ロス・グラシアレス国立公園 観光情報まとめ

世界遺産の概要


アルゼンチン南部のパタゴニア地方にあるロス・グラシアレス国立公園は、南極、グリーンランドに次いで世界で3番目の面積を誇る氷河地帯で、グラシアレス(Glaciares)はスペイン語で氷河を意味する。
積もった雪に圧力がかかり、それが凍結してできた氷河は気泡が少なく、青い光だけを反射して他の色の光は吸収してしまうため、氷河は透明度が高く、自然の神秘を物語るように青い輝きを放っている。

氷河の先端部は轟音とともに湖に崩落し、それが水蒸気となって空に舞い上がり、やがて雪となって舞い降り、この地に再び氷河を形成する。
ロス・グラシアレス国立公園には300を超える氷河が存在し、巨大なものだけでも47の氷河がある。
山と湖、そして貴重な氷河からなる大自然の美しい景観を保護するため、総面積4459㎢に及ぶ氷河地帯とその一帯が1937年に国立公園に指定され、1981年に世界遺産に登録された。glacier-583419_1280

ロス・グラシアレス国立公園観光の拠点はエル・カラファテとエル・チャルテン


ロス・グラシアレス国立公園観光の拠点となるのは、エル・カラファテとエル・チャルテンという町。
エル・カラファテは公園の南側のアルヘンティーノ湖に面した町で、ペリト・モレノ氷河、ウプサラ氷河、スペガッツィーニ氷河へのツアーの多くはこの町からでている。

各地からの長距離バスが発着するバスターミナルは、町中のフリオ・ロカ通りに面した小高い丘の上に建っていて、バス会社と旅行会社の窓口、観光案内所がある。
フリオ・ロカ通りに面して建物の出入り口があり、反対側がバス乗り場になっている。
フリオ・ロカ通りを背にして、バス乗り場側にある階段を下っていけば、メインストリートのリベルタドール大通りにでる。

リベルタドール大通り沿いにはレストランや旅行会社が多く、ホテルは通りの北側に多い。
バス乗り場からリベルタドール大通りにでて左に進むと、大きな交差点の右手にロス・グラシアレス国立公園管理局があり、ここから北に約1.5㎞進むとニメス湖がある。

細い岬でアルヘンティーノ湖と区切られたニメス湖では様々な水鳥が羽を休めている。
柵で囲まれた小さな小屋が入り口で、湖の周囲はここから歩いて1周約1時間の遊歩道になっている。
開園は夏期が9:00~20:00、冬期が10:00~18:00、入場料は$70。

ロス・グラシアレス国立公園管理局を右手に見て交差点を左に曲がると、通りの右側にグラシアリウム行きの無料のシャトルバスが発着する駐車場がある。
グラシアリウムはロス・グラシアレス国立公園や氷河に関する博物館で、資料だけでなく氷河の3D映像も上映されている。

地下にあるグラシオバーは-10℃の空間でドリンクを提供しているバーで、テーブルや椅子、壁など全てが氷で造られている。
グラシオバーは博物館とは別途で、ドリンクと防寒具のレンタル料が含まれた入場料がかかる。
グラシアリウムの入場料は$260、グラシオバーの入場料は$180。
営業時間は共に9:00~20:00、5~8月は11:00~19:00、バスの運行時間は9:00~19:00。
公式サイトはこちら。
Glaciarium

エル・カラファテから北東約7㎞のアルヘンティーナ湖畔には、洞窟や岩に先史時代の壁画が残されているプンタ・ワリチュがある。
アルヘンティーナ湖に向かって左側が古い壁画、右側が近代に描かれた壁画で、プンタ・ワリチュへはタクシーでも行けるが、旅行会社のツアーでも訪れることもできる。

エル・カラファテの旅行会社公式サイトはこちら。
Solo Patagonia
Hielo&Aventura
Cal Tur
Morresi Viajes
Taqsa
Rumbo Sur

エル・カラファテ周辺の見どころ


ペリト・モレノ氷河 Glaciar Perito Moreno

全長約35㎞、表面積はおよそ250㎢、先端部の幅は約5㎞、高さは60mほどで、高いところでは時に100mに達することもある。
氷河の上をトレッキングする場合はツアーに参加しなければならないが、クルーズや展望台から眺めるだけなら個人でも訪れることができる。

エル・カラファテのバスターミナルからバスが出ており、所要約1時間。
個人でバスで向かう場合は、バスの車内で係員に国立公園の入園料$215を支払う。

ウプサラ氷河 Glaciar Upsala

ロス・グラシアレス国立公園最大の氷河で、全長約60㎞、表面積はおよそ600㎢、先端部の幅は7㎞、高さは80~100mにもなる。
クルーズ船によるツアーで訪れるのが一般的で、旅行会社のバスでエル・カラファテの西約45㎞にあるプンタ・バンデーラまで移動し、ここの港で国立公園の入園料を支払い、クルーズ船で出港する。

スペガッツィーニ氷河 Glaciar Spegazzini

全長約25㎞、表面積はおよそ66㎢、先端部の幅は1.5㎞と規模はさほど大きくないが、見学できる氷河の中で最も高さのある氷河で、高い所では135mにも達する。
エル・カラファテからの移動手段はウプサラ氷河と同様で、ウプサラ氷河とスペガッツィーニ氷河の両方を訪れるツアーもある。chalten-821930_1280

エル・チャルテンの町について


エル・チャルテンはロス・グラシアレス国立公園の北側に位置する小さな町で、デシエルト湖やビエドマ氷河へのツアーが多くでており、フィッツ・ロイ山周辺へのトレッキングの拠点ともなる町である。

各地からの長距離バスが発着するバスターミナルは町の南側にあり、すぐ隣に観光案内所がある。
バスで来た道を戻るようにして、バスターミナルの南にある橋を渡って500mほど進むと右手にロス・グラシアレス国立公園管理局があり、ホテルやレストラン、旅行会社はバスターミナルの北側にある。

観光案内所や国立公園管理局で地図がもらえ、トレッキングルートに関しても詳しく教えてくれる。
エル・チャルテンの旅行会社公式サイトはこちら。
Patagonia Adventures

エル・チャルテン周辺の見どころ


フィッツ・ロイ山 Monte Fitz Roy

ひときわ高くそびえ立つ、堂々とした佇まいのフィッツ・ロイ山(標高3405m)は、先住民からは町の名前でもあるエル・チャルテン(煙を吐く山)と呼ばれ、パタゴニア地方特有の気流の影響で、山頂付近は白煙のような雲に覆われることが多い。

その独特の景観のフィッツ・ロイ山を望む最も一般的なトレッキングルートは、エル・チャルテンの北の外れの登山口から丘陵地帯を抜け、リオ・ブランコ川が流れる谷間を通り、ロス・トレス湖に向かうルートで、雲がなければロス・トレス湖の背後にフィッツ・ロイ山を望める。

ここまで片道5時間ほどで、時間がなければこのルートの中間地点にあるカプリ湖からもフィッツ・ロイ山を望むことができる。
エル・チャルテンの南側にあるロス・コンドルという丘からは、エル・チャルテンの町並みとフィッツ・ロイ山を眺められる。

国立公園管理局のすぐ近くから登っていける往復2時間ほどのコースがあり、丘の名前の通りこの辺りではコンドルが見られる。

セロ・トーレ Cerro Torre

セロ・トーレ(標高3128m)はフィッツ・ロイ山に次いで人気の高い山で、エル・チャルテンからいくつかのトレッキングルートがあるが、どれも途中で合流する。
フィッツ・ロイ川が流れる谷間を抜けてトーレ湖に向かうルートで、トーレ湖畔から氷河の向こうにそびえるセロ・トーレを望め、往復6~8時間ほど。

デシエルト湖 Lago Desierto

エル・チャルテンから北35㎞ほどにあるデシエルト湖は自然に囲まれた美しい湖で、エル・チャルテンから旅行会社のバスが運行している。
湖畔のトレッキングや湖を遊覧するボートが楽しめ、ツアーに参加して訪れることもできる。

ビエドマ氷河とビエドマ湖 Lago Viedma&Glaciar Viedma

ロス・グラシアレス国立公園で2番目に大きい氷河で、表面積はおよそ100㎢、先端部の幅は約3㎞、高さ50m、エル・チャルテンから南約15㎞の所にある。
エル・チャルテンからツアーに参加して、ボートやクルーズ船でビエドマ湖を渡って行くことができ、氷河の上をトレッキングすることもできる。argentina-701789_1280

ロス・グラシアレス国立公園の気候


南米大陸の大部分を占めるアルゼンチンは、日本の約7.5倍となる280万㎢もの広大な国土をもち、南北の全長は3800㎞に及び、地域によって大きく気候が異なる。
南半球に位置するアルゼンチンでは南に行くほど寒く、北に行くほど暑く、季節は日本と逆になる。

季節は日本のように四季がある地域、乾季と雨季に分かれる地域など様々である。
ロス・グラシアレス国立公園があるパタゴニア地方は、大西洋に流れ込むコロラド川あるいはネグロ川を境にして、ほぼ南緯40℃以南の地域のことをいう。

エル・カラファテの夏(11~3月)の平均最高気温は17℃、最低気温は6.5℃、冬(5~8月)の平均最高気温は6℃、最低気温は1.5℃。
エル・カラファテの町は年間を通じて雨は少ないが、ロス・グラシアレス国立公園内のアルプス山脈に近い地域では若干雨が多くなる。

観光のベストシーズンは比較的天気のいい夏で、気温の高いこの時期は氷河の崩落が多く見られる。
冬は雪に覆われて目的地に辿り着けないこともあり、利用者が少なければホテルやレストランは休業し、交通機関の便数も少なくなり、天候によっては運休になる場合もある。torres-del-paine-322706_1280

日本からのアクセスと行き方


現在、日本からアルゼンチンへの直行便はなく、アメリカのダラス、ヒューストン、アトランタ、ニューヨークなどを経由してブエノス・アイレス郊外のエセイサ国際空港に向かうのが一般的で、大抵のフライトは日本を夕方に出発し、翌日の早朝にアルゼンチンに到着する。
経由地や航空会社によるが、所要時間は乗り継ぎ込みで26~32時間ほど。

その他では、ヨーロッパや中近東の主要都市、シンガポール経由のフライトもある。
また、アメリカ経由でアルゼンチンへ向かうには、事前にESTAの取得が必要。
ESTAに関しての詳細はこちら。
アメリカへの入国とESTA取得方法

空港からブエノス・アイレス市内への移動について


ブエノス・アイレスには国際線が発着するエセイサ国際空港と、国内線が発着するホルヘ・ニューベリー空港のふたつがある。
エセイサ国際空港はブエノス・アイレス市内の南約35㎞にあり、市内や市内近郊にあるホルヘ・ニューベリー空港へは、空港タクシー、レミース、空港バス、コレクティーボのどれかで向かう。
空港から市内へはコレクティーボは所要約2時間、その他は所要40~60分前後。

空港タクシー

空港到着ロビーにある受付カウンターで行き先を告げ、事前に料金を支払うシステムになっていて、市内やホルヘ・ニューベリー空港まで$450前後。
支払いを済ませレシートを受け取り、待機しているタクシーまで係員が誘導してくれる。

市内や空港の外で待機している普通のタクシーは日本のようにメーター制で、こちらを利用して市内まで行くことも出来るが、高くつく場合もあるので空港タクシーがオススメ。
空港タクシーは白い車体で、普通のタクシーは黒い車体で屋根が黄色。
空港タクシー会社公式サイトはこちら。
Taxi Ezeiza

レミース

日本のハイヤーのようなもので、料金はタクシーより高いが車両が大きく快適で、前払い制なのでぼったくられることもない。
市内やホルヘ・ニューベリー空港まで$540前後で、空港の各社カウンターで行き先を告げて料金を支払う。
レミースは空港以外でも利用でき、レストランやホテルなどでも呼んでもらえる。

空港バス

Tienda Leon社が市内バスターミナル行きを運行しており、利用申し込みは空港Aターミナル到着ゲートにある窓口で行う。
市内までは$140、ホルヘ・ニューベリー空港までは$150。
市内バスターミナルの場所は、レティーロ駅(Estacion Retiro)南側の、大きな英国塔が建つアルゼンチン空軍広場のすぐそば。
バス会社公式サイトはこちら。
Tienda Leon

コレクティーボ(市バス)

空港Aターミナルを出て100mほど直進し、突き当りを左折した所に乗り場がある。
バスの正面に大きく数字で路線番号が書かれていて、市内行きはNo.8のバス。
乗車の際に運転手に行き先を告げ、運転席横の券売機にお金を入れて切符を取る。
料金は$10で、紙幣は使えないので硬貨を用意しておく必要がある。
降りる際は日本のバスのようにボタンを押して知らせる。

ブエノス・アイレス市内からエル・カラファテへの移動について


長距離バスの場合

長距離バスターミナルは3階建てで、レティーロ駅(Estacion Retiro)北側にある。
2階の案内所で目的地への便を運行しているバス会社とカウンター番号を聞き、3階の各バス会社のカウンターでチケットを購入する。

エル・カラファテへはリオ・ガジェゴスで乗り換えが必要で、ブエノス・アイレスからリオ・ガジェゴスは所要約35時間で料金は$2000前後、リオ・ガジェゴスからエル・カラファテは所要約4時間で料金は$300前後。
エル・チャルテンへは、エル・カラファテから所要3時間で料金は$250前後。

国内線のフライトの場合

ホルヘ・ニューベリー空港からアルゼンチン各地へフライトがあり、エル・カラファテへは所要3時間ほど。
エル・カラファテ国際空港から市内中心部へは約10㎞あり、タクシーかVes Patagonia社が運行するシャトルバスを利用する。
公式サイトはこちら。
Ves Patagonia

通貨と言語とビザについて

通貨はアルゼンンチン・ペソ(Argentina Peso)で記号は$、補助通貨はセンターボ(Centavo)で記号は¢。
公用語はスペイン語だが、観光地にある旅行者向けのホテルやレストランでは英語が通じる所もある。
また、日本人の観光目的でのアルゼンチンへの入国は、3ヶ月以内であればビザは不要。

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