の中でも、趣味の時間を設けたり、音楽を聴いたりするなど、気分転換を図る工夫が求められます。

2-3. 収納スペースが足りない

東京の住宅は収納スペースに乏しく、荷物があふれがちです。

その結果、部屋が狭苦しくなり、ゆとりを失いやすくなります。

ときには思い切って不要なものを処分し、身の回りをすっきりさせることが大切です。

必要最小限の荷物に絞り込み、効率的に収納するための工夫も欠かせません。

シンプルな暮らしを心がけることで、狭い空間でも快適に過ごせるはずです。

この章の要点
  • 狭い住空間は転倒リスクが高く、バリアフリー対策が必須
  • 部屋に閉じこもるとストレスがたまる、外出や趣味の時間が大切
  • 収納不足は心身の負担に、シンプルな暮らしを心がけるべき

3. 騒音や大気汚染などの都市特有の環境問題

東京は交通量が多く、騒音や大気汚染が深刻な地域もあります。

特に幹線道路沿いの住宅は、自動車の排気ガスや騒音に悩まされがちです。

高齢になると、騒音や汚染された空気に敏感になります。

住宅選びの際は、周辺環境をよく確認することが大切です。

静かで空気の良い地域を選ぶことで、健康的な暮らしにつなげられるはずです。

3-1. 交通量による騒音問題

東京は車やバイクの交通量が多く、騒音問題が深刻です。

特に幹線道路沿いの住宅は、昼夜を問わず騒音に悩まされます。

高齢者は騒音に敏感で、不眠や精神的なストレスを感じやすくなります。

窓の防音性を高めたり、静かな部屋を選んだりするなど、対策を講じることが大切です。

場合によっては、のどかな地域への転居も視野に入れる必要があるでしょう。

3-2. 大気汚染による健康被害の懸念

東京の大気汚染は深刻で、高齢者の健康に悪影響を及ぼす恐れがあります。

自動車の排気ガスや工場の煙など、有害物質に長期間さらされることで、呼吸器系の疾患を引き起こすリスクが高まります。

できるだけ空気の良い場所を選んで住むことが賢明ですが、それが叶わない場合は室内の空気清浄に努めることが大切です。

空気清浄機の使用や、定期的な換気を心がけるようにしましょう。

呼吸器系の定期検診を受けるなど、健康管理にも注意が必要だと言えます。

3-3. ヒートアイランド現象への対策

東京はヒートアイランド現象の影響で、夏場の気温が高くなりがちです。

コンクリートやアスファルトに囲まれた都市部では、熱がこもりやすく、熱中症のリスクが高まります。

高齢者は暑さに弱く、体温調節機能が低下しているため、特に注意が必要です。

エアコンを上手に使って室温を管理したり、緑の多い公園などで涼んだりすることが大切です。

外出時は帽子や日傘で直射日光を避け、こまめな水分補給を心がけることが肝要だと言えます。

この章の要点
  • 幹線道路沿いは交通騒音が深刻、防音対策や環境の良い場所選びが重要
  • 大気汚染は健康被害の原因に、空気清浄や定期検診がカギ
  • ヒートアイランドによる熱中症リスクに注意、暑さ対策を万全に

4. 人間関係の希薄化で孤独感が増大

東京では、近所付き合いが希薄になりがちです。

隣に住む人の顔さえわからないということも珍しくありません。

高齢になると、そのような環境では孤独を感じやすくなります。

家族や友人との交流を大切にしつつ、地域のコミュニティにも積極的に参加することが求められます。

老人会や趣味のサークルなどに顔を出せば、新しい出会いのきっかけになるはずです。

4-1. ご近所付き合いの減少

東京では、プライバシーを重視する傾向が強く、ご近所付き合いが少なくなっています。

同じマンションに住む人でも、互いの素性を知らないことが多いのが実情です。

高齢者にとって、近所に話し相手がいないのは寂しい限りです。

町内会や自治会の活動に参加するなど、地域とのつながりを持つ努力が大切だと言えます。

回覧板を届けるボランティアを引き受けるなど、できることから始めてみると良いでしょう。

4-2. 家族や友人との疎遠化

東京では核家族化が進み、家族と離れて暮らす高齢者が増えています。

忙しい毎日を送る子供世代は、なかなか頻繁に会いに来られないものです。

昔の友人とも疎遠になりがちで、心の拠り所を失いやすくなります。

家族とのコミュニケーションを大切にしつつ、古い友人とも連絡を取り合うことが大切です。

SNSやビデオ通話などを活用すれば、距離が離れていても交流を深められるはずです。

4-3. 社会参加の機会の不足

東京では、高齢者の社会参加の機会が乏しい地域もあります。

働く場がないことで、生きがいを感じにくくなるのも事実です。

かといって、ただ家で過ごしているだけでは、孤独感が増すばかりです。

ボランティア活動や生涯学習など、自分に合った社会参加の方法を見つけることが大切だと言えます。

図書館や公民館の講座に通うのも一案です。

新しい出会いが、充実した人生につながるはずです。

この章の要点
  • 希薄なご近所付き合いによる孤独感、地域活動への参加がカギ
  • 家族や友人との疎遠化に注意、コミュニケーションを大切に
  • 社会参加の機会を自ら見つけ、充実した人生を目指そう

5. 災害時の避難の困難さ

東京は地震や台風など、自然災害のリスクが高い地域です。

災害時には、高齢者は避難が難しくなります。

日頃から避難経路を確認し、非常用持ち出し袋を用意しておくことが大切です。

地域の防災訓練にも積極的に参加し、いざというときに備えましょう。

近所の人と助け合える関係を築いておくことも重要だと言えます。

5-1. 地震発生時の避難の困難さ

東京は地震の多い地域で、いつ大きな揺れに見舞われるかわかりません。

高齢者は素早い避難が難しく、家具の転倒や落下物によるケガのリスクが高まります。

家具の固定や、ガラスの飛散防止フィルムの貼付など、事前の対策が欠かせません。

避難所の場所や経路を把握し、いざというときにスムーズに行動できるよう備えることが大切です。

近隣住民とも協力体制を整えておくと、もしものときに心強いはずです。

5-2. 風水害時の避難の遅れ

東京は台風の通り道にあたり、大雨による浸水被害が起きやすい地域です。

高齢者は避難が遅れがちで、危険な目に遭うリスクが高くなります。

日頃からハザードマップをチェックし、自宅の浸水リスクを把握しておくことが大切です。

避難情報が出たら速やかに行動し、近所の人にも声をかけながら早めに避難所に向かいましょう。

避難所での過ごし方についても、事前に確認しておくことが賢明だと言えます。

5-3. 災害時要援護者への支援体制の脆弱さ

東京では、災害時要援護者への支援体制が十分とは言えません。

一人暮らしの高齢者は、避難の際に手助けを得にくいのが実情です。

日頃から地域の支援体制を確認し、自分が援護を必要とする立場であることを自覚することが大切です。

区役所や地域包括支援センターに相談し、避難行動要支援者名簿への登録を検討するのも一案です。

地域の支え合いの輪に加わり、「助ける人」にも「助けられる人」にもなれる関係づくりを心がけましょう。

この章の要点
  • 地震対策を万全に、避難経路の確認と住宅の安全対策が重要
  • 風水害にも要警戒、ハザードマップの確認と早めの避難が肝心
  • 支援を得られる体制づくりを、地域とのつながりを大切に

6. 徘徊や認知症への不安

東京は道に迷いやすく、認知症になると徘徊のリスクが高まります。

広い街を一人で歩くのは危険で、事故や行方不明になる恐れもあります。

認知症の予防に努めつつ、もしものときに備えた対策も欠かせません。

徘徊GPS機器を身につけたり、近所の人に協力を呼びかけたりすることが大切です。

地域の見守りネットワークを活用し、安心して暮らせる環境を整えましょう。

6-1. 道に迷いやすい街並み

東京は道が複雑に入り組み、ひとたび迷うと自力で目的地に着くのが難しくなります。

認知機能の低下した高齢者にとって、一人で外出するのはリスクが大きいと言えます。

できるだけ付き添いを頼んだり、複数で行動したりすることが賢明です。

スマートフォンの地図アプリを使いこなせるよう、日頃から練習しておくのもおすすめです。

自宅周辺の地図を携帯するなど、もしもの時に備えた工夫も大切だと言えます。

6-2. 徘徊による行方不明のリスク

認知症の人が一人で徘徊すると、行方不明になる危険性が高まります。

東京のような大都市では、発見が遅れるケースも少なくありません。

GPS機器を身につける、靴に連絡先を書くなど、何らかの対策を講じることが大切です。

認知症のことを地域の人に知ってもらい、見守りの目を増やすことも有効だと言えます。

徘徊の兆候があれば、早めにケアマネジャーや医療機関に相談するのが賢明です。

6-3. 認知症に対する理解の低さ

都会では、認知症に対する理解が十分とは言えません。

徘徊する高齢者を不審者と誤解されるケースもあります。

認知症サポーター養成講座の受講者を増やすなど、正しい知識の普及に努めることが大切です。

同時に、自身も認知症について学び、予防に努めることが求められます。

認知症カフェなどに参加し、同じ悩みを持つ人と交流するのも一案です。

理解者を増やす活動に関わることで、認知症と向き合う力を養えるはずです。

この章の要点
  • 複雑な街並みによる迷子リスクに注意、単独行動は控えめに
  • 認知症による徘徊で行方不明のリスク、GPS等の対策を
  • 認知症への理解を深め広める努力を、予防にも注力しよう

7. 終の棲家選びの難しさ

東京は施設や病院が充実している一方、入居や入院が難しいのが実情です。

特養(特別養護老人ホーム)やサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)、有料老人ホームは数が不足し、待機者が溢れています。

自宅で最期まで過ごすにも、訪問介護などのサービス基盤が脆弱です。

「最期をどこでどう過ごすか」を早めに考え、計画的に準備を進めることが大切だと言えます。

場合によっては、都心を離れ、より暮らしやすい地方への移住も視野に入れるべきです。

7-1. 介護施設の不足と入居難

東京の高齢者人口に対し、介護施設の数は圧倒的に不足しています。

特養への入居は狭き門で、数年待ちは当たり前の状況です。

サ高住や有料老人ホームも高額で、年金暮らしの高齢者には手が届きません。

早い段階から施設探しを始め、空きがあれば速やかに申し込む必要があります。

併せて、資金計画を立て、必要な貯蓄を準備しておくことが肝要だと言えます。

7-2. 在宅介護サービスの脆弱さ

施設に入れない場合、在宅で介護サービスを受けるのが一般的ですが、東京のサービス基盤は十分とは言えません。

ヘルパーの数が不足し、必要な時間の訪問介護を受けられないケースも少なくありません。

住宅の狭さも在宅介護の障壁となり、医療面でのサポート体制にも課題があります。

地域包括支援センターに相談し、利用可能なサービスを確認することが大切です。

狭い住宅でも介護しやすい工夫を凝らし、医療機関との連携を密にする必要があると言えます。

7-3. 看取り先の選択肢の狭さ

人生の最期をどこで迎えるかは、高齢者にとって大きな関心事です。

東京では在宅看取りの体制が弱く、選択肢が限られているのが現状です。

病院の終末期ケア病棟も数が不足し、希望しても入院できないことが多いのです。

穏やかな最期を迎えられる場所を、自分で選ぶ力を養うことが大切だと言えます。

老人ホームや介護施設、ホスピスなども視野に入れ、早めの行動が肝心です。

終の棲家選びは、人生最大の決断の一つだと自覚し、慎重に取り組むべき課題だと言えるでしょう。

この章の要点
  • 介護施設不足が深刻、早めの探索と資金計画が必須
  • 在宅介護サービスの基盤脆弱、利用可能な資源の確認を
  • 看取りの選択肢が限られる現実、終の棲家探しは計画的に

まとめ

東京や都会は利便性が高い反面、高齢者にとってはデメリットも多い街だと言えます。

物価の高さ、狭い住空間、環境問題、人間関係の希薄さ、災害リスクなど、様々な課題があります。

しかし、そうした課題を一つ一つクリアしていく知恵と工夫があれば、東京や都会でも安心して年を重ねられるはず。

行政サービスを上手に活用しつつ、地域社会とのつながりを大切にすることが重要

この記事が、東京や都会で暮らす高齢者の方々の、備えと対策のヒントになれば幸いです。

人生100年時代を見据え、賢く、たくましく歳を重ねていきましょう。