【離島移住】空き家バンクを利用する際の注意点と内見時のチェックポイント【地方・田舎】

【離島移住】空き家バンクを利用する際の注意点と内見時のチェックポイント【地方・田舎】

離島移住を検討中なら、お得な物件が見つかる空き家バンクの利用がオススメ。

ただし注意点もあるので、内見の際は物件をしっかりチェックしましょう。

この記事では、空き家バンクで離島移住した経験者の視点から、空き家バンク利用時の注意点と、内見で確認すべきポイントを詳しく解説します。

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1. 空き家バンクとは?利用の流れとメリットと注意点

空き家バンクとは、自治体等が運営する空き家物件の情報サイトのことです。

移住促進のため、通常よりも安い賃料で物件が借りられるのが魅力。

一方で、物件数が少ない、情報が古いなどのデメリットもあります。

空き家バンク利用の流れ
  • 自治体に連絡して物件の状況を確認
  • 職員の立ち会いで内見をする
  • 職員に物件を扱う不動産屋と繋いでもらう
  • 不動産屋と契約して入居

上記が最も一般的な流れ。

自治体に連絡してそのまま不動産屋に繋いでもらう場合や、物件所有者と直接やりとりする場合もあります。

1-1. 空き家バンクで探せる物件の特徴と賃料相場

空き家バンクの物件は一戸建てが中心で、間取りは2〜4LDKの広めのものが多い。

賃料相場は地域によりますが、築年数の古い物件だと月3万円程度から借りられるケースも。

ただし、リフォームが必要な場合もあるため、別途修繕費を見込んでおきましょう。

私が空き家バンクで借りた家は二階建ての一軒家で、家賃は15000円と格安。
一階はリフォーム済みでした。

1-2. 空き家バンク利用の3つのメリット

空き家バンクを利用する3つのメリット
  • 賃料が割安で広い物件が借りられる
  • 自治体が管理しているので安心感がある
  • 物件所有者と直接交渉できる

1-3. 空き家バンク利用の3つの注意点

空き家バンクを利用する際の3つの注意点
  • 登録物件数が少なく選択肢が限られる
  • 情報更新が遅く、すでに成約済みの物件も
  • 古い物件が多く、リフォーム費用が必要なことも
この章の要点
  • 空き家バンクは割安物件が見つかるが、選択肢は限定的
  • 自治体運営で安心感はあるが、情報更新は遅め
  • リフォームが必要な場合がある

2. 空き家バンクの探し方3ステップ

希望エリアの空き家バンクを見つけるには、以下の3ステップで探します。

2-1. 移住先の自治体サイトをチェック

移住を検討している自治体の公式サイトを見て、空き家バンクのページがないか探しましょう。

トップページから「暮らし」「移住」「定住」などのカテゴリーをたどっていくと、空き家バンクのページが見つかります。

2-2. 都道府県の空き家バンクポータルサイトを活用

県によっては、県内の空き家情報を一括で探せる空き家バンクポータルサイトを設けています。

市町村のサイトで見つからない場合は、都道府県の空き家関連ページも忘れずにチェックしましょう。

2-3. Google検索

気になっている都道府県名や市町村名、あるいは離島の名前と空き家バンクで検索してみましょう。

例えば、沖縄への移住を検討しているなら、「沖縄 空き家バンク」「那覇 空き家バンク」「石垣島 空き家バンク」などで検索してみましょう。

この章の要点
  • 移住先の市町村サイトの移住関連ページから探す
  • 都道府県の空き家バンクポータルサイトも活用
  • Google検索で探す

3. 空き家バンク物件の内見で確認すべき7つのポイント

空き家バンクで気になる物件が見つかったら、実際に現地で内見して確認しましょう。

私は移住前に市の職員と一緒に島に行き、内見をしました。

しかし「もうすぐこの島で暮らせるんだ!」というワクワク感で、細い所は全くチェックせず。

暮らし始めてから気づく不具合も多々ありました。

私の二の舞にならないよう、内見時はくれぐれも冷静に。

内見の際は下記の7点は入念にチェックしましょう。

3-1. 家の築年数と劣化状況

築年数が経過した物件は、雨漏りなどの劣化が進んでいるおそれがあります。

屋根や壁に目立つ傷みがないか、雨漏りの形跡はないかをよく見ましょう。

床下や小屋裏まで確認できるとベストです。

離島の物件は塩害で痛みが激しいので、特に注意が必要です。

3-2. 間取りと部屋の広さ

空き家バンクの物件は広めの間取りが多いですが、水回りが古いと使い勝手が悪いことも。

キッチンや浴室の広さ、配置などをチェックして、生活しやすいレイアウトか想像してみましょう。

3-3. 日当たりと風通し

日当たりと風通しは空き家の大敵であるカビ対策に直結します。

部屋の窓を開けて、日光が差し込む角度や風の通り道をよく観察しましょう。

周囲に日光を遮る建物や木などがないかもポイントです。

3-4. 水回りの劣化や水漏れ

キッチンや浴室、トイレの水回りは特に劣化しやすいので、念入りな確認が必要です。

蛇口をひねって水漏れがないか、排水溝に詰まりはないかをチェック。

床や壁の剥がれ、カビの有無も見落とさないようにしましょう。

3-5. 設備の故障や不具合

家電付きの物件なら、冷蔵庫やエアコンなどがきちんと動くか確認を。

そのほか、シロアリの被害がないかどうかや、雨戸の開閉、階段の手すりのぐらつきなどもチェックしたい点です。

私が借りた家はテレビのアンテナとエアコンが故障していました(内見時にわかっていた)。

3-6. 周辺環境と近隣トラブルの可能性

物件の周囲に空き地が広がっていないか、近隣住民とのトラブルに巻き込まれるリスクはないかもチェックしましょう。

所有者や自治体の担当者から、地域の雰囲気や近所付き合いについて話を聞いておくと安心です。

3-7. 扉や窓に隙間がないか

玄関や裏口、窓やふすまなどに隙間がないかをチェックしましょう。

隙間があると虫や砂埃が入ってきたり、冬場は寒さに悩まされます。

3-8. 私が暮らし始めてから気づいた点

私が内見時に見逃していて、暮らし始めてから気づいたこと。

ぜひ内見時の参考にしてください。

  • 玄関ドア、部屋のドア、窓に隙間が多数あり
  • 浴室の壁の一部が破損していた
  • 浴室に鏡がない
  • 郵便受けがない
  • 2階の窓に網戸がない
  • 1階の日当たりが悪い
  • 洗濯物を干す場所の日当たりが悪く、風通しも悪い
この章の要点
  • 築年数と間取り、日当たりは入居後の生活に大きく影響
  • 水回りと設備の劣化チェックを徹底することが大事
  • 周辺環境と近隣トラブルのリスクも事前に把握しておく

4. リフォーム費用を抑える3つの工夫

古い空き家を選ぶ場合、リフォームが必要になる場合があります。

費用を抑えつつ、快適な住まいにするための工夫をご紹介します。

4-1. 自治体のリフォーム補助金を活用する

移住者向けのリフォーム補助金を用意している自治体もあります。

補助額や条件は地域によって異なりますが、数十万円の補助が出るケースも。

対象工事の基準などをよく確認して、うまく活用しましょう。

クロスの張り替えや床の補修など、自分で対応できる箇所は積極的にDIYするのもオススメ。

工具のレンタル代や購入代はかかるが、業者に頼むよりは費用を抑えられます。

ただし、素人判断で手を出すのは危険な場合もあるので慎重に。

4-3. 中古品の活用や段階的リフォームで負担を分散

水回りの設備を新品で揃えると費用がかさみます。

まだ使える浴槽やトイレがあれば、中古品を活用するのも選択肢の一つ。

また、全面リフォームは費用も時間もかかるので、緊急性の高い箇所から段階的に進めていく方が負担は少なくて済みます。

この章の要点
  • 自治体のリフォーム補助金を有効活用する
  • DIYで自分にできる範囲は費用節約につなげる
  • 中古品の活用と段階的リフォームで負担を分散

5. 空き家の購入で損をしないための3つの心構え

せっかくの移住で損をしないためにも、空き家購入には慎重になりたいもの。

後悔しない物件選びのために大切な3つの心構えを紹介します。

5-1. 適正価格かどうかを見極める

安く感じても、立地条件や築年数を考慮すると割高になっていないか、冷静に判断しましょう。

価格交渉の余地はあるか、他の類似物件の相場と比べてみるのも一つの方法です。

5-2. リフォーム費用も含めてトータルで考える

安く購入できても、リフォームに莫大な費用がかかっては本末転倒。

物件価格だけでなく、改修費用も含めたトータルの出費で考えることが大切。

5-3. 将来的なメンテナンス負担も想定する

物件の維持には修繕費用など、継続的な負担も発生します。

特に離島の場合は、塩害により建物の劣化が早いため、将来的に必要になるメンテナンス費用も見込んで検討しましょう。

この章の要点
  • 物件の適正価格を見極める目を養うことが大切
  • リフォーム費用を含めてトータルの予算で考える
  • 将来的なメンテナンス負担も想定しておく

6. 空き家物件の契約時に確認すべき6つの事項

空き家バンクの物件の契約は、自治体ではなく不動産屋と行います。

物件を決めて契約する際は、後々のトラブルを避けるためにも、重要事項をしっかり確認しておきましょう。

特に以下の6点は必ずチェックしてください。

6-1. 契約内容と費用の詳細

賃貸借契約書には、契約期間や家賃、敷金、仲介手数料など、支払いに関する詳細な取り決めが記載されます。

具体的な金額や支払いスケジュールを確実に把握しておきましょう。

6-2. 原状回復の範囲と退去時の費用負担

退去時には部屋を原状回復する必要がありますが、どこまでを入居者負担とするかは契約書で取り決めます。

契約書には細部まで目を通し、疑問があったら遠慮なく不動産屋や家主に確認しましょう。

6-3. リフォームや改築の制限事項

古い物件では、リフォームや増築に一定の制限が設けられているケースもあります。

契約前に禁止事項を確認し、希望するリノベーションが可能か確かめておきましょう。

6-4. 残置物(動産)の処分

離島の空き家には、家主の物や以前住んでいた人の物が残っている場合があります。

これらは、契約書には残置物や動産と記載されています。

これらは入居前に処分してもらえるのか、入居者が自分で処分していいのか、いけないのか。

内見時に残置物があったが、契約書にそれらの記載がない場合には、必ず確認しましょう。

豆知識
  • 不動産とは動かせないもの(家や土地)
  • 動産とは動かせるもの(家具、家電、日用品など)

6-5. 管理規約や地域のルール

集落や地域によっては、ゴミ出しや庭の手入れなど、独自のルールを設けていることがあります。

事前に管理規約や地域の決まり事を確認し、トラブルを未然に防ぎましょう。

6-6. 購入後のサポート体制

物件の引き渡し後もスムーズに移住できるよう、自治体の担当窓口と連絡を取っておくと安心。

移住後の暮らしをサポートする制度の有無や、トラブル時の相談先などを確認しておきましょう。

この章の要点
  • 費用負担の詳細と原状回復の範囲を明確に
  • リフォームの制限事項や地域のルールを確認
  • 移住後を見据えた行政のサポート体制もチェック

7. 空き家物件を内見する際の3つの注意点

最後に、空き家の内見時に注意したい3つのポイントをおさえておきましょう。

7-1. 現地の下見は必ず晴れた日に

雨の日は物件の欠点が見えにくくなるため、内見は必ず晴れた日に行うのが鉄則。

屋根の傷みや雨漏りの痕跡などをチェックするためにも、天気の良い日を選びましょう。

7-2. 高揚感を抑えて冷静に

私もそうでしたが、離島に内見に行くと「これからこの島で暮らすのかぁ」と気持ちが昂り、チェックすべきポイントを見落としてしまいます。

高揚感を抑え、落ち着いてしっかりじっくり内見しましょう。

7-3. 周辺住民から地域の情報を集める

現地を訪れた際は、近隣住民に話を聞くのも有効。

地域の治安や災害リスク、お付き合いの程度など、リアルな声を聞けば、その土地での暮らしをイメージしやすくなるはず。

この章の要点
  • 内見は晴れた日に行い、欠点をしっかりチェック
  • 内見中は冷静に
  • 周辺住民から地域情報を集め、暮らしをイメージ

まとめ

空き家バンクを利用した離島移住は、リーズナブルに理想の暮らしを実現できるチャンス。

とはいえ、物件選びには十分な注意が必要です。

この記事を参考に、後悔のないよう物件探しを進めてください。

移住してから「こんなはずじゃなかった」とならないよう、気になる物件があったらまずは現地に足を運んでみましょう。

物件の内見をしたら、夢の離島移住生活が現実味を帯びてきます。

まずははじめの一歩を踏み出してみましょう。