マデイラ島の照葉樹林 観光情報まとめ

世界遺産の概要


ポルトガルの首都リスボンの南西約1000㎞の大西洋上に浮かぶマデイラ諸島は、マデイラ島を中心とした4つの島々から成り、ローマ時代にはすでにその存在が知られていた。

この島が再発見されたのは1419年、エンリケ航海王子の命を受けた探検家ジョアン・ゴンサルヴェス・ザルコによるもので、その翌年にポルトガル領となった。

その後は新大陸との貿易の重要な中継地点として発展していき、15世紀にブドウの木が持ち込まれて以降は、島の温暖な気候を生かしたワイン造りも盛んに行われ、今では島の主要産業にまで成長した。

“冬が春を過ごしにやってくる土地”と称されるほど年間を通じて温暖な気候のマデイラ島には、ヨーロッパ大陸で氷河期に失われてしまった自然が、現在も変わらぬ姿のまま生き残っている。

そんな貴重な大自然が広がるマデイラ島は、太古の森が残る約200㎢がマデイラ自然保護区に指定され、その中の約150㎢が“マデイラ島の照葉樹林”として1999年に世界遺産に登録された。
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マデイラ島観光の拠点はフンシャル


マデイラ島の観光の拠点となるフンシャルは島の南東に位置し、山の斜面に広がる海沿いの町。
ポルトガル本土からフライトがあるマデイラ空港は、ここから約20㎞西のサンタ・クルスという町にあり、空港~フンシャルは空港バス(Aerobus)で結ばれている。
空港バスでフンシャル市内まで所要40~50分、タクシーなら30分前後で着く。

フンシャルの中心はサン・フランシスコ庭園がある辺りで、隣にはブランディーズ・ワインロッジと観光案内所が建ち、正面にはメインストリートとなるアリアガ通り(Av. Arriaqa)が東西に走り、マデイラ島を再発見したジョアン・ゴンサルヴェス・ザルコの像が海に向かって建っている。

通りの反対側にはサン・ローレンソ要塞や劇場が建ち、海を背にして北に行くとキンタ・ダス・クルーゼスが、西に行くと町や港を一望できるサンタ・カタリーナ公園が広がっている。
通りを東に行くとカテドラルや宗教博物館、ラヴラドーレス市場があり、市場の東側に広がる旧市街から海に向かっていくと、海沿いにモンテ行きのロープウェイ乗り場がある。

上記のフンシャル市内なら歩いて十分見て回れるが、近郊の町も回るならバスを利用するのが便利で、効率良く見どころを巡るなら現地旅行会社のバスツアーに参加する方法もある。
バスの時刻表やツアー情報は観光案内所で入手でき、ホテルにツアーのパンフレットが置いてあれば、そのままホテルでツアーの予約や手配をしてもらえる。

フンシャルの見どころ


ブランディーズ・ワインロッジ Blandy’s Wine Lodge

ワイン造りが盛んなフンシャルで最も古いワインロッジで、17世紀の修道院を改築して造られた建物。
現在はここでワイン造りは行われていないが、ヴィンテージ・ワインの一部は現在もこの酒蔵に寝かされており、内部はガイドツアーで見学することができる。
ツアーではブドウ絞り機といった当時の道具が展示される部屋などを回り、最後にワインの試飲をする。
公式サイトはこちら。
Blandy’s Wine Lodge

カテドラル Episcopal See Cathedral

アリアガ通りの東端に位置するこのカテドラルは、ポルトガルが本土以外に建設した最初のカテドラルで、15世紀後半にキリスト騎士団によって造られた。
マヌエル様式でレンガ造りの美しい教会で、内部には見事なアズレージョが施されている。
開館は9:00~12:00・16:00~19:00、日曜は8:00~12:00・17:00~19:00、入場無料。

フンシャル宗教美術館 Museu de Arte Sacra do Funchal

15~16世紀のマデイラ島はサトウキビの栽培が盛んで、島に住むキリスト教徒も行っていた。
ここに集められた美術品は、サトウキビから製造した砂糖と物々交換をして教会が入手したもので、展示されている高価な絵画や彫刻が、当時の砂糖の貴重さを物語っている。
開館は10:00~12:30・14:30~18:00、日曜は10:00~13:00、月・祝日休みで入館料は€3。
公式サイトはこちら。
Museu de Arte Sacra do Funchal

キンタ・ダス・クルーゼス Museu da Quinta das Cruzes

マデイラ島を再発見したジョアン・ゴンサルヴェス・ザルコが暮らしていた館で、美しい庭園に囲まれたこの館はフンシャルの町を望む高台に建ち、家具や調度品を展示する博物館として公開されている。
開館は10:00~12:30・14:00~17:30、月・祝日休みで入館料は€3。
公式サイトはこちら。
Museu da Quinta das Cruzes

植物園 Jardim Botanico

マデイラ島固有の植物や、ヨーロッパ大陸では氷河期に失われてしまった植物などを中心に、世界中から持ち込まれた植物や珍しい植物も展示されている。
開園は10/1~4/29が9:00~18:00、4/30~9/30が9:00~20:00、入園料は€5.50。
公式サイトはこちら。
Jardim Botanico

モンテ Monte

フンシャル中心部から北に約3㎞の丘の中腹にあり、海沿いからモンテ行きのロープウェイが出ている。
町や海を眺めながら約15分でモンテの展望台に到着し、丘にはモンテ教会やモンテ宮殿などがある。
また、モンテの丘にきたらぜひ“ドボガン”にチャレンジしたい。

ドボガンとは、大きなかごに木製のソリがついたような乗り物で、19世紀頃から人や物を運ぶ乗り物として使われていたが、現在は約2kmの坂道を一気に滑り降りる人気のアトラクションになっている。
ドボガンの終着点にはタクシーが客待ちをしているほか、バスでも町の中心部まで戻れる。

ロープウェイの営業時間は9:00~17:45、料金は往復€15、片道€10。
ドボガンの営業時間は9:00~18:00、日曜は9:00~13:00、料金は1人€25、2人€30、3人€45。
公式サイトはこちら。
Teleférico do Funchal(ロープウェイ)
The Monte Palace Tropical Garden(モンテ宮殿)
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フンシャル近郊の見どころ


エイラ・ド・セラード Eira do Serrado

フンシャルの北西約20㎞、標高1094mの山中にあり、雄大な眺めの展望地として知られる。
展望台からは噴火口跡や山間に広がる村クラル・ダス・フレイラス(Curral das Freiras)を一望できる。

クラル・ダス・フレイラスとは“修道女の避難場所”という意味をもち、1556年にフランスの海賊からの攻撃から身を守るため、サンタ・クララ修道院の修道女がこの村に隠れたという歴史がある。
フンシャルからは、サン・フローレンス要塞前からNo.81のバスで所要40分ほど。

カマラ・デ・ロボス Camara de Lobos

フンシャルの西約10㎞の海沿いに位置し、カマラ・デ・ロボスは“アザラシの部屋”という意味をもつ。
かつてたくさんのアザラシが生息した町の港にはカラフルな漁船が停泊し、英国の元首相ウィンストン・チャーチルが座って絵を描いたというベンチも残されている。

町の展望台からは美しい海や港、カマラ・デ・ロボスの町を一望できる。
フンシャルからはNo.1・4・7・27・80などのバスで所要20分ほど。

ジラオン岬 Cado Girao

フンシャルの西約20㎞に位置し、海抜580mのこの岬は世界で2番、ヨーロッパで1番の高さを誇る。
海から垂直に切り立つ断崖絶壁からの眺めは素晴らしく、展望台も設置されている。
フンシャルからはNo.4・6・7・8・115・148などのバスで所要40~50分ほど。

カマーシャ Camacha

フンシャルの東約10㎞に位置し、標高700mにある小さなこの町は柳細工で知られる。
町の民芸センターでは柳細工の籠や家具が販売され、職人の作業風景も見学できる。
フンシャルからはNo.129のバスで所要20~30分ほど。

サンタナ Santana

フンシャルの北約30㎞、島の北東部に位置する町サンタナは、伝統的な家屋が残る町として知られ、数は少なくなったが、茅葺き屋根で正三角形の可愛らしい家屋が現在も残されている。
フンシャルからはNo.56・103・138のバスで所要60~90分ほど。

ポルト・モニス Porto Moniz

フンシャルの北西約45㎞、島の北西部に位置する海沿いの町で、この町の海岸はかつて流れ出した溶岩が固まり、その溶岩によってせき止められた海水がプールのようになっている。
この天然のプールでは旅行者や地元民が海水浴を楽しみ、海辺からの眺めも素晴らしい。
フンシャルからはNo.80のバスで所要3時間ほど。
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マデイラ島の気候


年間を通じて温暖な気候のポルトガルは、日本の4分の1ほどの小さな国で、地域による大きな気候の違いはないが、南北に長い国のため地域によって若干気温差がある。
日本のように四季があり、夏は晴天に恵まれる乾季、秋から春にかけては雨が多く、不安定な天気が続く雨季となるが、日本の梅雨のように1日中雨が降り続くことはあまりない。

春(3~5月)

気温は東京の春より少し高く、3~5月にかけて日増しに暖かくなっていき、5月に入ると日中は20℃を超える日が多くなり、季節は夏へと移り変わっていく。
日中は暖かくても朝晩は13℃前後まで気温が下がるので、薄手の上着があるといいでしょう。
3・4月は若干雨が多く、1ヶ月に40~60㎜前後の雨が降るが、日本の梅雨のようにジメジメとはしない。
4~5月にはマンデラ島でフラワーフェステバルが開催される。

夏(6~8月)

夏の平均最高気温は25℃前後で東京の夏より低く、朝晩は17℃前後まで気温が下がるので、暑くて寝苦しさを感じるようなことはあまりないでしょう。
乾季でカラッとした晴天に恵まれ、湿度が低いので日陰に入れば昼間でも涼しく感じるほど。
特に7・8月は全くと言っていいほど雨が降らず快適で、多くの旅行者で混雑するとはいえ、この時期がポルトガル観光のベストシーズンといえる。

秋(9~11月)

気温は東京の秋より暖かく、11月に入っても日中は20℃を超え、朝晩は15℃前後まで気温が下がる。
また、乾季から雨季への変わり目でもあり、10・11月は1ヶ月に70~100㎜前後の雨が降る。
晴れている時は過ごしやすいが、1日の中で急に雨が降ったりすぐに止んだりするので注意が必要。

冬(12~2月)

東京の冬よりはるかに暖かく、平均最高気温は19℃前後、最低気温は13℃前後で、雪が降ることはほとんどない。
しかし、雨季の真っ只中なので雨は多く、毎月100㎜前後の雨が降るので傘などの雨具があると便利。
12月31日はマデイラ島で聖シルヴェストレ祭が行われる。
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日本からのアクセスと行き方


現在、日本からポルトガルへの直行便はなく、ヨーロッパの主要都市で乗り継いでポルトガルのリスボン空港に向かうのが一般的。
所要は乗り継ぎ込みで17~20時間ほどで、日本を昼頃に出れば現地時間で同日の夜に着く。
リスボン空港からマデイラ空港までは、国内線で所要2時間ほど。

通貨と言語とビザについて

通貨はユーロ(Euro)で表記は€、補助通貨はセント(Centimo)で表記は¢。
公用語はポルトガル語だが、観光地にある旅行者向けのホテルやレストランでは英語が通じる所も多い。
シェンゲン協定加盟国であるポルトガルへの入国は、90日以内の滞在であればビザは不要。
パスポートは残存有効期間がポルトガル出国予定日から3ヶ月以上と査証欄の余白が2ページ以上必要。
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