発達障害の人ほどミニマリストになるべき3つの理由と注意点とは?

発達障害の特性で物が捨てられず、部屋が散らかってしまう人は多いでしょう。

しかし、ミニマリストになることで、その悩みを解決できるかもしれません。

この記事では、発達障害の人がミニマリストになるべき理由と、ミニマリストになる上での注意点をわかりやすく簡単にご紹介。

ミニマリストになってどんな生活を送りたいのか?

イメージしながら読んでみてください。

発達障害の特徴を理解した上で、上手にミニマリストを目指していきましょう。

1. そもそも発達障害とは?発達障害の人の3つの主な特徴

発達障害とは、生まれつき脳の発達が定型発達と違うために、学習面や行動面で困難が生じる障害の総称です。

主に自閉症スペクトラム、ADHD、学習障害が含まれます。

発達障害は個人差が大きいですが、主な特徴として以下の3つが挙げられます。

1-1. 感覚の過敏性

発達障害の人の多くは、聴覚、視覚、触覚などの感覚が過敏な傾向にあります。

大きな音や眩しい光、肌触りの悪い衣類などを極端に不快に感じることがあるのです。

その一方で感覚鈍麻の人もおり、痛みをあまり感じなかったり、熱い物を平気で触ったりします。

このように感覚のバランスが偏っているのが特徴と言えます。

1-2. こだわりの強さ

発達障害の人は、特定の物事へのこだわりが非常に強いことが多いです。

例えば電車や恐竜などの特定の事柄に強い関心を示し、膨大な知識を蓄えたりします。

また、服の色や食べ物の味、物の配置など、細かいことにこだわる傾向もあります。

そのこだわりが強すぎるために、周囲の人から理解されにくいこともあるでしょう。

1-3. 変化への不適応

発達障害の人にとって、環境の変化や予定の変更は大きなストレスになります。

いつもと違う状況では混乱してパニックになったり、激しく抵抗したりすることがあるのです。

そのため、日常生活ではルーティンを決めて規則正しく過ごすことを好む傾向にあります。

計画通りにいかない時の切り替えの難しさは、発達障害の人の大きな特徴の一つと言えるでしょう。

この章の要点
  • 発達障害は脳の発達の違いにより、学習面や行動面の困難を抱える障害の総称
  • 感覚が過敏または鈍麻していることが多い
  • 特定のことへのこだわりが強く、変化を嫌う傾向がある

2. 発達障害の人が物を捨てられない3つの理由

発達障害の特性から、物を捨てるのが苦手だという人は少なくありません。

その理由としては、主に以下の3つが考えられます。

2-1. 執着心が強い

発達障害の人は、特定の物に強く執着することがあります。

例えば幼い頃のおもちゃや思い出の品、コレクションなどを手放せず、部屋中に溢れさせてしまうのです。

その物への愛着が極端に強いため、処分することに強い抵抗を感じてしまうのでしょう。

これは物への執着というよりも、思考そのものへの固執とも言えます。

2-2. 判断力の弱さ

発達障害の人は、物事の優先順位をつけるのが苦手な傾向があります。

そのため、全ての物を「必要かもしれない」と考えて、捨てる判断ができないのです。

また、整理整頓が苦手で、散らかった部屋でも「このくらい平気」だと感覚が麻痺してしまうことも。

客観的な判断力の弱さゆえに、不要な物が際限なく増えてしまうのでしょう。

2-3. 想像力の乏しさ

発達障害の人は、先の見通しを立てるのが苦手なことが多いです。

そのため「この物はいつか使うかも」「捨てたら困るかも」と考えて、物を溜め込んでしまうのです。

また、部屋が散らかった状態を想像できないので、危機感を抱けないことも。

先の生活をイメージする力の弱さが、断捨離を阻む要因になっているのかもしれません。

この章の要点
  • 物への執着心が強く、手放すのを嫌がる
  • 物の必要性の判断が苦手で、全てを溜め込む
  • 散らかった状態を想像できず、危機感がない

3. 発達障害の人がミニマリストに向いている3つの理由

一見すると発達障害とミニマリストは相性が悪そうですが、実は意外と相性がいいのです。

発達障害の人がミニマリストに向いている理由は、以下の3つが挙げられます。

3-1. シンプルさを好む

多くの発達障害の人は、シンプルでわかりやすいものを好む傾向にあります。

周りに物が少ない環境だと、視覚的な刺激が減って心が落ち着くのです。

また、整理整頓が苦手でも、物が少なければ散らかりにくいというメリットも。

部屋の中をスッキリさせるミニマリストは、発達障害の人に合っているでしょう。

3-2. ルールを決めやすい

ミニマリストには「◯◯は持たない」「◯着だけ持つ」など、独自のルールがあります。

このようなわかりやすい基準があると、発達障害の人も物を処分しやすいのです。

暮らしの中で明確なルールを設定できるのは、ミニマリストの大きな利点だと言えます。

慣れない断捨離も、ルールに沿って行動すれば抵抗なくできるでしょう。

3-3. ストレスが減る

部屋が散らかっていると「片付けなきゃ」というプレッシャーから、発達障害の人はストレスを感じやすいです。

しかし、最初からあまり物を持たないミニマリストなら、そのストレスから開放されます。

部屋が狭くても、物が少なければ窮屈に感じないですむでしょう。

片付けの手間も省けるので、自分の好きなことに時間を使えるのも魅力的です。

この章の要点
  • 物が少ないシンプルな環境を好む傾向がある
  • ミニマリストの「ルール」に沿って物を処分しやすい
  • 散らかった部屋の片付けストレスから解放される

4. 発達障害の人がミニマリストになる上での3つの注意点

一方で、発達障害の人がミニマリストを目指す時は、以下の3つの点に注意が必要です。

4-1. 極端にならない

発達障害の人の中には、ミニマリストに憧れるあまり、極端に物を減らしすぎてしまう人もいます。

しかし、生活に必要な物まで捨ててしまっては本末転倒です。

そうならないよう、最低限の生活必需品は残すことを心がけましょう。

多すぎず少なすぎず、バランス感覚を大切にすることが肝心です。

4-2. 見栄を張らない

ミニマリストに憧れて、無理に物を処分する発達障害の人もいるかもしれません。

また、周囲の人に「ミニマリストになる」と宣言してしまったため「全て捨てなければ」と、極端な考えを持ってしまう人も多いです。

しかし、人からどう見られるかを気にするあまり、ストレスを溜め込んでは意味がありません。

他人の目を気にせず、自分のペースでミニマリストを目指すことが大切。

周りに合わせる必要はないのだと、肝に銘じておきましょう。

4-3. 無理はしない

ミニマリストになりたい一心で、一気に部屋を片付けようとするのは危険です。

急激な変化はストレスになるので、徐々に進めていくのがオススメです。

毎日15分ずつ、できる範囲で少しずつ物を減らしていけば、心理的な負担も少ないでしょう。

自分のペースを大切にして、長く続けられるミニマリストを目指すことが肝心です。

この章の要点
  • 極端に物を減らしすぎないようにバランスを大切にする
  • 他人の目を気にせず、自分のペースを守る
  • 一気にではなく、少しずつ継続して取り組む

5. ミニマリストに向いている発達障害の人の3つの特徴

発達障害だからといって、全員がミニマリストに向いているわけではありません。

ここからは、特にミニマリストが向いている発達障害の人の特徴を3つご紹介します。

5-1. 潔癖症の傾向がある

発達障害の中でも、潔癖症の傾向が強い人は、ミニマリストに向いているでしょう。

部屋が散らかっていると我慢できないタイプなら、最初から物を増やさないのが賢明です。

見た目のスッキリ感にもこだわるなら、シンプルな暮らしが性に合っているはずです。

潔癖症は決して悪いことではなく、ミニマリストへの第一歩だと前向きに捉えましょう。

5-2. コレクション癖がない

発達障害の人の中には、特定の物を集めることに執着する人もいます。

しかし、そんなコレクション癖のない人なら、ミニマリストに挑戦しやすいでしょう。

そもそも物を溜め込む習慣がないので、必要最低限の物だけで生活できるはずです。

無駄遣いをせず、適量の物だけを揃えるのがオススメです。

5-3. 移動が多い

発達障害の人の中には、転勤や転居が多い人もいるのではないでしょうか。

その場合、荷物の多さが引っ越しの大きな障害になります。

ならば、ミニマリストになって荷物を最小限にすれば、身軽に移動できるでしょう。

環境の変化についていくためにも、ミニマリストはうってつけだと言えます。

この章の要点
  • 潔癖症の傾向が強い人は部屋をスッキリ保ちやすい
  • コレクション癖がなく、必要最低限の物だけで満足できる
  • 転勤や転居が多い人にとって、荷物の少なさは強み

6. ミニマリストに向いていない発達障害の人の3つの特徴

一方、発達障害の人の中には、ミニマリストがあまり向いていないタイプもいます。

そんな発達障害の人の特徴を3つにまとめてみました。

6-1. 収集癖がある

興味のある物を徹底的に集める収集癖は、発達障害ならではの特性と言えるでしょう。

コレクションを処分するのは苦痛以外の何物でもないので、ミニマリストにはなじみません。

無理に物を減らすよりも、保管場所を工夫する方が現実的だと考えられます。

ただし、それが生活に支障をきたすほどなら、ルールを設けて歯止めをかける必要はあります。

6-2. 思い出の品を大切にしたい

発達障害の人は、思い出の品に強い愛着を持つ傾向があります。

例えば、家族との旅行の写真や、親友からもらったプレゼントなど。

そうした大切なものを手放すのは心理的にハードルが高いので、ミニマリストは難しいかもしれません。

思い出の品は最低限の量に絞るなど、折衷案を考えるのが賢明でしょう。

6-3. 頑固で融通が利かない

発達障害の人は頑固で融通が利かない場合があります。

「これは絶対に手放せない」と言い張るなど、ミニマリストへの道を阻む要因にもなりえます。

こだわりが強すぎて周囲の意見を聞き入れられないのなら、ミニマリストは難しいでしょう。

時には他者の助言に耳を傾け「これは手放しても大丈夫かも」と視野を広げることが大切。

この章の要点
  • 収集癖があり、コレクションを手放せない
  • 思い出の品への愛着が強く、簡単に処分できない
  • 頑固さゆえに周囲の意見を取り入れるのが苦手

7. 自分に合ったミニマリストを目指すのが肝心

発達障害とミニマリストの関係性について考えてきましたが、結論を言えば、発達障害だからといって誰もがミニマリストに向いているわけではありません。

個人の特性に合わせて、ミニマリストのあり方も変わってくるのです。

7-1. 自分に必要な物を見極める

ミニマリストの基本は、自分に本当に必要な物だけを残すこと。

それは発達障害の人も同じですが、必要な物の判断基準は人それぞれ異なります。

マニュアル通りではなく、自分の生活スタイルに合わせて「これは絶対に要る」と決めることが大切です。

他人の価値観に惑わされず、自分に必要な物を見極める目を養いましょう。

7-2. ストレスをためないペースで

ミニマリストを目指すなら、焦らずゆっくりと進めることが何より大切。

特に発達障害の人は、急激な変化についていけずにパニックになることもあります。

「今週中に◯◯を捨てる」など、時間を区切って目標を立てるのはNGです。

自分のペースでコツコツと、ストレスをためないように進めていきましょう。

7-3. ミニマリストはゴールではない

ミニマリストになることが最終目標ではありません。

部屋をキレイにしたり、心のモヤモヤを解消するのはあくまで通過点に過ぎないのです。

その先にあるのは、自分の好きなことに打ち込める人生。

ミニマリストを足がかりに、理想の暮らしを目指していきましょう。

この章の要点
  • 自分の生活に本当に必要な物を見極めることが大切
  • ゆっくりマイペースに、ストレスをためずに進める
  • ミニマリストはゴールではなく、理想の暮らしへの通過点

まとめ

いかがでしたか?

発達障害とミニマリストの関係性について考えてきました。

シンプルな暮らしを好む発達障害の人にはミニマリストがオススメ。

散らかりがちな部屋をスッキリ片付けることで、心のモヤモヤも解消できるでしょう。

一方で、収集癖や物への愛着が強かったりする発達障害の人には、ミニマリストはハードルが高いかもしれません。

ミニマリストを目指すなら、自分に本当に必要な物を見極め、ゆっくりマイペースに進めることが何より大切です。

決して他人と比べる必要はありません。

あなたに合ったミニマリストのカタチを探しながら、理想の暮らしを実現していきましょう。